田園都市線世田谷区三軒茶屋ウィメンズクリニック不妊治療レディ—スクリニック|不妊症の原因

排卵障害

妊娠するには、正常に排卵ができていなければなりません。正常な排卵ができていない場合を排卵障害と呼ばれます。
排卵障害もさまざまな原因がありますが、よく知られている原因を少し並べてみましょう。

 卵巣機能の低下

卵巣は、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(FSHとLH)の働きかけに応じて卵胞の発育など、卵巣独特の機能を発揮します。
しかし、性腺刺激ホルモンが分泌されていても、卵巣の機能が低下すると、月経が来なくなったり(無月経)、月経があっても排卵されなかったり(無排卵月経)、妊娠を大きく左右する結果になります。
卵巣の機能低下は通常は加齢によってもたらされますが、最近は若年性の卵巣機能低下も報告されています。
特に生活環境が引き金となっている可能性はよく指摘されています。
たとえば、血流が滑らかでないために、全身が冷え性や低体温気味になって卵巣まで血液がたっぷりと送られないことがありますし、脳から卵巣に送られる指令に支障をきたす恐れもあります。
いずれにしても、生活の乱れが引き金となる恐れは否定できません。
過剰なダイエットや運動不足、ストレスの蓄積や過度の飲酒・喫煙が要因となる恐れがあるということです。

 高プロラクチン血症

プロラクチンとは、ホルモンの一種で乳汁分泌ホルモンとも呼ばれます。
このプロラクチンは、出産後の女性の体内でさかんに分泌されます。
プロラクチンが分泌されると、別名のとおり母乳の分泌が促されるのですが、同時に排卵が抑制されます。
授乳中は乳児を育てることに集中する必要があるため、その間の女性の肉体は妊娠しにくくなるようになっているというわけです。
当然、プロラクチンは授乳が終わったら自然と分泌されなくなるのですが、授乳中でない時期に高濃度で分泌されてしまうと、月経不順や無排卵が促されてしまいます。場合によっては流産の原因になることもあります。

授乳中以外の時期にプロラクチンが分泌される原因は、西洋医学では、下垂体腫瘍・薬剤性・突発性の3つがあるといわれています。東洋医学では、血行不良やストレスの蓄積やホルモンバランスの乱れだと推定されています。
現在、プロラクチンを抑制する薬も開発され、薬物療法においての改善が進んでいます。
またこのほか、ホルモン負荷試験のTRHテストで見つかる「潜在性高プロラクチン血症」という種類もあります。

 中枢性の排卵障害

ホルモンは種類がたくさんありますが、いずれも脳下垂体や視床下部という器官から分泌されます。脳の一部にある脳下垂体や視床下部は、卵巣の排卵機能をつかさどるという意味ではまさに「中枢」と呼ぶにふさわしい器官です。
中枢性のホルモンが排卵機能に与える影響はかなり複雑です。
視床下部は、卵巣から分泌されるエストロゲン(E2)が、血液の中にどれくらい含まれているかを察知する機能を持っています。
月経期から排卵期にかけて、エストロゲン(E2)の濃度が低いと判断すると、視床下部はLH-RHというホルモンを分泌して脳下垂体に刺激を与えます。
脳下垂体は、その刺激を受けると卵胞刺激ホルモン(FSH)と少しのLHを分泌して、卵巣に刺激を与えます。
すると卵巣の中で卵胞が育てられ、卵胞の中では卵子が育てられるわけです。
卵子は顆粒膜細胞に取り囲まれて育ちますが、この細胞はエストロゲン(E2)を分泌します。
卵胞が充分に成熟して、エストロゲン(E2)の分泌量が高濃度になると、それをまた視床下部は察知します。そしてまた脳下垂体に刺激を与えるため、脳下垂体は黄体化ホルモン(LH)を分泌します。これはLHサージと呼ばれる現象です。
LHサージが行われると卵胞は排卵します。そして卵子は卵胞から卵管の中に取り込まれますから、同じ頃に精子が卵管まで達していれば受精が行われることになるのです。
排卵が終わると卵胞は黄体化します。
黄体からプロゲステロンが分泌されて、2週間前後経過すると月経が起こります。
月経期にはエストロゲンは特に低い濃度になりますから、それを察知した視床下部がまたLH-RHを分泌します。

このようにして、女性の月経期から排卵期にかけての一連の流れを中枢性はつかさどっているのですが、中枢性のどこかに異常が発生すると、排卵が正しく行われなくなります。
視床下部がエストロゲン(E2)の濃度に反応してLH-RHを分泌できなくなっても排卵は正しく行われませんし、脳下垂体が卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)を分泌できなくなっても排卵は正しく行われません。
中枢性の機能に異常が発生すると、卵巣の中で卵胞や卵子が正常に育つことはありませんから、無月経や月経不順、不正出血のようなトラブルが起きてしまうのです。
脳下垂体から分泌されるFSHやLHの量が少ないことがわかったときは、脳下垂体か視床下部に異常が発生している恐れがあります。 ただ、脳下垂体と視床下部のどちらが異常なのかは簡単には判断ができませんから、慎重な診断が必要となってきます。

 早発卵巣機能不全(早発閉経)

40歳以前に閉経してしまうことを指します。
卵巣のゴナドトロピンへの不応、反応の異常に起因する排卵障害です。
最近は症例が増えていて(20~30代でも異常を感じて診察を受ける女性が多くなっています)、注目を集めています。
3ヶ月以上過ぎても月経が来ないようであれば診察を受けることが望ましいです。

 多嚢胞性卵巣

卵巣の中で卵胞が充分に育っているのに、なかなか排卵できないという症状です。
原因はたくさんあり、その中にははっきりと解明されていない原因もあります。
※比較的はっきりと解明されている原因を、ひとつ例としてあげますと、卵巣を覆う皮膜が厚くて丈夫なために、排卵ができにくくなることがあります(ホルモンの動態が原因で起こるといわれています)。
多嚢胞性卵巣を持っている女性は決して珍しくありませんが、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されると、排卵が不定期になったり、
月経周期が延びてしまったり、さまざまな症状が見られます。
根本的な解決策は見つかっていませんが、東洋医学では全身の血行を改善することで症状の改善に成功する例が報告されています。

 黄体未破裂細胞(LUF)

卵胞が成熟しても排卵がされないときに起こる症状です。
卵胞は、成熟すると破裂して排卵して、それから黄体に変化します。
しかし、卵胞が破裂せず(原因についてははっきりとは解明されていないのですが)に巨大化し、その中に黄体ができてしまうことがあります。これを黄体未破裂細胞(LUF)と呼びます。

卵管障害

卵管の中は、排卵前になると卵子と精子が遭遇しやすくなりますし、受精卵が子宮への移動をしやすくなる環境を整えます。
卵管が何らかのトラブルに見舞われると、この一連のプロセスが行われなくなりますから妊娠の可能性を低くしてしまいます。
卵管障害もさまざまな原因がありますが、よく知られている原因を少し並べてみましょう。

 卵管切除後

子宮外妊娠などが発生したために卵管を切除してしまった場合です。

 卵管采癒着

排卵の際に、卵管采(卵を受け止める卵管の先端ある部位)が卵を受け止められない(ピックアップできない)症状です。
卵管采が癒着を起こしている、といった原因で起こります。

 卵管周囲癒着

性感染症などの理由で卵管の中やその周辺が癒着することがあります (卵管障害の中ではかなり多い症例でもあります)。

 卵管の閉塞

卵管はふたつありますから、何らかの原因で卵管が詰まってしまっても、片方だけであれば妊娠は不可能にはなりません。
しかし、ふたつとも閉塞してしまう可能性もゼロではなく、万一そうなった場合には自然に妊娠できる可能性は著しく下がってしまいます。

 クラミジア感染

クラミジアが卵管にまで達してしまうと、卵管の上皮細胞や線毛細胞がダメージを受けます。受精卵を子宮に送る手段が損なわれることになるのです。
ここまででも妊娠の可能性は著しく下がってしまいますが、悪化すると卵管の外側まで炎症が拡大されます。癒着が進むと卵管の癒着が進行して卵子が運ばれなくなりますから、クラミジアの悪化とともに不妊症も悪化することになります。

子宮着床障害

排卵に合わせて夫婦生活を行うことができたときは、通常は受精する確率が一気に上がります。
ところで、人間はもともと他の動物に比べれば着床する確率が高くありません。
受精まではうまくいっても、着床の確率は通常の夫婦でも決して高いわけではないのです。
それでは着床の確率が通常の夫婦よりさらに下がってしまうのはどのような症例でしょうか?
着床は、人体の神秘のひとつといってもよいくらいまだ研究の途上にある分野です。
そのため、不妊症研究の中でも群を抜いて不明確な部分がたくさんありますし、着床障害が発生するケースとその原因についても、まだ不明瞭な部分が多いのが現状です。
はっきりしないことが多い着床障害の中でも、比較的よく知られている原因を少し並べてみましょう。

 子宮筋腫

子宮筋腫は知名度が高いですからご存じの方も多いことでしょう (女性は、30代に入ると3、4人に1人の割合で発症するといわれます)。
子宮の筋層や内部に発生する一種の腫瘍のことです。
子宮筋腫は着床障害をもたらす可能性があります。
たとえば、筋腫が子宮の血流障害の原因となって、子宮内膜の着床障害をもたらすという症例が知られています。
子宮筋腫の原因と治療法については研究が活発に続けられています。
西洋医学では、手術切除(開腹手術など)がよく行われているほか、子宮鏡や腹腔鏡を使用して筋腫を削る治療法も行われています。
東洋医学では、冷え性が発症を促すと考えられています(冷え性や血行不良が不妊症の多くの原因につながっていることは間違いないようです)。

 子宮内膜ポリープ

ポリープのことを知らない方はほとんどいないでしょう。
子宮内膜ポリープは、数の多さや子宮のどこにできるかによって、着床できない原因になることがあります。受精卵が子宮内膜に到達したときに、ポリープがあるために着床できないこともあるのです。
ただ良性のことが多いですし、子宮内膜が増殖する前(月経の直後)に子宮鏡検査を行うと、比較的楽に発見できます。
また、発見と同時に子宮鏡下切除でポリープを切除できることもあります。
全体的に、負担の少ない手術で取り除くことができます。


 子宮奇形

子宮の形成は、女性がまだ母親の胎内にいる頃にさかのぼります(つまり、先天性の奇形であるということです。)。
これまでによく報告されている奇形の種類ですが、二つに分かれていたり、卵管のどちらかとつながっていなかったり、子宮の形が不自然である場合ばかりではありません。
着床障害のほかに流産・早産の原因になる恐れもありますが、妊娠できないわけでもありませんから、専門医と検討を重ねることが第一です。
軽度であれば、そのまま妊娠も出産もできる可能性(充分な妊娠管理を行う必要はありますし、早産の恐れもありますが)がありますし、重度であれば、手術などで対処できる可能性があります。

 子宮内膜炎

雑菌が子宮の中に侵入すると、子宮が炎症を起こしてしまうこともあります。
子宮内膜炎の兆候としては、
1.おりものに不自然な臭いや色(褐色になったり色が濃くなったりします)がある
2.月経中でないのに月経痛のような痛みがある
3.月経中の出血が少ない
4.下腹部の痛み
5.排尿や排便時の痛み
などがあります。
以上のような症状が出てきたら、早めに治療を受けるのが大切です(子宮内膜炎が起こると、子宮の中は着床できる環境ではなくなってしまいます)。

 子宮腟の癒着

子宮腟が癒着してしまうと受精卵の着床が難しくなります。子宮腟の癒着の原因はひとつやふたつではありません。

1.子宮内膜症
2.クラミジアへの感染
3.人工妊娠中絶や帝王切開

以上のような原因で子宮腟が癒着する恐れがあります。


 黄体機能不全

排卵が終わると、卵巣の中に黄体という組織がつくられます。
黄体から分泌される黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くして妊娠の準備をする作用を持っています。
黄体機能不全は、黄体が充分に働かないことを指しています。
黄体ホルモンは黄体の機能に問題があれば、当然充分に分泌されませんから、子宮内膜も妊娠に耐えうる状態になりません。
この結果、せっかく受精しても、受精卵が着床しにくくなりますし、妊娠したとしても流産につながりやすくなってしまいます。
黄体の機能が不充分になってしまう原因は、まだ仮説の域を出ませんが、冷え性や運動不足などで起こる血行不良で黄体が機能しにくくなる可能性と、ストレスの蓄積などで脳から黄体への指令に支障が生じる可能性が指摘されています。
また、黄体ホルモンの異常以外にも、子宮内膜の感受性異常や、排卵障害が原因となる可能性も追究されていますから、原因が複雑に絡み合っていることもあり得ます。

子宮内膜症

子宮内膜は着床や月経に関与しますが、子宮内膜組織が、本来の子宮内膜以外の場所にあるものを子宮内膜症といいます(たとえば、筋層・卵巣・卵管・直腸・腹膜などです)。
子宮内膜は通常、月経の周期に合わせて形成され、妊娠しなかったときは自然に剥がれ落ち、出血を促します(これがいわゆる月経です)が、子宮内膜組織が本来の子宮内膜以外の場所に存在すると、その場所でも出血をもたらします。
その後は、月経が来るたびに子宮の外で子宮内膜組織の増殖と剥離が繰り返し、出血も止まらなくなり、放置しておくと悪化していくいっぽうになります。
子宮内膜症もさまざまな原因がありますが、 よく知られている原因を少し並べてみましょう。

 子宮腺筋症

子宮の筋層に生じる子宮内膜症です。
子宮での着床障害や、流産・早産につながる恐れがあります。


 チョコレート嚢腫

卵巣の中で子宮内膜が増殖し、周囲と癒着することによって排卵障害やピックアップ傷害の原因となります(卵巣内に貯留した血液のことを「チョコレート嚢胞」と呼んでいます)。
嚢腫を摘出する手術法や、薬物療法、またアルコール固定といった治療法が知られていますが、最近では、手術は積極的には行わずに、慎重に検討することが一般的です。

頚管因子障害

子宮頸管や、排卵期に分泌される粘液に異常が発生してしまったため(「抗精子抗体」のような免疫的異常もあります)に、精子が子宮の中に入れなくなる症状を指します。 頸管因子障害もさまざまな原因がありますが、よく知られている原因を少し並べてみましょう。

 頸管粘液不全

排卵期に、精子が通りやすくするために子宮頸管から分泌されるアルカリ性の粘液が何らかの原因で少なかったり、アルカリ性に変わらないために、精子が子宮の中に入れなくなる症状です。

 子宮頸管狭窄症

子宮頸管が狭窄を起こしてしまい、閉鎖してしまう症状です。