排卵誘発剤

一人目は自然妊娠でなんの苦労もなくできたのに、いざ二人目と思いきや、1年たってもなかなか妊娠せず、ついに不妊治療を始めることになりました。タイミングでなかなか結果が出ず、次の周期は排卵誘発剤を使うと言われ、説明を受けました。けれど、双子や三つ子のリスクがあると聞き、とても不安です。すでに一人いますから、3人や4人になっては困ります。排卵誘発剤ってどうなのですか? 
(世田谷区 E紀 アラフォー)
排卵誘発剤を使う場合は、①排卵していない場合 ②数回のタイミング法で妊娠せず、治療をステップアップする場合 ③体外受精のために採卵する場合 が考えられます。
E紀さまの場合は、②の適応と思われますが、排卵誘発剤にはいくつか種類があります。
(詳しくはHP参照)
内服薬も注射薬も、どちらも複数個の卵胞を育てる作用がありますので、確かに自然妊娠よりも多胎のリスクは高くなります。妊娠には、排卵することが必須ですので、排卵のタイミングを逃さず、妊娠への確立を上げるために、排卵誘発剤の力を借りるという考え方です。また、排卵に関わる女性ホルモンや卵巣機能は、年齢の影響を受けることは間違いなく、二人目を目指す場合、お一人目をご妊娠された状態と全く同じではないかもしれません。
双子に関しては、日本では、自然妊娠で、0.6、0.7%の割合ですが、海外ではその倍くらいで、約80組に一組だそうです。最近、日本も徐々に海外に追いついてきて、90組に一組(全ての妊娠に対して)と言われています。双子の確立は、内服の排卵誘発剤を使うと、5%以内、注射の場合、約20%と言われています。排卵誘発剤の効果があり過ぎて多くの卵胞が発育してしまい、多胎の確立が非常に高い場合は、医師の判断で排卵誘発を中止することもあります。

【注釈】
 自然妊娠において、一卵性双胎の確立は約0.3~0.4%と追われており、二卵性双胎になる確率は約1%と言われています。ところが、10年ほど前の統計では、体外受精・顕微授精による妊娠において、双胎の確率が20%を超えていました。それは当時、妊娠率を上げるために2個以上の受精卵を子宮に移植する方法が広く行われており、移植した受精卵が全て着床するケースが多くあったからです。そこで、2008年に、日本産婦人科医学会により、“体外受精、顕微授精で移植する受精卵の数は原則1個まで”と決められました。ですので、今では、二卵性双胎の確立が4%にまで減っているのです。

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