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体外受精(IVF ; invitro fertilization)について
(2020.9月)

体外受精(IVF ; invitro fertilization)について


 体内での妊娠成立過程では、卵巣から排卵された卵子が卵管采で卵管内にピックアップされ、膣内で射精された精子が卵管に達し、卵管内で卵子と精子は受精します。そして、受精卵は卵管内を一週間ぐらいかけて移動したのち子宮に到達し、子宮内膜に着床して妊娠が成立します。体外受精は次のような方が対象になります。このいずれかの過程がうまく機能せず、体内での受精が困難になった患者さんに対して、配偶子である精子や卵子を体外に取り出し、体外で受精させる体外受精、顕微授精の対象になります。



わかりやすくすると、
①卵管性不妊の方が対象になります。
②射出運動精子の数が少なく、十分な精子数が卵管に到達することができない男性因子の方も対象となります。
③女性側の精子に対する抗体(抗精子抗体陽性)の為、受精がうまくいかない方、④子宮内膜症で受精障害のある方も体外受精の対象となります。

体外受精は、採卵により体外に取り出した卵子と調整した精子とディッシュの中で一緒に培養し(媒精)、受精を助ける手段です。これは、精子と卵子の出会いの場を提供する、言わばお見合いの場を提供するということにすぎません。受精そのものは、卵子と精子の力に委ねられます。通常、体外受精では卵子1個あたり5から10万個の運動精子が必要とされています。しかし、運動精子の数を満たしていても受精能力が低い、あるいは受精しない場合は、体外受精ではなく、後述の顕微授精の適応となります。

顕微授精(ICSI ; Intra cytoplasmic sperm injection)について

 顕微授精も体外受精同様、採卵によって卵子を体外に取り出します。体外受精で運動精子の数を満たしていても受精能力が低い、あるいは受精しない場合に顕微授精を行います。つまり卵子と精子の受精障害が顕微授精法の適応になります。受精障害の原因としては、精子数が少ない場合(高度乏精子症)、精子の運動能力が低い場合(精子無力症)などが適応となります。
射出精液に精子がみられなかった場合(無精子症)には、精巣上体(MESA : Microsurgical Epididymal Sperm Aspiration : 顕微鏡下精巣上体精子採取術、PESA : Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration : 顕微鏡下精巣上体精子採取術)や精巣(TESE : Testicular Sparm extraction精巣上体精子採取術)から直接精子を取り出して顕微授精を行います。精子の取り出す方法により、MESA-ICSI,TESE-ICSIのような呼称を用います。
女性側にも受精障害がみられることがあります。卵子を包む透明帯が硬い場合や、女性の抗精子抗体強陽性の場合です。
採卵は女性の身体に大きな負担となるため、受精の確認ができてない(妊娠歴のない)カップルでは、スプリットアート:split ART (採卵できた卵子を2つのグループに分けて体外受精と顕微授精を同時に施行する)やレスキューICSI(媒精後数時間で見られる受精兆候を確認して、受精が予期されない場合すぐに顕微授精を追加実施する)を行っている施設もあります。当院ではスプリットアートのみで、レスキューICSIは行っておりません。
顕微授精法は1つの卵子あたりに1つの精子があれば行うことができます。採卵後の卵子のらんしあたり1つの精子があれば行うことができます。
採卵後の卵子は周りに卵丘細胞があります。この卵丘細胞をヒアルロニダーゼという酵素を用いて、卵子の大きさに合わせたガラスのピペットでピペッッティングしながら卵丘細胞を除去していきます。卵子を裸にした状態で顕微鏡下にて観察し、成熟した卵子かどうかを確認します。成熟卵子をホールディングピペットというこちらもガラス管で保持し、1個の精子を吸引したガラス管(インジェクションピペット)を、卵細胞質内へ穿破し、確実に精子を1個注入していくのが顕微授精です。未熟な卵子については、顕微授精を行うことはできません。
このすべての操作はクリーンルーム内に静置した、倒立顕微鏡下で行います。体外受精や顕微授精は熟練した技術が必要になります。多くの施設では、この一連の操作を、胚培養士が行っております。

 

ラボチームスタッフ