卵管のトラブル | 世田谷 不妊治療 三軒茶屋ウィメンズクリニック

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不妊コラム Infertility Column

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卵管のトラブル
(2022.6月)

 卵管の長さは10cmほどあります。先端の卵管采はラッパのように広がり、排卵された卵子をとり込みます。精子や受精卵が通る卵管の動きに問題があれば、妊娠は難しくなります。


性感染症の検査(おりもの検査)

 卵管にトラブルを起こす原因の中で最も多いのが、クラミジア感染症です。女性ではかかっても8割の人が無症状の為、気づかず放置しているうちに、炎症が子宮から卵管へと進み、癒着を起こします。淋菌感染症も同じく卵管の炎症を起こします。かかっている自覚はなくても、受けるべき必須の検査です。頸管粘液を採取して中に細菌がいるかどうかを調べます。
 クラミジアにかかってている場合には、「アジスロマイシン」などの抗菌薬(抗生物質)を服用し治療をしていきます。パートナー間で感染している可能性が高いので、一方が陽性の場合は、必ずふたりで治療しましょう。薬での治療後2~3週間で再検査をして、細菌が完全に消えたか確認できるまで性行為は控えましょう。
 →治療後卵管の機能に問題がなければタイミング法などのステップアップへ

子宮卵管造影検査

 卵管の詰まり具合と卵管・子宮周囲の癒着の有無、子宮奇形などが分かります。
 造影剤を子宮から入れ、レントゲンで観察します。卵管が詰まっていると、造影剤は途中で流れが止まります。卵管の詰まりが軽い場合には、造影剤を通すことで通りがよくなり、検査後に妊娠しやすくなることがあります。
 痛い検査といわれますが、痛みの感じ方には個人差があります。
 →卵管が通っていることが確認できればタイミング法などのステップアップへ

  • ・卵管が狭い・詰まっている
     クラミジアや淋菌感染症、虫垂炎や骨盤腹膜炎、過去の開腹手術、子宮内膜症などがあると、卵管で炎症が起こり、狭くなったり(狭窄)、詰まってしまうことがあります(閉塞)。
     狭窄の場合、子宮からやってくる精子は通り抜けられても、精子より大きい受精卵は子宮に戻れず、閉塞の場合ではそもそも精子が通過できません。
  • ・卵管が周囲に癒着している
     炎症がさらに広がると、卵管の中だけでなく、卵管が卵巣や子宮、腸などと癒着してしまいます。癒着があると、卵管の先端の卵管采が動けず、排卵された卵子を取り込めません。卵巣にできる子宮内膜症である卵巣チョコレート嚢胞も、癒着を起こしやすく、大きくなればそれだけリスクが高くなります。
  • ・卵管水腫(卵管内にうみ・水がたまっている)
     卵管に炎症が起こり、卵管采が閉じてしまうと、中にうみや水がたまり、卵管がふくれあがってしまうことがあります。これが「卵管水腫」です。子宮側に少しずつ液体が流れ込むので、着床を妨げると考えられています。体外受精の成績も、水腫がない場合に比べて半分程度になるという報告もあります。

腹腔鏡検査

 卵管や周囲の状況をより詳しく知るために検査を行うことがあります。
 おなかに2~3か所、小さな穴をあけ内視鏡を入れて卵巣、卵管を直接観察します。それまでの検査で、卵管の癒着や子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣などの異常が疑われる場合に、さらに詳しく調べ、診断を確定するために行われます。この検査のメリットは卵管周囲の癒着や初期の子宮内膜症が見つかり腹腔鏡下で処置できる場合は、癒着をはがしたり、病変部分の除去、摘出を行ったり、腹腔内を洗浄するなどの治療を行うことができます。ただし、どこの施設でも受けられるわけではないので主治医に相談してください。

 卵管は左右に1つずつあるので、片側だけに問題がある場合は、自然妊娠の可能性があります。詰まりぐあいや癒着が軽度なら、経過を見ながらタイミング法からスタートし、自然妊娠にチャレンジすることも可能です。
 両方の卵管が詰まっている場合は、FTカテーテルを使う卵管鏡下卵管形成術(FT)を行うことが多くなっています。カテーテルと呼ばれる細い管を膣から卵管入口まで挿入し、内蔵されたバルーンで詰まった卵管を広げる治療法です。卵管采の閉塞にはFTではなく、腹腔鏡下の手術が必要になります。この手術で卵管が通るようになれば、自然妊娠の確率は上がります。
 卵管が完全に詰まっていたり、癒着がひどく、手術を行っても卵管が通らない可能性がある時は、すぐに体外受精を選択するケースもあります。

院長 保坂 猛

監修

保坂 猛
保坂 猛三軒茶屋ウィメンズクリニック院長
三軒茶屋ウィメンズクリニック開院以来、月経異常、子宮内膜症、更年期障害、婦人科ガン検診等の婦人科領域治療、また、一般不妊治療をはじめ、体外受精、胚移植、顕微授精、胚凍結などの高度生殖補助医療等をオーダーメイドにて提案産婦人科医として、患者様の心身への負担を軽減する最適な治療をご提供し、妊娠率向上にむけた取り組みをおこなっている。

●プロフィール
聖マリアンナ医科大学卒業後、産婦人科勤務
大田原赤十字病院勤務
聖マリアンナ医科大学産婦人科医長、聖マリアンナ医科大学産婦人科非常勤講師
ファティリティクリニック東京勤務を経て、
2011年2月2日三軒茶屋ウィメンズクリニック開院

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