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- 不妊の原因
精子のトラブル①
(2022.9月)
男性不妊の多くは精子そのものに問題がある場合と、通り道に問題がある場合で、それらを合わせると9割以上といわれます。残る1割が性行為にかかわるトラブルです。
性機能障害とは、性行為がうまく行えない状態で、性欲の低下、勃起し、それを維持する能力の不足、早漏などの射精障害や射精不能などさまざまなトラブルがあります。勃起に必要な血管や神経、ホルモンなどの身体的要因のほか、プレッシャーなどの心理的要因もあります。妊活カップルでは、妻からの圧力がかかり、かえってできなくなる「排卵日ED」も少なくありません。
〇勃起しない(ED)
EDの最大の心理的要因はストレスです。深層心理に根ざすケースでは、カウンセリングが必要なこともあります。治療はバイアグラやレビトラ、シアリスなどのED治療薬を服用します。
→タイミング法などのステップアップへ
〇射精できない
妊娠を考えたときに問題となる射精障害には、主に「膣内射精障害」と「逆行性射精」があります。マスターベーションでも性行為でも全く射精がない場合は、泌尿器科・男性不妊外来での診察が必要です。
・膣内射精障害
マスターベーションなら射精ができても、膣内で射精ができない状態です。原因はマスターベーションの刺激が強すぎて、膣内では射精が起こりにくくなるものや、性行為に集中できないなどがあります。
→マスターベーションが可能なら、人工授精へ
・逆行性射精
射精したいという感覚はあっても精液中に精子が含まれず、膀胱に流れてしまう状態です。糖尿病や前立腺の手術後に発病することが多く、逆行性射精が疑われる場合には、射精後尿を顕微鏡で観察する検査が行われます。
→膀胱内から精子を回収して人工授精や体外受精へ
院長 保坂 猛
監修

- 三軒茶屋ウィメンズクリニック院長
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三軒茶屋ウィメンズクリニック開院以来、月経異常、子宮内膜症、更年期障害、婦人科ガン検診等の婦人科領域治療、また、一般不妊治療をはじめ、体外受精、胚移植、顕微授精、胚凍結などの高度生殖補助医療等をオーダーメイドにて提案産婦人科医として、患者様の心身への負担を軽減する最適な治療をご提供し、妊娠率向上にむけた取り組みをおこなっている。
●プロフィール
聖マリアンナ医科大学卒業後、産婦人科勤務
大田原赤十字病院勤務
聖マリアンナ医科大学産婦人科医長、聖マリアンナ医科大学産婦人科非常勤講師
ファティリティクリニック東京勤務を経て、
2011年2月2日三軒茶屋ウィメンズクリニック開院
●保坂先生の体外受精説明会はこちら
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