抜け毛が増えた理由とは?時期の問題と一時的な抜け毛・AGA進行の見分け方を解説

抜け毛が増えた理由とは?時期の問題と一時的な抜け毛・AGA進行の見分け方を解説

抜け毛が増えた理由は、季節の変わり目やストレスや睡眠不足など自然に回復する一時的な要因とAGA(男性型脱毛症)をはじめとする進行性の病的要因と、2系統に分けることが一般的です。

抜け毛の原因
  1. 一時的な要因の抜け毛:時期的な要素や生活習慣の影響
  2. AGA進行による抜け毛:AGAの症状で適切な治療が必要

本記事では、抜け毛が増えた理由の全体像と自宅でできる見分け方や受診の目安まで、初心者向けにポイント解説しています。

本記事の要約

  1. 抜け毛が増えた理由は「一時的な要因」と「病的な要因」に分けて考える
  2. 1日50〜100本程度の抜け毛は生理的な範囲で本数よりも毛の太さと毛根の形に注目
  3. 秋は夏に受けた頭皮ダメージの影響で季節的に抜け毛が増えやすい時期
  4. 細く短い抜け毛が増え、生え際や頭頂部に偏る場合はAGAの可能性が高まります
  5. 抜け毛の増加が2〜3ヶ月以上続く場合は皮膚科受診の目安です
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目次
  1. 正常な抜け毛は1日50〜100本で増えた理由を判断する前に知りたい知識
  2. 一時的に抜け毛が増える原因は6つのパターン
  3. 抜け毛が増える理由①:季節の変わり目や時期的な要素(秋の抜け毛)
  4. 抜け毛が増える理由②:ストレスの影響
  5. 抜け毛が増える理由③:睡眠不足や睡眠の質が悪い
  6. 抜け毛が増える理由④:栄養不足・過度なダイエット
  7. 抜け毛が増える理由⑤:誤ったシャンプー・ヘアケア
  8. 抜け毛が増える理由⑥:喫煙・過度の飲酒
  9. 治療が求められる抜け毛が増える症状
  10. 抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状①:AGA(男性型脱毛症)
  11. 抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状②:円形脱毛症
  12. 抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状③:脂漏性皮膚炎・粃糠性脱毛症などの頭皮トラブル
  13. 抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状④:内科的疾患・薬剤による抜け毛
  14. 一時的な抜け毛と治療が必要な抜け毛の見分け方
  15. 抜け毛の理由を見分けるセルフチェックシート
  16. 毛根の形で分かる抜け毛を比較する鑑別表
  17. 抜け毛を本数より質の比較をするための指標
  18. 抜け毛の質を構成するための観察指標は4つ
  19. 抜け毛における質で毛径のばらつきにおける基準
  20. 抜け毛の質と本数のマトリクスで読む現在地
  21. 抜け毛が増えたときの対処法や改善したいポイント
  22. 抜け毛が増えたときの対処法①:頭皮に優しい洗髪へ切り替える
  23. 抜け毛が増えたときの対処法②:睡眠・食事・血行の3点を整える
  24. 抜け毛が増えたときの対処法③:2〜3ヶ月改善しなければ皮膚科・専門クリニックへ
  25. 抜け毛の増加による分析や評価
  26. 抜け毛が増えた理由に関するよくある質問

正常な抜け毛は1日50〜100本で増えた理由を判断する前に知りたい知識

正常な抜け毛は1日50〜100本

髪の毛は約10万本あり、1本1本が「成長期→退行期→休止期」のヘアサイクル(毛周期)を繰り返していることが正常です。

休止期に入った毛は自然に押し出されて抜けるため、健康な男性でも1日50〜100本程度の抜け毛は生理的な現象です。

正常なヘアサイクルによる抜け毛は以下の通りで、成長期は全体の約85〜90%で大半を占めていることが分かります。

ヘアサイクルの段階期間の目安全体に占める割合状態
成長期2〜6年約85〜90%毛母細胞が分裂し太く長く伸びる
退行期2〜3週間約1%毛母細胞の分裂が止まり毛根が退縮する
休止期約3〜4ヶ月約10〜15%成長が止まり、次の毛に押し出されて抜ける

抜け毛の約6〜7割はシャンプー時に集中しており、洗髪や乾髪の刺激で、すでに休止期に入っていた毛がまとめて抜けることが原因です。

したがって、「シャンプーで抜け毛がひどい」と感じる現象自体は、異常であると安易に判断しないことが重要になります。(参考:公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

抜け毛が増えた理由を見極める上で重要なポイントは、本数以上に注目すべき指標が抜け毛の質です。

太く長い毛が寿命を迎えて抜けるのは正常であっても、細く短い毛や毛根が痩せた毛の割合が増えている場合は、ヘアサイクルの乱れからM字型・O字型・U字型などAGAの症状が疑われるので注意しましょう。

一時的に抜け毛が増える原因は6つのパターン

抜け毛は一時的に抜けるケースもあり、主な原因は6つのパターンが想定されます。

一時的に抜け毛が増える原因

  1. 抜け毛が増える理由①:季節の変わり目や時期的な要素(秋の抜け毛)
  2. 抜け毛が増える理由②:ストレスの影響
  3. 抜け毛が増える理由③:睡眠不足や睡眠の質が悪い
  4. 抜け毛が増える理由④:栄養不足・過度なダイエット
  5. 抜け毛が増える理由⑤:誤ったシャンプー・ヘアケア
  6. 抜け毛が増える理由⑥:喫煙・過度の飲酒

髪の毛が薄い症状が一時的な抜け毛の原因を把握して、あなたの状況を自己分析できるようにしましょう。

抜け毛が増える理由①:季節の変わり目や時期的な要素(秋の抜け毛)

抜け毛が増える理由①:季節の変わり目や時期的な要素(秋の抜け毛)

1つ目の抜け毛が増える理由は、季節の変わり目や時期的な要素(秋の抜け毛)です。

1年のうちで最も抜け毛が増えやすい季節は秋(9〜11月)で、時期的な要素は髪の毛への負担が変わる場合があります。

秋に一時的な抜け毛が増える主な理由は、3つのパターンが想定されます。

  1. 夏に浴びた紫外線による毛根・頭皮のダメージが2〜3ヶ月遅れで抜け毛として現れる
  2. 夏場の皮脂分泌増加と汗による頭皮環境の悪化が毛穴の炎症を招く
  3. 冷房による血行不良や夏バテによる栄養状態の低下が毛根への栄養供給を妨げる

季節の変わり目による時期的要素の抜け毛は、通常1〜2ヶ月程度で自然に落ち着くこと(9〜11月の場合は12〜2月頃)が一般的です。

一方で、秋を過ぎても抜け毛が減らない場合や毎年秋のたびに髪全体のボリュームが減っていく場合は、季節要因の裏でAGAが進行している可能性も考えなければなりません。

抜け毛が増える理由②:ストレスの影響

抜け毛が増える理由②:ストレスの影響

2つ目の抜け毛が増える理由は、ストレスの影響です。

強いストレスは自律神経のバランスを乱して、頭皮の血管を収縮させて毛根への血流と栄養供給を低下させます。

さらにストレスは睡眠の質の低下や皮脂分泌の乱れ・ホルモンバランスの変調を介して、間接的にも一時的な抜け毛を増やす要因です。

仕事の繁忙期や転職・引っ越しなどの環境変化から、2〜3ヶ月遅れて一時的に抜け毛が増えるパターンが典型例にあたります。

休止期に移行した毛が実際に抜け落ちるまでにタイムラグがあるため、原因と結果の時期がずれる点に注意しましょう。(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

抜け毛が増える理由③:睡眠不足や睡眠の質が悪い

抜け毛が増える理由③:睡眠不足や睡眠の質が悪い

3つ目の抜け毛が増える理由は、睡眠不足や睡眠の質が悪いです。

髪の成長を支える成長ホルモンは、入眠後の深い睡眠中に多く分泌されます。

睡眠不足や浅い眠りが続くと毛母細胞の修復と分裂が十分に行われず、髪が細くなって抜け毛が増える一因のリスクが高まります。

睡眠時間の目安は6〜7時間以上が最低限で、就寝前のスマートフォン使用や飲酒を控えて深い睡眠を確保することも頭皮環境の土台づくりに直結するでしょう。(参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(睡眠対策)」

抜け毛が増える理由④:栄養不足・過度なダイエット

抜け毛が増える理由④:栄養不足・過度なダイエット

4つ目の抜け毛が増える理由は、栄養不足・過度なダイエットです。

髪の主成分はケラチンとよばれるタンパク質で、極端な食事制限や偏食でタンパク質・亜鉛・鉄が不足すると、体は生命維持に関わる臓器へ優先的に栄養を回すことから髪の毛への供給が後回しになります。

栄養素髪への働き多く含む食品
タンパク質髪の主成分ケラチンの材料肉・魚・卵・大豆製品
亜鉛ケラチン合成に必須のミネラル牡蠣・牛赤身肉・レバー
毛根への酸素供給を担うレバー・赤身魚・小松菜
ビタミンB群頭皮の代謝と皮脂バランスを調整豚肉・納豆・魚介類
ビタミンE血行を促し毛根への栄養供給を助けるナッツ類・アボカド・植物油

特に亜鉛は日本人男性で不足しやすい栄養素であり、髪の材料があってもケラチンへの合成が進まない状態を招くため注意が必要です。(参考:厚生労働省 eJIM「亜鉛」

抜け毛が増える理由⑤:誤ったシャンプー・ヘアケア

抜け毛が増える理由⑤:誤ったシャンプー・ヘアケア

5つ目の抜け毛が増える理由は、誤ったシャンプー・ヘアケアです。

シャンプー自体で健康な毛が抜けることはありませんが、誤った洗髪習慣は頭皮環境を悪化させて、抜け毛を増やす理由になります。

主なシャンプー時のNG行動は以下の通りです。

  • 爪を立ててゴシゴシ洗い、頭皮に微細な傷をつけている
  • 40℃を超える熱い湯で洗い、頭皮に必要な皮脂まで奪っている
  • 1日に2回以上洗髪し、皮脂の過剰分泌を招いている
  • すすぎが不十分で、シャンプー剤が毛穴に残留している
  • 髪を乾かさず自然乾燥にして、雑菌の繁殖と頭皮の炎症を招いている
  • 帽子やヘアワックスで髪を強く引っ張り、牽引性脱毛のリスクを高めている

逆に洗浄力の強すぎるシャンプーを避けて頭皮を清潔に保つ習慣を、抜け毛予防の基本として意識すると良いでしょう。

抜け毛が増える理由⑥:喫煙・過度の飲酒

抜け毛が増える理由⑥:喫煙・過度の飲酒

6つ目の抜け毛が増える理由は、喫煙・過度の飲酒です。

タバコに含まれるニコチンは末梢血管を収縮させて、毛根へ栄養を運ぶ毛細血管の血流を低下させます。

過度な飲酒もアルコール分解の過程でアミノ酸やビタミンB群を大量に消費するため、髪の材料不足を招く要因です。

喫煙と飲酒はどちらも睡眠の質を下げる作用があるため、抜け毛が心配に感じる状況であれば喫煙や過度な飲酒を避けることも重要な指標になるでしょう。

治療が求められる抜け毛が増える症状

疾患による抜け毛の原因は、4つのパターンが想定されます。

疾患による抜け毛の原因

  1. AGA(男性型脱毛症)の影響による抜け毛
  2. 円形脱毛症の影響による抜け毛
  3. 脂漏性皮膚炎・粃糠性脱毛症などの頭皮トラブル
  4. 内科的疾患・薬剤による抜け毛

一時的な抜け毛でなければ、医師の診察を受けて適切な治療をしないと改善できない可能性が高いため、頭皮症状に合った対策をすることが重要です。

疾患による抜け毛の理由を参考にして、計画的なヘアサイクルの改善や改善ができるようにしましょう。

抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状①:AGA(男性型脱毛症)

疾患による抜け毛が増えた理由①:AGA(男性型脱毛症)

成人男性の抜け毛が増えた理由として、頻度が高い疾患がAGAです。

日本人男性のAGA発症頻度は、全年齢平均で約30%・20代で約10%・30代で20%・40代で30%・50代以降で40数%と、年齢とともに増加します。(参考:公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

AGAでは、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼの働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、DHTが毛根の受容体に結合して成長期を極端に短縮させる仕組みです。

成長期が短くなった毛は太く育つ前に抜けるため、「抜け毛の本数が増える」だけでなく「細く短い抜け毛の割合が増える」変化が現れる症状に注目することが重要になります。

主なAGAによる抜け毛の症状は以下の通りです。

  • 生え際(M字部分)や頭頂部(つむじ周辺)から薄くなり、側頭部と後頭部は保たれる
  • 抜け毛に細く短い毛、毛根の膨らみが小さい毛が混ざる
  • 進行性のため、放置しても自然に止まらない
  • 家族に薄毛の人がいる場合に発症しやすい

一時的な抜け毛との最大の違いは進行性で、放置しているとAGAは広がりを見せる可能性が高まります。

季節やストレスによる時期要素の強い抜け毛は原因が去れば回復しますが、AGAは治療介入をしない限り薄毛の範囲が拡大し続けることを覚えておきましょう。

抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状②:円形脱毛症

疾患による抜け毛が増えた理由②:円形脱毛症

円形脱毛症は自己免疫の異常により毛根が攻撃され、境界のはっきりした円形〜楕円形の脱毛斑が突然生じる疾患です。

ストレスは発症の誘因の1つとされますが、本態は免疫の異常であって、AGAとは原因も治療法も全く異なります。

脱毛斑の周囲の毛が軽く引っ張るだけで抜ける・抜けた毛の毛根側が先細りに尖っている場合は、円形脱毛症が進行している可能性があるため、皮膚科で医師に相談をして速やかに治療を始めましょう。

抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状③:脂漏性皮膚炎・粃糠性脱毛症などの頭皮トラブル

疾患による抜け毛が増えた理由③:脂漏性皮膚炎・粃糠性脱毛症などの頭皮トラブル

皮脂の過剰分泌やマラセチア菌の増殖で頭皮に炎症が起こると、フケやかゆみとともに抜け毛が増える現象が高まります。

ベタついた大きなフケと赤みを伴う場合は脂漏性皮膚炎・乾いた細かいフケが毛穴を塞ぐ場合は粃糠性脱毛症の可能性が高い状態です。

どちらも頭皮の炎症を治療しない限り抜け毛が続くため、市販シャンプーの変更だけで対処せず皮膚科で頭皮症状の分析と治療をしてもらいましょう。

抜け毛が増えた理由の中で治療が必要な症状④:内科的疾患・薬剤による抜け毛

疾患による抜け毛が増えた理由④:内科的疾患・薬剤による抜け毛

頭髪全体が均等に薄くなるびまん性の抜け毛では、内科的疾患・薬剤による抜け毛である可能性を疑います。

疾患・要因抜け毛の特徴併発しやすいサイン
甲状腺機能低下症頭髪全体が均等に薄くなる倦怠感・寒がり・むくみ・体重増加
亜鉛欠乏髪が細くなり抜け毛が増える味覚の低下・皮膚炎・爪の変形
鉄欠乏性貧血びまん性の抜け毛立ちくらみ・動悸・疲れやすさ
薬剤性脱毛服薬開始2〜3ヶ月後から増える抗凝固薬・降圧薬・抗うつ薬などの服用歴
高熱・手術後の休止期脱毛発症から2〜3ヶ月後に一気に抜けるインフルエンザ・コロナ罹患・手術の既往

これらの疾患による抜け毛は、原因疾患の治療により回復が期待できる点がAGAとの違いです。

一方でAGAは、進行型の脱毛症でヘアサイクルの改善をするためにも最低6ヶ月以上の継続をしないと効果に期待ができません。

疾患による抜け毛が増えた理由ごとで治療法や対策時期が異なるため、医師に相談をしながら計画的な対策ができるようにしましょう。

一時的な抜け毛と治療が必要な抜け毛の見分け方

抜け毛が増えた理由が、一時的あるいは疾患による原因を自宅で判定する具セルフチェック方法を紹介します。

最終的な判断は医師の診察後になりますが、自宅で気軽にセルフチェックすることで諦めることなく、速やかな相談が可能です。

一時的な抜け毛と疾患による抜け毛で判断が難しい状況であれば、簡単にできるセルフチェックシートを参考にして、あなたの状況を確認してみましょう。

抜け毛の理由を見分けるセルフチェックシート

セルフチェックをする場合は、以下の10項目のうち当てはまる数で緊急度を判定する方法がおすすめです。

番号チェック項目はい・いいえ
1抜け毛の増加が2ヶ月以上続いている
2抜け毛の中に細く短い毛が目立つ
3生え際または頭頂部だけ地肌が透けてきた
4髪全体のハリ・コシが以前より落ちた
5父方または母方の親族に薄毛の人がいる
6セットしたときのボリュームが出にくくなった
7頭皮にかゆみ・赤み・フケの増加がある
8枕につく抜け毛が以前の2倍以上に感じる
9軽く髪をつまんで引くと2〜3本以上抜ける
10円形に髪が抜けた部分がある
「はい」の数判定推奨する行動
0〜2個一時的な抜け毛の可能性が高い生活習慣の改善と1〜2ヶ月の経過観察
3〜5個病的な抜け毛の初期サインの可能性7日間抜け毛カウントで記録しつつ受診を検討
6個以上AGAなど病的な抜け毛の可能性が高い早めに皮膚科・専門クリニックを受診

項目10に該当する場合は個数にかかわらず、円形脱毛症の可能性があるため速やかな受診をすることで、頭皮症状に合った治療法が見つかるでしょう。

毛根の形で分かる抜け毛を比較する鑑別表

抜けた毛の毛根部分は、抜け毛が増えた理由を推定する重要な手がかりになります。

洗面台に白い紙を置き、抜け毛を5〜10本並べて毛根の状態を観察してみると抜け毛の状況から緊急度を判断しやすいです。

毛根の状態推定される状態緊急度
マッチ棒状に白く丸く膨らんでいる寿命を迎えた休止期毛
(正常な自然脱毛)
低い
毛根に半透明の白い塊が付着している毛根鞘の付着(正常)または皮脂の過剰付着低い〜中程度
毛根の膨らみが小さい、またはほぼない成長不良のまま抜けた毛
(AGA・血行不良の疑い)
中〜高い
毛全体が細く短く、産毛のようになっているヘアサイクル短縮の進行
(AGAの疑い)
高い
毛根側が先細りに尖っている円形脱毛症の活動期の疑い高い
毛根がなく毛の途中で切れている切れ毛(ヘアケアダメージ・牽引)低い(脱毛ではない)

正常な抜け毛だけなら経過観察で問題ありません。

万が一、細い毛・毛根の痩せた毛が全体の3割を超える場合は、ヘアサイクルの乱れが進んでいる状態と考えられます。

抜け毛を本数より質の比較をするための指標

抜け毛の本数の増加は、髪の毛が休止期へ移行してから約3ヶ月遅れて表面化する過去を映す遅行指標に該当します。

一方で、抜け毛の細さ・短さは髪の毛が育っていた「今の成長期の質」を直接反映するリアルタイム指標のことです。

つまり、本数だけを数えている限り、あなたは常に3ヶ月前の頭皮を見続けている計算になることを覚えておきましょう。

抜け毛の質を構成するための観察指標は4つ

抜け毛の質を構成するための観察指標は4つ

抜け毛の質を細分化するためには、4つの指標で比較することが重要です。

指標見るポイント変化が示すこと
太さ後頭部由来の太い毛と並べた比較細い毛の増加は軟毛化の進行を示す
長さ数cmに満たない短い毛の割合成長期が短縮され、育ち切れずに抜けた証拠
色素の薄い、うぶ毛様の毛の混入ミニチュア化が進んだ毛包由来のサイン
先端の形先端が自然に細く尖っているか尖った短い毛は「一度も切られず寿命を終えた毛」を意味する

カットを経た毛の先端は断面が平らに残るのに対して、短いのに先端が尖った抜け毛は生えてから一度もハサミが届く長さに達しなかった毛のことです。

抜け毛の質を考慮する場合は、成長期短縮の動かぬ物証であって1本見つかるだけでも観察の価値があるとも言えるでしょう。

抜け毛における質で毛径のばらつきにおける基準

拡大観察の世界では、質の変化を毛径不同(毛の太さのばらつき)として定量します。

視野内の毛の太さのばらつきがおおむね2割を超える状態は、AGAを示唆する代表的な所見として用いられています。

自宅でセルフチェックによる厳密な測定はできませんが、抜け毛を10本並べて太さがそろっているかの観察は、簡易版評価としてもおすすめです。

毛径のばらつきにおける比較の基準は、影響を受けにくい後頭部・えり足付近の落ち毛を1本置くと、ばらつきの判定が安定する可能性が高まるでしょう。

抜け毛の質と本数のマトリクスで読む現在地

抜け毛の質と本数のマトリクスで読む現在地

抜け毛は質と本数で2つの指標を掛け合わせると、状況の解像度が高まります。

本数・質質は正常(太さがそろう)質が低下(細い毛が増加)
本数が増加休止期脱毛など一時的要因を疑うAGAの進行期を疑い、受診を優先する
本数は正常経過観察で足りる段階水面下で進む初期変化を疑う要注意ゾーン

最も見逃されやすいのは右下に該当する、「本数は普通なのに質だけ落ちている」象限です。

本数の警報が鳴らないまま軟毛化が進むこのゾーンこそ、質の観察だけが拾える早期発見の主戦場と言えます。

部位ごとの質の偏りまで確認したい場合は、つむじが割れる基準生え際後退の見分け方の観察法を組み合わせてみましょう。

抜け毛が増えたときの対処法や改善したいポイント

抜け毛が増えた場合は、3つのポイントで対処する方法がおすすめで、速やかな改善をすることが重要です。

  1. 抜け毛が増えたときの対処法①:頭皮に優しい洗髪へ切り替える
  2. 抜け毛が増えたときの対処法②:睡眠・食事・血行の3点を整える
  3. 抜け毛が増えたときの対処法③:2〜3ヶ月改善しなければ皮膚科・専門クリニックへ

見分け方と並行しつつ、抜け毛が増えたときに対策したい3つのポイントを参考にしてください。

抜け毛が増えたときの対処法①:頭皮に優しい洗髪へ切り替える

抜け毛が気になる時期こそ、洗髪を怠らず頭皮を清潔に保つことが重要です。

  1. 洗髪前にブラッシングでほこりと絡まりを落とす
  2. 38℃前後のぬるま湯で1〜2分の予洗いをして皮脂汚れの7割を落とす
  3. シャンプーは手のひらで泡立ててから頭皮につける
  4. 指の腹で頭皮を動かすように洗い、爪は立てない
  5. すすぎは洗いの2倍の時間をかけて洗剤を残さない
  6. タオルドライ後、ドライヤーで頭皮から乾かす

抜け毛を恐れて洗髪頻度を減らす対応は、皮脂の蓄積による毛穴の炎症を招くため逆効果になるので注意が必要です。

頭皮への負担を避けつつ、優しくマッサージをすることで頭皮ケアや抜け毛対策につながる可能性があるでしょう。

抜け毛が増えたときの対処法②:睡眠・食事・血行の3点を整える

一時的な抜け毛の多くは、生活習慣の立て直しにより2〜3ヶ月かけて回復へ向かう経過が一般的です。

  • 睡眠は6〜7時間以上を確保し、就寝1時間前からスマートフォンを手放す
  • タンパク質を毎食、亜鉛と鉄を意識した食事へ切り替える
  • 有酸素運動や入浴で全身の血行を促し、毛根への栄養供給を支える習慣をつくる
  • 喫煙者は禁煙外来の利用も含めて減煙・禁煙を検討する

ただし、生活習慣の改善はAGAによる抜け毛の進行を止める効果まではありません。

AGAの予防としては効果に期待はできますが、進行した後の治療にはつながらないことには注意しましょう。

抜け毛が増えたときの対処法③:2〜3ヶ月改善しなければ皮膚科・専門クリニックへ

万が一、次のいずれかに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見ずに医療機関へ受診してください。

受診を推奨するサイン疑われる理由
生活改善を2〜3ヶ月続けても抜け毛が減らないAGAなど進行性の脱毛症
生え際・頭頂部の地肌が目立ってきたAGAの進行
円形の脱毛斑がある円形脱毛症
フケ・かゆみ・赤みを伴う脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患
倦怠感・味覚異常など体調の変化を伴う甲状腺疾患・亜鉛欠乏などの内科的要因

対面診療のクリニックであれば、マイクロスコープによる頭皮・毛髪の観察や血液検査により、抜け毛が増えた理由を医学的に特定できます。

AGAと診断された場合は、フィナステリドやデュタステリドの内服薬、ミノキシジル外用薬など、診療ガイドラインで推奨される治療の選択が可能です。

AGAは進行性であるため、原因の特定が早いほど守れる髪の量が多くなる可能性があるでしょう。(参考:公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

抜け毛の増加による分析や評価

抜け毛は、「量」ではなく「毛の性状と分布」が重要とされています。

AGAでは、拡大観察(トリコスコピー)で毛の太さのばらつき(毛径不同)が目立ち、細い軟毛の比率が増えるのが特徴的な所見になります。

一方で、休止期脱毛(テロゲン・エフルビウム)では太さのそろった毛が全体から均等に抜け、発熱・出産・急激な減量などの誘因から2〜3ヶ月遅れて出現するのが典型です。

軽く毛束を引いて抜け方を見る牽引テストも、脱毛の活動性を推し量る補助になります。(参考:公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

自宅での観察はこの評価の簡易版にあたり、細い毛の比率と部位の偏りを見るAGAセルフチェックがそのまま受診時の問診材料です。

原因の全体像はハゲる原因の仕組みで、進行を放置した場合の経過は放置と進行スピードで詳しく整理しています。

抜け毛が増えた理由に関するよくある質問

秋の抜け毛は何本くらいまで正常ですか?

季節の変わり目には、1日200本程度まで抜け毛が増えるケースも珍しくありません。秋の抜け毛は1〜2ヶ月で自然に落ち着くため、11月を過ぎても抜け毛が減らない場合や、細く短い毛が目立つ場合に受診を検討してください。

シャンプーのたびに抜け毛がひどいのはシャンプーが原因ですか?

シャンプーそのものが健康な毛を抜くことはありません。抜け毛の6〜7割は洗髪時に集中するため、ひどく感じやすいだけです。ただし、洗浄力の強すぎる製品やすすぎ残しは頭皮環境を悪化させるため、洗い方の見直しには意味があります。

20代で抜け毛が増えた場合も様子を見てよいですか?

20代でも日本人男性の約10%にAGAの発症がみられ、決して珍しい年代ではありません。若い年代の抜け毛は進行スピードが速い傾向があるため、セルフチェックで3個以上該当したら年齢を理由に先送りせず受診をおすすめします。

抜け毛が増えても自然に治りますか?

季節の変わり目・ストレス・睡眠不足・高熱後の抜け毛は、原因が解消されれば2〜3ヶ月での回復が期待できる抜け毛です。一方でAGAによる抜け毛は進行性であり、自然に止まることはありません。

クリニック詳細

三軒茶屋ウィメンズクリニック

住所:東京都世田谷区太子堂1-12-34-2F
アクセス:東急田園都市線「三軒茶屋駅」 南口A出口から昭和女子大学方面3分 東急世田谷線「三軒茶屋駅」より徒歩4分
定休日:木曜日・土曜日