凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期と自然周期
体外受精において凍結融解胚移植を行う際に、完全に薬でコントロールをする「ホルモン補充周期」と、自然な排卵後に移植をする「自然周期」があります。
まず、当院で主に行っている「ホルモン補充周期」についてご説明します。
ホルモン補充周期とは、エストラジオールのホルモン剤とプロゲステロンのホルモン剤を使用し、受精卵が着床しやすくするように子宮内膜を整えてから移植を行う周期のことです。このホルモン補充周期には次のようなメリットがあります。
- ・完全に薬でコントロールをするため、移植日を調整することや予定日を確定させることができる。
- ・移植日までの通院回数を少なくすることができる。
- ・安定したホルモン環境を作り上げることができる。
- ・自然に排卵が起こらないような排卵障害の方にも行うことができる。
しかし、デメリットもあります。
エストラジオールを皮膚から吸収させるテープタイプの薬を使用する場合がありますが、そのテープで肌がかぶれてしまうことがあります。また、ホルモン剤を使うことで不正出血が起こることがあります。
さらに、妊娠判定が陽性になった場合、自然排卵後にできるホルモンを分泌する黄体がないため、胎盤からのホルモンが分泌されてくる妊娠9週ごろまでホルモン補充を必要とします。
次に「自然周期」での移植法ですが、ホルモン値と超音波による卵胞径の測定をして卵胞成熟を確認し、排卵時期を特定して、胚を移植するタイミングを決定します。
スケジュールが組みにくい方法ですが、ホルモン剤を使用しない、もしくは排卵を確実に起こすためのHCGの注射または点鼻薬のみと、使用する薬を最小限に抑えることができるという自然に近い方法です。
しかし、排卵日が特定されてから移植日が決定するので日程の調整が不可能なことや、移植日がクリニックの休診日にあたる場合にはキャンセルになる場合があります。
また、正常な排卵が起こらなかった場合などもキャンセルになるというデメリットがあります。
当院では、移植がキャンセルになることが少ないホルモン補充周期で主に凍結融解胚移植を行っていますが、実際にどちらで行うかは相談の上で決定させていただきます。
院長 保坂 猛
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