卵子の成熟・排卵のトラブル②
高プロラクチン血症
プロラクチンは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、乳腺を刺激して母乳の分泌を促す働きをします。血液中のプロラクチンの値が高いと、FSHやLHの分泌を抑制して、無月経や排卵障害を起こすことがあります。原因としては脳下垂体にできた腫瘍や、抗うつ剤などの薬の副作用により、プロラクチンの分泌を抑えるドーパミンというホルモンの分泌が減るケース、甲状腺機能低下症などがありますが、明らかな原因が分からないこともあります。
→飲み薬で治療・脳外科手術
基本的には「カバサール」「テルロン」など、プロラクチンを抑える作用のあるドーパミン作動薬で治療します。これらの薬は脳下垂体の腫瘍を小さくする効果もありますが、腫瘍が大きく、視力や視野に問題が出る場合などは、脳外科手術で腫瘍を取り除きます。
薬の副作用が原因のときはその薬をやめれば改善しますが、服用を中止するかどうかは主治医と相談してください。
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモン剤を投与します。
→排卵が起きるようならタイミング法などのステップアップへ
排卵が起こらない
卵胞が成熟すると、脳下垂体からLHが大量に放出され、卵胞に「黄体になるように=排卵するように」という指令が伝わります。このLHサージという状態からおよそ36時間で排卵が起こるとされています。視床下部や脳下垂体の機能低下でLHサージを起こすのに十分なLHが分泌されない場合には排卵が起きません。
→hCG注射で治療
LHと同じ作用を持つhCG製剤を注射して排卵を促します。
→排卵が起きるようならタイミング法などのステップアップへ
黄体化未破裂卵胞
卵胞は大きくなっても排卵しないまま黄体へと変化することがあり、黄体化未破裂卵胞(LUF)と呼ばれます。基礎体温は上昇しても、超音波検査で観察すると排卵前とほぼ同じ大きさの卵胞が残っています。この残った卵胞は次の周期のホルモンバランスを乱し、卵胞の発育に影響することもあります。
→排卵誘発剤で治療
頻繁に起こる場合は排卵誘発剤を服用して、スムーズな排卵を助けます。子宮内膜症などで癒着があり、物理的に卵子が外に出られない場合は腹腔鏡手術で癒着をはがすか、体外受精へ進むこともあります。
院長 保坂 猛
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