妊娠を妨げる3大要因
妊娠の仕組みのどこかにトラブルがあると、妊娠は成立しません
女性の卵巣から排卵された「卵子」が、射精された「精子」と卵管で出会い、それぞれの核が融合し「受精」が起こります。受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら卵管を通り抜け、子宮に到着し、準備の整った子宮内膜に「着床」します。それが妊娠の仕組みになります。妊娠を妨げる要因としては、赤ちゃんのもとになる①卵子と②精子、③出会いの場である卵管と子宮、のうちどこかに問題があることが多く、その割合はほぼ1/3ずつと考えられています。
①卵子に関わること
- ・卵子が育たない
- ・卵子が排卵されない
- ・卵子の質がよくない
卵子の成長や排卵には、各種の女性ホルモンが大きな役割を果たしています。女性の体の中で、これらのホルモンは時期によって分泌量が変わり、月経周期をつくり出します。ホルモンの分泌が乱れると、よい卵子が育たなかったり、排卵がうまく起こらなくなります。
②精子に関わること
- ・精子の数が少ない
- ・精子に元気がない
- ・精子がつくれない
- ・精子の通り道が塞がっている
- ・射精できない
③通り道(卵管)と出会い(子宮)の場に関わること
- ・卵管が狭い、卵管が詰まっている
- ・排卵された卵子をとりこめない
- ・子宮内膜が薄い、凹凸がある
卵管は子宮とつながっていて、一番狭いところでは1mmほどしかありません。卵管が詰まったり細くなってしまうと、精子や受精卵は通ることができず、自然妊娠はできません。また、子宮内にトラブルがある場合も、受精卵の着床を妨げます。
その他にも
- ・卵子と精子が出会っても受精しない
- ・頸管粘液が精子をブロック
- ・免疫の異常で、抗体が精子を攻撃
卵子と精子には寿命があり、出会いのタイミングがとても重要
ホルモンの働きによって排卵された卵子の寿命は、わずか24時間です。しかも、受精能力が高いのは排卵後6~12時間という説もあります。一方、射精された精子は平均3~4日女性の体内で生きています。卵子と精子が出会うためには、女性の排卵のタイミングをキャッチして、その前後に精子を卵管に送り込んでおくのがよいと考えられています。
一般的には避妊せずに夫婦生活を持てば、1年で9割以上は妊娠します。避妊せずに夫婦生活を1年間行っているにもかかわらず妊娠しないことを「不妊」と定義しています。
不妊の原因はひとつだけとは限らず、約半数は男性側にあるといわれています。原因を見つけるには検査が必要です。その後の結果をスムーズに進めるためにも、できるだけ夫婦で検査を受けることをおすすめします。
院長 保坂 猛
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