クラミジア感染症と不妊症


 クラミジア感染症は性感染症の中で最も患者数が多い感染症です。性行為により男女ともに感染し、男性不妊・女性不妊につながる原因にもなります。
今回はクラミジア感染症による不妊症のリスクについてお話したいと思います。


男性のクラミジア感染症による不妊症

 男性は尿道よりクラミジアに感染し、そのまま治療をせずにいると、精巣で造られた精子を精管に送り出す役割をする精巣上体にまで感染が広がってしまう場合があります。そうすると、精管が塞がり、射精された精液の中に精子がいないという無精子症になってしまう可能性があります。
 男性がクラミジアに感染すると、尿道の痒みや排尿時の痛み、尿道から膿がでることもありますが、自覚症状がないことも多く、感染に気付かずにパートナーにまで感染させてしまうこともあります。

女性のクラミジア感染症による不妊症

 女性がクラミジアに感染するとおりものの量や色の変化や不正出血、下腹部痛の症状がみられることがありますが、無症状であることが多く、感染に気付かずに放置されてしまうことが多くあります。しかし、感染が子宮内膜や卵管へ広がると、着床障害や卵管障害、子宮外妊娠などの不妊原因となる可能性があります。
 妊娠する際には受精卵が子宮内膜に着床する必要がありますが、内膜に炎症があると着床障害がおこることがあります。また、卵管まで炎症が広がると、卵管が狭くなってしまったり塞がることで卵子が通過できなくなり、不妊症のリスクを高めます。実際に不妊原因の約30%が卵管因子であるといわれており、そのうちの60%以上がクラミジア感染によるものであるという報告もあります。

 妊娠中のクラミジア感染においては、流産や早産の原因となることや、母子感染により赤ちゃんが肺炎や結膜炎を起こすこともあります。

 クラミジア感染が分かったら、抗生剤の内服で治療を行います。また、パートナーも感染している可能性がある為、同時に検査、治療することをおすすめします。

院長 保坂 猛

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