不妊治療で転院したほうがいいケースと目安を詳しく紹介

不妊治療 転院

今治療を受けている病院を変えることは、勇気がいるものです。

しかし、不安やストレスは不妊治療によくない影響を及ぼしますし、もし転院してから「思っていたのと違う…」となれば、元の病院に戻ることだってできます。

引っ越しや仕事の都合で、やむを得ず転院を検討している人もいると思います。

そこで本記事では、不妊治療で転院を検討するべき目安と、不妊治療で転院をしないほうがよい場合としたほうがよい場合について紹介します。

転院を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

不妊治療の病院は転院はしてもよい

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不妊治療において、転院することは決して珍しいことではありません

現在通っている病院で妊娠に至らなかったとしても、これまでの治療がすべて無駄だったとは限りません。

実際に過去の治療を詳しく分析することが、妊娠の可能性を探るための手がかりとなるでしょう。

また、不妊治療には様々な方法があり、適切な治療法は人によって、あるいは時期によっても異なります。

不妊治療に限らず、医療を受ける側にとって、ストレスなく通える病院、相性の良い医師、満足できる治療方針を求めて転院することは、むしろポジティブな行動だといえます。

転院を考える理由

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自分が何を最も重要だと考えるかによって基準は変わるため、次の病院を選ぶ際には、なぜ転院したいのかを考えることが大切です。

不妊治療で転院を検討する理由は様々ですが、主な理由としては以下のようなものが挙げられます。

治療方針の違い

現在通っている病院の治療方針に納得できない、または別の治療方法を試したいと思うこともあるでしょう

そのような場合、現在の病院で相談して対応してもらえることもありますが、そうでない時は転院を検討する必要があります。

医師やスタッフとの相性

現在通っているクリニックの医師やスタッフと相性が合わない、または信頼できないと感じた場合、それがストレスとなって治療に影響を及ぼすことがあります。

不妊治療では、リラックスした状態で通院を続けることがとても大切です

そこで、別の病院で説明会や勉強会に参加してみると、その病院やスタッフの雰囲気、医師の人柄などを知ることができるでしょう。

距離やアクセスの問題

病院やクリニックが遠くて通院が負担になる、またはアクセスが悪く通院が困難な場合にも、治療に影響が出ることがあります

そのため、自宅や職場から通いやすい病院を選ぶことも、治療を続ける上で重要なポイントとなります。

転院を検討する目安

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もちろん個人差はあるものの、一般的には移植を4〜5回実施しても妊娠に至らない場合、転院を検討してもよいでしょう。

ただし、条件によって異なりますので、以下に説明します。

胚には問題がなく妊娠に至らない場合

胚には問題がなくて、移植を2〜3回行っても妊娠に至らない場合、着床障害の原因を検査する必要があるかもしれません。

具体的には、慢性子宮内膜炎(長期間、子宮内膜の炎症が継続する病態)や銅亜鉛バランスの検査です。

好胚盤胞が着床する確率は60%程度あり、35歳未満の人の場合ですと正常胚(染色遺体異常のない胚)の確率が約50%と高いため、通常ですと医師は2〜3回の移植で妊娠できるかどうかの判断ができるでしょう。

着床はしたが流産となってしまった場合

稽留流産になった場合は、その児に染色体異常があったのかを検査することで、次の治療につなげることができます。

その児に染色体異常がなければ、流産の原因を探るために不育検査を行うことが推奨されます

また、化学流産になった場合は、子宮内膜が受精卵を受け入れることができる時期がずれていないか検討したり、慢性子宮内膜炎検査を行ったりする必要があるでしょう。

卵巣刺激法が低刺激法の場合

低刺激法は、自然の形に近い状態で採卵をすることができるというものです。低刺激法で採卵を行う場合、基本的に移植する胚は1〜2個程度となります。

自然周期の採卵・移植で妊娠を試み、2回採卵、2〜3回移植を行っても妊娠に至らず、さらに改善策を提示できない病院であれば、転院を検討してもよいでしょう。

卵巣刺激法が高刺激法の場合

高刺激法で採卵すると、比較的多くの胚を確保できますが、移植を2回行っても妊娠に至らない場合は、慢性子宮内膜炎や銅亜鉛検査を実施し、異常があれば適切な治療を行います。

ただし、日本では胚の着床前診断が認められていないため、移植胚の選定はあくまでもグレードで判断することになります。

移植が2〜3回と続いてしまう場合は、その原因を考慮し、治療方針を見直してくれるかが、転院するかの判断材料となります。

転院をしないほうがよいケース

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ここまで転院を検討する目安について解説してきましたが、結果がまだ出ていなくても、慌てて転院をしないほうがよい場合もあります。

検査や治療方法の選択肢が十分にある

病院選びや不妊治療を進める上で、治療の選択肢が多いことは重要なポイントです。

例えば、排卵誘発の刺激法は複数ありますが、自分に合った方法を選んでくれる病院であれば、転院せずとも治療を継続していけます

医師が不妊治療の説明をしっかりしてくれる

不妊治療の方法は多岐にわたり、治療を受ける側にとっては難しいことが多いため、医師から丁寧な説明が必要です。

医師が説明を十分に行い、治療方針に納得できる病院であれば、不安を感じずに治療を進めることができます。

また、体調や生活サイクルに不都合が出た場合など、代替案を提案してくれる病院やクリニックであれば、治療が長引いても通院を続けることができます。

転院をしたほうがよいケース

不妊治療 転院

一方、以下のような場合は、転院を考えたほうがよいといえます。

治療のステップアップができない

病院やクリニックによっては、タイミング法と人工授精のみで体外受精を行っていない所もあります。

治療が長期化してステップアップを望んでも、その病院での治療が限界であることが判明した場合は、転院をおすすめします。

男性不妊に対応していない

男性不妊の原因はさまざまで、自覚症状がないことが多いため、精密検査で初めてわかることが多いそうです。

男性側に不妊の原因がある場合、精子を作る機能や精管通過障害、精索静脈瘤の治療などに対応している病院やクリニックを選ぶ必要があります。

体質改善や食事療法に重きを置きすぎている

体質や食事を見直すのはもちろん大切ですが、これらはあくまでも不妊治療と並行して行っていくものです。

本来進めるべき不妊治療が遅れてしまう場合には、転院を考えた方がよいでしょう。

長期間同じ治療を繰り返している

特に説明もなく同じ治療を繰り返している場合は、医師に今後の治療方針について確認することをおすすめします。

それでも納得の行く説明が得られなければ、転院を検討してよいでしょう。

妊娠を望む女性にとって「時間」はとても貴重なものですから、無駄に費やすことのないように、主体的に行動することも必要です。

転院することを決めた後の注意点

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転院を決めた際にも、注意したい点があります。

紹介状が必要か確認する

不妊治療では、紹介状は必ずしも必要とは限りません。

例えば、転居によって以前の病院に紹介状を頼めない場合は、これまでの治療経過を自分でまとめて報告することもできます。

ただし、病院によっては紹介状を求められることもありますので、事前に転院先の病院に確認を取っておくことをおすすめします。

一部検査が重複する場合がある

転院すると以前と同じ検査を受け直さないといけないなど、費用や時間がかかるというリスクが考えられます。

それらを少しでも軽減するためには、可能であれば、現在の主治医から過去の検査データ(1年以内のもの)を提供してもらうか、それまでの検査結果を保管しておくとよいでしょう

突然転院してはいけない

治療の途中で突然、通院をやめることは避けたほうがよいでしょう。

現在の主治医の判断に基づいてその治療を行っているので、治療を中断することで何らかの不利益が生じることも考えられます。

たとえば、現在の病院に受精卵がある場合、受精卵のグレードによっては戻して妊娠する可能性を高めてから転院したほうがよいかもしれません。

また、年齢によっては次の病院で新たに採卵からやり直すことを進められることもあります。

転院を希望する際には、いったん治療を中断したい旨を、現在の主治医に伝えるとよいでしょう。

まとめ

不妊治療で転院を検討している人には、まずは現在の主治医とコミュニケーションをとってみることをおすすめします。

主治医に転院を希望する理由や不満点を伝え、相談することで、現在の治療方針を再考することができる場合もあります。

また、転院先の病院やクリニックを選ぶ際には、専門的な知識や経験があるかどうかを確認することが大切です。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、正確な検査と安全・確実な培養を行うために最新の機器を導入し、患者様のライフパートナーとして、よりよい治療方法をオーダーメイドにてご提供しております。

日本産婦人科学会に認定を受けた生殖補助医療実施機関であり、また、不妊治療助成金指定医療機関ですので、助成金・所轄申請をはじめとする手続き等の支援も行います。

お一人おひとりの患者様とご家族のために、プライバシーを考慮した誠実な診療を行っておりますので、転院をご検討中の方は、三軒茶屋ウィメンズクリニックへぜひご相談ください。

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