生理をピルでずらす?早める?遅らせる?服用方法や注意点なども紹介

生理 ピル ずらす

イベントや外せない用事などに生理予定がぶつかってしまう場合、パフォーマンスが落ちたり楽しめなかったりするため、時期を移動できないかと悩む人は多いでしょう。

その場合、医療機関で処方されるピルによって、生理の予定を早めたり遅らせたりして調整することが可能です。

この記事では『月経移動』について、使用するピルや予定日を調整する際のピルの服用方法、ピルについての注意点などを紹介します。

ピルの使用方法には避妊が広く認知されていますが、生理痛の改善や生理周期の安定などと並ぶピルの効果のうちの一つである、月経移動を上手に利用しましょう。

月経移動とは

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『月経移動』とは、低用量ピルや中用量ピルで生理を早めたり遅らせたりして生理を調整することです。

生理日を移動する方法は、ピル以外にはありません。

ここでは月経移動について、必要なピルを処方してもらうための受診のタイミングや服用方法、受診の際に押さえておくポイントなどを紹介します。

月経移動に失敗しないために、ぜひ参考にしてください。

月経移動のための受診で必要な情報

ピルは一般の薬局などでは販売していないため、服用開始前までに医療機関を受診してピルを用意しておく必要があります。

受診の際に問診で必ず聞かれる重要な項目は以下です。

  • 最後に生理が始まった日
  • 次回の生理の開始予定日
  • 生理をずらしたい日(予定のある日)

移動したい予定日が決まっているのであれば早めに相談することをおすすめします。

生理を早める場合

生理を早めたい場合は、ずらしたい生理の前の生理が始まってから5日目までに低用量ピルの服用を開始し、14日間以上服用します。

低用量ピルの服用を止めると、その2〜3日後に生理が来ます。

タイミングが遅れると希望の日付に間に合わない可能性があるため、予定をしっかり立てることが必要です。

14日間の服用が事情によって難しい場合は、ずらしたい生理の前の生理開始から5日以内に中用量ピルの服用を開始し、10日間服用する方法があります。

中用量ピルも服用をやめてから2〜3日後に生理が訪れます。

生理を遅らせる場合

低用量ピルで生理を遅らせる場合は、前回の生理7日目以降に服用を始め、イベントの日に服用を中止します。

中用量ピルで生理を遅らせる場合は、遅らせたい生理予定開始日の5〜7日前から服用を始め、1〜2週間ほど服用を続けます。

低用量ピルも中用量ピルも服用をやめて2〜3日すると生理が来ます。個人差はありますが最長で1週間ほど遅らせることが可能です。

生理を遅らせる場合は中用量ピルを使うケースが多いです。

もしピルを飲んでいても生理が来てしまった場合、服用をすぐにやめてください。

生理を早めるか遅らせるかの選択

生理を避けたい予定の日に対して、生理を早めるのと遅らせるのとどちらがいいのか迷った場合は以下を目安にしましょう。

  • 予定日まで5日〜2週間の場合……中用量ピルを予定日まで服用を続けて遅らせる
  • 予定日まで2週間〜20日の場合……中用量ピルを1週間〜10日服用して早める
  • 予定日まで3週間以上ある場合……低用量ピルを2週間服用して早める

生理を早める場合、早めたい日数と生理期間の合計日数が必要な準備日数となるため、早めに行動する必要があります。

そのため、1ヶ月前辺りから予定が明らかな場合に可能な方法です。

また、中用量ピルは生理を遅らせて移動したい日までの時間が十分に確保できない場合に選択されます。

生理を遅らせる場合は予定のある日の服用が必要ですが、早める場合は生理が終わってから予定の日を迎えるため、計画的にピルを服用できるなら早める方をおすすめします。

ピルとは

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ピルとは、卵巣で作られるエストロゲン・プロゲステロンという女性ホルモンを配合した薬で、ホルモンバランスを調整する働きによる経口避妊薬として開発されました。

ここでは、ピルについて詳しく紹介します。

ピルの用途

ピルの用途は避妊薬の他に、以下のような効果があります。

  • 月経困難症の改善
  • 子宮内膜症の改善
  • 月経移動
  • 生理痛の軽減
  • アフターピル(性交渉後の緊急避妊薬)

女性ホルモンをピルによって外部から取り入れ、脳に勘違いを起こさせることで排卵のためのホルモンを抑制し、排卵を起こさせないという仕組みです。

ホルモンの配合量やそのパターンによって種類に違いがあり、異なる目的があります。月経移動に使用されるのは中用量ピル・低用量ピルです。

低用量ピルと中用量ピルの違い

低用量ピルと中用量ピルは、エストロゲンの配合量に違いがあります。

中用量ピルに対するエストロゲンの配合量は一錠あたり0.05mg以上ですが、低用量ピルはそれ以下で、配合量が多い方が効果が高いです。

配合量の違いから、それぞれ使用する目的にも違いがあり、避妊や月経トラブルには低用量ピル、アフターピルや月経移動には中用量ピルが中心として使用されています。

費用については健康保険適用外で、月経移動1回につき以下が相場です。

  • 中用量ピル……3,000〜5,000円
  • 低用量ピル……2,000〜3,000円

中用量ピルは少量からの購入が可能ですが費用が高めだったり、低用量ピルは副作用のリスクが低いですが服用期間が長めなど、それぞれメリット・デメリットにも違いがあります。

受診の際に副作用の不安や予定日までの余裕などについて医師に詳しく伝え、納得いくよう相談しましょう。

普段もピルを服用している場合

低用量ピルを普段から服用している人は、服用中のピルを利用した月経移動が可能です。

服用するタイミングを変えて調整することになり、種類によっては服用方法に違いがあるため、自己判断ではなく医師に相談したうえで行いましょう。

生理をピルでずらす際の注意点

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月経移動についての注意点を紹介します。

ピルの副作用や、ピルを用いての月経移動ができない人、月経移動を成功させるポイントなど、参考にしてください。

副作用がある

月経移動は自然に逆らって意図的に生理の時期を移動するため、副作用が気になる人は多いでしょう。

人工的に妊娠準備や排卵を身体に行わせるため、倦怠感や胃のむかつきなどが現れることがあります。

特に中用量ピルは、個人差はありますが以下のような症状が見られることがあります。

  • 胸の張り・むくみ
  • 不正出血
  • 下腹部の違和感や痛み
  • 頭痛

生理前に分泌されるホルモンがピルの成分によって補充されるのみのため、基本的には身体に悪影響はなく、生理前に見られるような症状や不調が起こる程度です。

しかし、服用の間はその不調が副作用として続くため、イベントや用事に影響しないよう予定を適切に組む必要があります。

他にも、月経移動により効果がある中用量ピルはエストロゲン含有量が低用量ピルより多いため、血栓症のリスクがあります。

  • ふくらはぎが痛い・むくむ・痺れる
  • 突然の息切れや胸の痛み
  • 激しい頭痛やめまい・失神

以上のような症状がある場合は直ちに内服を中止し、ピルを処方された医療機関を受診してください。

月経移動にピルを服用できない人

月経移動にピルを使用できない人は以下の通りです。

  • 40歳以上
  • 血栓の既往歴
  • 心疾患の既往歴
  • 前兆のある偏頭痛がある・または症状がひどい
  • 原因不明の不正出血がある
  • 35歳以上で、1日に15本以上喫煙する
  • 乳がんや子宮がんなどの疑いまたは罹患している
  • 妊娠中または出産後6週間以内・授乳中
  • BMIが30以上
  • 高血圧・糖尿病・高脂血症・重い持病

上にない症状や持病でも、注意が必要な場合があるため、まずは一度医療機関に相談してみましょう。

普段の生理周期が重要

月経移動を成功させるためには、生理周期が乱れるような要因がなく、正しく周期を把握している必要があります。

正しい周期から生理日を想定するのが好ましく、ストレスや過度なダイエット・生活習慣など生理のずれが生じる要因を排除することで、月経移動の成功確率が上がります。

月経移動をした後は、新しく訪れた生理日が基準となり新たな周期に変わるため、その後も規則正しく生理がくるように、なるべくストレス排除に努めて生活習慣を整えましょう。

必ず成功するわけではない

月経移動は必ず成功するわけではありません。

人間の身体のことであり個人差もあるため、計ったようにはいかない場合があります。

特に、生理を早めるのは遅らせるよりも成功率が低くなるため、間に合わないと思ったら遅らせるのがおすすめです。

移動日の設定を正確に行うためにも生理予定日を確実に把握し提示した上で、医師に月経移動の提案をしてもらいましょう。

月経移動用ピルで避妊はできない

月経移動用のピルは一時的な服用となるため、避妊に効果はありません。

ピルを避妊に使用する場合は、月経移動の際と比べると服用のタイミングや服用する期間に違いがあります。

避妊を希望の場合はその旨を医師に伝えて指示を仰ぎ、自己判断で服用するのはやめましょう。

まとめ

ピルは避妊薬のイメージが強いですが、月経の症状を和らげたり、大切なイベントを快適に迎えるために利用することもできる薬であることが分かっていただけたかと思います。

東京都世田谷区の三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、信頼のおける地域医療を提供するべく医療体制を整えております。

低用量ピルを処方する前と処方後は定期的に血液検査を実施し、血栓のリスクの早期発見に努め、服用が長期に渡る場合は子宮頚がんの検査も実施しております。

大切なイベントと生理が重なる悩みをお持ちの方は、ぜひ三軒茶屋ウィメンズクリニックへご相談ください。

月経移動は早めの行動が成功率を高めます。ご予約をお待ちしております。

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