不妊治療の通院頻度はどれくらい?治療の流れや仕事と両立させるための方法を解説

不妊治療 通院頻度

不妊治療は、女性の排卵日などにあわせて進められる場合が多いですが、どれくらいの頻度で通院すればいいのかは気になるポイントでしょう。

また、不妊治療と仕事を両立させたいと思っている人のなかには、実際に両立できるのか不安を抱えているかもしれません。

この記事では、不妊治療の通院頻度や仕事と両立させる方法などについて解説します。

不妊治療を始めようと思っている人、仕事との両立を目指したい人はぜひ最後までご覧ください。

不妊治療の流れ

不妊治療 通院頻度

まずは不妊治療の流れについて知っておきましょう。

不妊治療の大まかな流れは、初診・不妊検査・不妊治療の3つです。

それぞれなにをするのか詳しく解説していきます。

初診:今後の流れの説明やさまざまな検査の実施

初診では、問診やコンサルティング、看護師による簡単な検査などが行われます。

そののち、治療の流れや実施する検査の説明、不妊治療を始める際に注意してほしい日常生活面の話があります。

ここで説明を受ける治療の流れなどはあくまでも「一般的にはどのように進めるのか」です。

今後行う不妊検査の結果によっては治療の流れなどが変わる可能性があります。

また、女性の不妊検査は月経前や月経後などタイミングを見て行うものが多く、1日では終わりません。

どのタイミングで次は来院が必要で、どのタイミングでどのような検査を行うのかも説明を受けます。

これから始める不妊検査や治療について、何か不安なことなどがあれば、気軽に質問しましょう。

病院によっては、初診のタイミングでできる不妊検査を一部開始することもあります。

不妊検査:不妊の原因などを調べる

不妊治療を始める前に不妊検査を行い、不妊の原因などを調べます。

不妊の原因は女性のみ、男性のみにあるわけではないため夫婦共に受けることが推奨されています。

女性が受ける不妊検査は、ホルモン検査・卵管造影検査・超音波検査などで、男性が受ける不妊検査は、精子検査・感染症検査などです。

基本的な検査項目については、どの病院でも受けられる項目はほぼ同じですが、病院によってはより細かく検査ができる項目が用意されている場合があります。

受けたい検査などがあれば、その検査が受けられる病院を探してもよいでしょう。

男性の不妊検査は1度の通院で完了しますが、女性は月経周期にあわせて行う検査項目が異なるため、全ての検査が完了するまでに1〜2ヶ月程度かかります。

不妊治療:不妊の原因や2人の希望などを元に治療を進める

不妊検査の結果や原因、2人の年齢や希望などを加味して、2人にあった不妊治療計画を立てます。

男女共に生殖機能に大きな問題がなければ、まずタイミング法による妊娠を目指します。

不妊治療は大きく2段階に分かれており、一般不妊治療(タイミング法・人工受精)と高度生殖医療(体外受精・顕微受精)です。

「タイミング法⇒人工受精⇒体外受精⇒顕微受精」の順番で不妊治療の成功率は上がっていきます。

治療回数や治療の結果などを考慮したうえで次の治療へ進んでいきます。

不妊治療の通院頻度

不妊治療 通院頻度

不妊治療はいつでも治療ができるわけではなく、女性の排卵や月経周期などのタイミングに合わせて治療を進めて行きます。

基本的に不妊治療は月経周期にあわせて1ヶ月に数回の通院が必要です。

ここでは一般不妊治療と高度生殖医療の通院頻度について解説します。

一般不妊治療:平均1~2時間の通院月に2~6回

一般不妊治療とは、タイミング法や人工受精を指し、平均1〜2時間程度の通院が月に2〜6回程度行います。

治療のタイミングは女性の月経周期によって左右され、ここでは月経周期を28日周期と想定します。

まず、タイミング法の通院頻度(日数)や治療内容は以下のとおりです。

通院頻度(日数)治療内容
生理開始~10日目・卵胞の確認 ・排卵予定日の推測 ・排卵誘発剤の使用(必要であれば)
~14日目(排卵予定日)・排卵の確認 ・ホルモン値の確認
~28日目(月経開始予定日)・妊娠の確認

スムーズに行けば3回の通院で1回目のタイミング法が終了します。

次に人工受精の通院頻度(日数)や治療内容は以下のとおりです。

通院頻度(日数)治療内容
生理開始1~5日目・生理期間に一度来院して排卵誘発剤を使用するかどうかの相談 ・排卵誘発剤を使用する場合は薬の処方
生理開始10~12日目・卵胞の確認 ・排卵予定の推測 ・人工受精を行う日を決める
人工受精日当日 (生理開始12~14日目頃)・男性:精液の採取 ・女性:洗浄・濃縮した精子を子宮内へ注入
~28日目(月経開始予定日)・妊娠の確認

スムーズに行けば4回の通院で1回目の人工受精が終了します。

ただ、月経周期が乱れていたり、排卵予定日に排卵が確認出来なかったりした場合は、日を空けて排卵しているタイミングでの通院が必要です。

そのため、人によっては多少通院頻度が増える可能性があります。

高度生殖医療:1~3時間の通院平均月4~10回+半日~1日の通院平均月1~2日

高度生殖医療とは、体内での受精が難しい場合に行う治療法で、1〜3時間の通院が平均月4〜10回+半日〜1日の通院が平均月1〜2日程度行います。

高度生殖医療には、体外受精と顕微受精の2つの治療法があります。

体外受精と顕微受精の通院頻度(日数)や治療内容は以下のとおりです。

通院頻度(日数)治療内容
生理開始3日目以内・所要時間1時間程度 ・採血と超音波検査で卵巣の状態を確認 ・卵胞の刺激方法の選択
生理開始7~9日目・所要時間1時間程度 ・採血と超音波検査で卵胞の発育状態を確認 ・薬剤の調整
生理開始10~12日目・所要時間1時間程度 ・採血と超音波検査で卵胞の発育状態を確認 ・採卵日の決定
生理開始12日目頃・所要時間半日~1日 ・男性:精液の採取 ・女性:採卵
体外受精後3~5日目・体外受精確認後、胚移植を行う ・子宮環境によってすぐに胚移植を行うか、次の月経周期で胚移植を行うか決める ・可能であれば胚移植
~28日目(月経開始予定日)・妊娠の確認

スムーズに行けば1時間程度の通院が5回、半日〜1日の通院が1回で1回目の体外受精や顕微受精が終了します。

こちらも一般不妊治療と同様に、女性の月経周期によって多少通院頻度が増える可能性があります。

不妊治療と仕事を両立させる方法6つ

一般不妊治療も高度生殖医療も基本的に4回以上の通院が必要になり、高度生殖医療では1回は所要時間半日〜1日かかる場合もあります。

通院日程も、生理周期などによって変わるため予定が立てにくい部分があります。

そうなると、仕事との両立ができるか不安になる人もいるかもしれません。

不妊治療と仕事を両立させている人は多く、働き方などを工夫しています。

最後に不妊治療と仕事を両立させる方法を6つ解説します。

会社にある制度を利用する

不妊治療が2022年から保険適用になったことで、育児休暇のように不妊治療休暇などの制度を作る会社が増えています。

会社によって、制度名などが異なる場合があるため、会社に確認してみましょう。

また、既存の制度が不妊治療にも活用できる場合があります。

ただ、まだまだ育児休暇より認知度は低く会社によってはそういった制度が用意されていない、制度自体はあるものの利用されていないことも多いです。

ここでは、不妊治療連絡カードと不妊治療休暇について解説します。

厚生労働省から制定されている不妊治療連絡カード

不妊治療連絡カードとは、厚生労働省が作成したものであり、不妊治療を受けたり今後治療を受けたいと思っていたりする場合、スムーズに企業に事情を伝えるためのものです。

不妊治療と聞いても、実際のスケジュール目安などを知らない人も多いですが、不妊治療連絡カードには基本的なスケジュールなども記載されています。

そのため、欠勤が必要な理由や急に欠勤が必要になる理由を理解してもらいやすくなるでしょう。

ただ、こちらは法的拘束力があるものではなく、提出しても必ずなんらかの配慮を受けられるとは限らず、あくまでも配慮義務となっている点は注意してください。

不妊治療休暇などの利用

一部企業では、既に不妊治療休暇などを取り入れている場合があります。

主な不妊治療休暇は以下のとおりです。

  • 不妊治療休職制度:補助生殖医療を行う際に最長1年間(無給)休職できる
  • 出産支援休暇制度:不妊治療を行う際に最長1年間休職できる・休職中が社会保険料相当額を会社が負担

制度の名称や休職日数、休職中の給与などに関しては企業によって異なるため、気になる人はまずは会社に確認してみましょう。

働き方の変更

現在、正社員としてフルタイムで働いている場合、働き方の変更も視野に入れてみましょう。

不妊治療と両立しやすい働き方は以下のとおりです。

  • パートタイム
  • フレックスタイム制度
  • 短時間勤務制度
  • テレワーク など

場合によっては、転職を視野に入れてもよいかもしれません。

朝早く・夜遅く診察してくれる病院の利用

働き方などを変えるだけではなく、通院する病院選びも仕事との両立には重要です。

一部の病院では、朝早く・夜遅く診察してくれる病院があります。

高度生殖医療の採卵など半日〜1日かかる治療の場合は仕事を休む必要がありますが、1時間程度の診察であれば、仕事前・仕事後の通院が可能です。

仕事との両立を希望する場合、不妊治療を始める病院選びの際の条件として、朝早く・夜遅く診察してくれる病院を入れておきましょう。

まとめ

不妊治療の通院頻度は、一般不妊治療で平均1〜2時間の通院月に2〜6回、高度生殖医療で1〜3時間の通院平均月4〜10回+半日〜1日の通院平均月1〜2日程度です。

こちらはあくまでも月経周期を28日周期と想定した場合です。

月経周期が乱れていたり排卵予定日に排卵が確認出来なかったりした場合は、追加での通院が必要になる可能性があります。

不妊治療が保険適用になったことで、仕事と両立できるような制度も増えているため仕事と両立したい人は一度会社に相談してみましょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニック」これまでの婦人科専門医としての経験を生かし、ご一緒に相談しながらよりよい治療方法をオーダーメイドにておこなってまいります。

個室診察による徹底したプライバシーの保護をおこなっており、より安心して受診していただくための予約システムを導入しておりますので、そちらもご活用ください。

また、さまざまな症例に対応できるよう多数の病院施設と連携し、協力医として登録しており、もしもの場合でも迅速に対応します。

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