「生理の量が多い」は放置しないで!過多月経の原因と治療

生理 量が多い

生理の量が多いと感じることはありませんか?経血量が通常より多い場合、日常生活に支障をきたすだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

生理の量は人それぞれ異なるうえ、他人と比べる機会が少ないため、自分の経血量が多いのか判断しづらいと感じる方も多いかもしれません。

この記事では、過多月経の症状や原因、治療法について詳しく解説し、婦人科受診の重要性をお伝えします。

自分の体調を見直し、必要なケアを始めるきっかけにしてください。

生理の量が多い?正常な経血量の目安

生理 量が多い

正常な経血量は、1回の生理で約20〜140mlとされています。

個人差がありますが、ナプキンやタンポンを2〜3時間に1回交換する程度なら通常範囲内です。

経血量を正確に測ることは難しいため、日常生活で不便を感じるほど経血量が多い場合は、放置せず婦人科で相談することをおすすめします。

まずは、自分の体調や生理パターンを把握し、異常があれば早めに対処しましょう。

経血量が多い『過多月経』の症状とは?

生理 量が多い

生理中の経血量が通常よりも多く、日常生活に支障をきたす状態を『過多月経』といいます。

具体的には、1回の生理で140ml以上の出血がある場合や、1時間以内にナプキンやタンポンが吸収しきれないほどの出血が続く場合が該当します。

過多月経が疑われる主な症状は以下の通りです。

  • ナプキンやタンポンを1時間以内に交換しなければならない
  • 夜用ナプキンを日中でも使用しないと漏れてしまう
  • レバー状の血の塊が出る
  • 貧血や倦怠感、息切れ、頭痛などがある
  • 生理期間が7日以上続く

これらの症状は、過多月経の可能性を示唆する重要なサインです。特に、生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、婦人科を受診して適切な診断と治療を受けましょう。

過多月経の原因

生理 量が多い

過多月経の原因は大きく分けて『婦人科器質性疾患』『婦人科機能性疾患』『内科的疾患』に分類されます。

過多月経を放置すると貧血など健康への深刻な影響が出る可能性があります。早めに婦人科で相談し、適切な治療を受けましょう。

ここでは、過多月経の原因について解説します。

婦人科器質性疾患

婦人科器質性疾患とは、子宮やその周辺の構造的な異常が原因で起こるものです。代表的な疾患には以下があります。

  • 子宮筋腫:筋腫が子宮内膜を圧迫し、剥離面積を広げることで経血量が増加
  • 子宮腺筋症:子宮内膜に似た組織が子宮筋層内に入り込むことで、月経時に大量出血を伴う
  • 子宮内膜ポリープ:子宮内膜の一部が異常増殖してできる良性の腫瘍で、剥離時に経血量が増える

年齢とともに発症リスクが高まる傾向があり、30代以降の女性に発生しやすい疾患です。

過多月経が重症化すると、良性の腫瘍やポリープでも悪性化のリスクを考慮し、手術が必要になる場合があります。

婦人科器質性疾患は自覚症状が乏しい場合があり、発見が遅れることもありますが、経血量の増加や強い月経痛がある場合は注意が必要です。

婦人科機能性疾患

婦人科機能性疾患は、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされるものです。主な原因には以下があります。

  • 黄体機能不全:プロゲステロン不足により子宮内膜が過剰に厚くなり、大量出血を伴う
  • 無排卵性周期症:子宮内膜が異常に厚くなり、過多月経につながる

これらは特にホルモンバランスが不安定な10代や閉経前後の40代後半に多く見られます。

内科的疾患

内科的疾患は全身的な健康問題が影響して過多月経を引き起こすものです。以下が主な原因です。

  • 血液凝固異常:血液疾患により出血が止まりにくくなる
  • 薬剤性の影響: 抗凝固薬や抗血小板薬などの服用によって経血量が増加する
  • 甲状腺機能低下症: ホルモン分泌異常による影響で過多月経になる

これらの疾患は婦人科検査だけでなく、血液検査や内科診察によって診断されることがあります。

過多月経をそのままにしておくと、病院で治療や検査などを受ける際に出血が止まりにくくなり、大量に出血する危険性があります。

早めに病気を見つけて適切な治療を受けることが大切です。

過多月経の治療方法

生理 量が多い

過多月経の治療方法は、症状や原因に応じて選択されます。

薬物療法から子宮内デバイスを用いた治療まで、幅広い選択肢があり、患者さんの生活スタイルや健康状態に合わせた対応が可能です。以下に代表的な治療法を解説します。

低用量ピル

低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンを含む薬剤です。子宮内膜の成長を抑えられ、経血量が減少します。

また、排卵を抑制することで生理痛の軽減にも役立ちます。避妊効果もあるため、妊娠を希望しない女性に適した治療法です。

ただし、血栓症のリスクがあるため、喫煙者や40歳以上の女性には慎重な使用が求められます。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)

NSAIDsは、プロスタグランジンという痛みや出血を引き起こす物質の生成を抑える薬剤です。これにより、生理痛の緩和とともに経血量の減少も期待できます。

非ホルモン療法として利用できる点から、ホルモン治療を避けたい患者さんにも有効な選択肢となります。

月経困難症を伴う過多月経に特に有効ですが、単独での使用では効果が限定的な場合もあるため、他の治療法と併用されることが一般的です。

ただし、胃腸障害などの副作用が起こる可能性もあるため、長期使用には注意が必要です。

偽閉経療法

偽閉経療法は、GnRHアゴニストという薬剤を用いて一時的に卵巣機能を抑制し、閉経に近い状態を作り出す治療法です。

これにより子宮内膜が薄くなり、経血量が大幅に減少します。特に子宮筋腫や子宮内膜症が原因の場合に有効です。

ただし、更年期症状(ほてりや骨密度低下など)の副作用があるため、治療期間は通常6か月以内とされています。

レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)

LNG-IUSは、子宮内に挿入するT字型のデバイスで、高濃度の黄体ホルモンを持続的に放出する仕組みです。

放出されたホルモンが子宮内膜を薄くすると経血量を大幅に減少させるほか、生理痛の軽減にも効果を発揮します。

一度挿入すると最長5年間効果が続き、避妊効果も兼ね備えています。ただし、初期には不正出血や装着時の痛みなどの副作用が起こる場合があるため注意しましょう。

過多月経を放置するリスク

生理 量が多い

過多月経を治療せずに放置すると、身体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。以下に、主なリスクを解説します。

貧血

生理の量が多く大量の出血が毎月続くと、体内の鉄分が不足し、貧血を引き起こす原因となります。貧血になると、以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 体がだるく感じる
  • 立ち上がった際にふらつきを感じる
  • 階段を上るだけで息切れを感じる

貧血は心臓に負担をかけ、重い病気につながるリスクを高めます。早めに対処することで健康を維持し、さらなる悪化を防ぐことが重要です。

日常生活への影響

過多月経は、仕事や学校、家事、育児、さらには社会活動にも大きな支障をきたします。

頻繁なナプキン交換が必要になることで外出が億劫になり、予定をキャンセルせざるを得ない場合もあります。

経血量の多さによる漏れの不安がストレスを増大させ、精神的負担を感じることは少なくありません。

また、慢性的な疲労感や集中力の低下が日常生活に影響を与え、生活の質を著しく低下させる原因となります。

これらの問題は放置すると悪化する可能性があるため、早期の対策が重要です。

不妊症のリスク

過多月経の原因となる子宮筋腫や子宮内膜症などの病気を治療しないまま放置すると、不妊症につながる可能性があります。

特に、子宮内膜が正常に機能しない状態では、受精卵が着床しにくくなります。

病気が進行して重度になると、子宮を摘出する手術が必要になる恐れもあるため、早めに婦人科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

潜在的な疾患の悪化

過多月経の原因となる子宮筋腫やポリープ、内分泌異常などの疾患を放置すると、病状が進行し、悪化する可能性があります。

これらの疾患は良性であることが多いものの、適切な治療を受けない場合、悪性化するリスクも完全には否定できません。

例えば、子宮内膜症や子宮腺筋症では、治療を怠ると経血量がさらに増加し、生理痛が激しくなる可能性があります。

定期的な婦人科検診によって疾患の早期発見を心掛けましょう。

生理の量が多いと感じたら婦人科で気軽に相談を

生理 量が多い

生理の量が多いと感じても、「病院に行くほどではない」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、婦人科を受診して症状が改善され、日常生活が楽になることも多くあります。

婦人科では、まず問診や超音波検査など簡単な検査から行います。医師は患者さんの状態や希望を聞きながら、適した治療法を提案します。

「生理の量が多い」と感じたら、一人で悩まず気軽に婦人科へ相談してみましょう。

婦人科は女性の健康管理に欠かせない存在です。気軽に相談できる「かかりつけ」を見つけておくことで、生理トラブルだけでなく将来の健康問題にも早期対応が可能になります。

一歩踏み出して、自分に合った婦人科医との関係を築いてみましょう。

まとめ

生理の量が多いと感じる場合、過多月経の可能性があります。過多月経は日常生活に支障をきたすだけでなく、貧血や不妊症などの健康リスクを伴うこともあります。

原因には子宮筋腫やホルモンバランスの乱れ、内科的疾患などが挙げられますが、適切な治療を受けることで改善が期待できます。

自分の体調や生理パターンを見直し、気になる症状があれば早めに婦人科を受診しましょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、生理トラブルや過多月経に関する相談を受け付けています。

患者様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心掛けており、問診から治療まで安心して受けられる環境をご提供します。

三軒茶屋駅から徒歩圏内で通いやすいクリニックです。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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