着床時期に現れる症状は?妊娠を確認する方法も解説

妊娠検査薬とエコー写真とかすみ草の画像

受精卵が子宮内膜までくっつく着床が起こる時期には、体にさまざまな症状が現れることがあります。

具体的には着床出血や着床痛、おりものの変化などです。

この記事では、着床時期に現れる症状について詳しく解説します。

着床したか確認する方法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

着床とは

妊娠検査薬とエコー写真の画像

精子と卵子が受精すると受精卵ができ、それが子宮までたどり着いて子宮内膜にくっつくことを着床といいます。

着床が起こるまでの期間についてですが、その前に妊娠週数の数え方を理解する必要があります。

妊娠週数は『妊娠〇〇週〇日』と表記されるもので、最後にあった生理の初日を『妊娠0週0日』として数えるものです。

排卵は月経開始から2週間ほどで起こるため、受精した時点ですでに妊娠2週ということになります。

着床は受精卵ができてから1週間〜10日程かかるため、妊娠3週目くらいに起こります。

受精から着床までの流れを簡潔に表すと以下の通りです。

  1. 受精
  2. 受精卵が子宮へ移動
  3. 子宮内膜にくっつく(着床)

正常に着床が行われると妊娠が成立しますが、子宮内膜の状態やタイミングが重要な要素となります。

また着床後には体にさまざまな変化が現れるため、それらの変化を着床のサインとしてとらえることが可能です。

着床時期に現れる自覚症状

ベッドに横になり具合が悪そうに頭を抱える女性の画像

着床時期に全員に必ず現れる症状はありませんが、以下のような体調の変化は着床時期によくみられます。

  • 着床出血
  • 着床痛
  • おりものの変化
  • 疲労感
  • 睡眠の変化
  • 胸の張りや乳首の痛み
  • 情緒不安定
  • 風邪のような症状

上記の症状はあくまでも着床時期に現れやすいとされるもので、これらの症状が現れずに着床が成立する方もいます。

症状が特に現れなくても過度に心配する必要はありません。

ここでは上記の症状についてそれぞれ解説します。

着床出血

着床出血は、受精卵が着床する際に子宮内膜が傷つけられ出血してしまう症状です。

生理予定日と似たような時期に起こるため、生理による出血と勘違いする場合もありますが、生理と着床出血には以下のような違いがあります。

着床出血生理
出血量少量多量
出血の色薄いピンクや茶色赤~暗赤色
持続期間1~2日程度 長引く場合でも3~4日程度数日~1週間程度

出血量が少量で1〜2日程度の短期間であれば着床出血を疑ったほうが良いでしょう。

着床出血は生理のように血の塊が出ないのも一つの特徴のため、その点も目安にしてみてください。

また着床時期の出血で着床出血と混同されやすいものとして、以下が挙げられます。

繊毛膜下血腫繊毛膜と子宮内膜の間に着床出血がたまることで血の塊ができる症状 血の塊が大きくなると繊毛膜と子宮内膜の間から血が漏れる場合がある
胞状奇胎胎盤を作るための繊毛細胞が異常増殖する症状 赤茶色または茶色でごく少量の出血が起こり、腹痛やつわりににた症状が伴う
子宮外妊娠卵管や卵巣、腹膜などに着床してしまうもの 鮮血色や赤褐色の少量の出血が起こり、診断が起こると大出血を引き起こすこともある
前置胎盤胎児が生まれる子宮口がふさがってしまうもの 腹痛を伴わないピンクまたは赤色の出血が起こる場合がある 出血量は個人差があり、少量の出血が数回起こる場合や大量出血する場合もある
切迫流産妊娠22週未満に出血や腹痛がある場合に診断されるもので、流産になりかけている状態のこと 出血の色は鮮血色または赤褐色で出血量には個人差がある
初期流産妊娠12週未満に起こる流産 鮮血色の出血が起こり、出血量や痛みの程度に個人差がある

上記を参考に出血量や色、痛みの程度などをみながら、必要に応じて病院を受診してください。

着床痛

着床痛は着床時期に生じる痛みのことです。

おそらく子宮の収縮が原因と考えられていますが、医学的に証明されているものではありません。

生理痛とは異なり、チクチク、ビリビリとした痛みを感じる場合が多いです。

この痛みも個人差があり、人によっては生理痛に似たような鈍痛を感じる場合や胃痛、腰痛、恥骨の痛み、お腹や胸の違和感を感じる場合もあります。

ほかの症状にもいえることですが、着床痛がないからといって妊娠していないわけではありません。

着床痛がなくても着床が成立する場合もあることを理解しておきましょう。

おりものの変化

着床時期にはおりものの色や性状、臭いなどにも変化が現れることがあります。

おりものの性状が変化する原因として、受精に伴う女性ホルモン量の増加が関わっているとされます。

具体的なおりものの変化は以下の通りです。

おりものの量おりものの量が増えることがある
おりものの色乳白色や黄色っぽく変化する 水っぽくサラサラとした状態になる
おりものの臭い酸っぱい臭いがする

量・色・臭いの変化には個人差があり、特に変化が見られない場合もあります。

疲労感

着床時期になると疲労感を感じやすくなることがあります。

これは受精に伴って女性ホルモンのプロゲステロンが増加することが一つの原因とされています。

その他にも、胎児の成長のためにエネルギーが使われるため、体内のエネルギー消費量が増えることも一因です。

疲れやすく感じたり体のリズムが変化したりといった症状が現れたら、着床している可能性が考えられるでしょう。

睡眠の変化

着床時期になると、ホルモンの分泌量が変化することで睡眠に変化が現れることがあります。

睡眠が浅くなったり寝ても寝たりなくなったりすることがあるのです。

またホルモンバランスの変化により、体がだるく感じたりやる気が出なくなったりする場合もあります。

胸の張りや乳首の痛み

妊娠初期には子宮の発達を促すための卵胞ホルモン『エストロゲン』が分泌され、乳腺組織や乳管が活性化させられます。

このエストロゲンの働きによって、着床時期に胸の張りが生じることがあるのです。

またエストロゲンだけでなく、子宮内膜を維持するために分泌される黄体ホルモン『プロゲステロン』も乳腺組織を活性化させる作用があります。

プロゲステロンよりもエストロゲンの分泌が過剰になると、胸の張りや乳首の痛みを感じることがあります。

情緒不安定

着床時期には身体的な症状だけでなく、精神的な症状が現れることがあります。

具体的には以下のような症状が現れ、自分の気持ちをうまくコントロールできなくなることがあるのです。

  • 気分が落ち込む
  • わけもなくイライラする
  • 涙もろくなる

これらは女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増えることが原因とされます。

妊娠中期になると気持ちが落ち着いてくることが多いため、リラックスして過ごしましょう。

風邪のような症状

着床時期になると基礎体温が低温期に比べて0.3〜0.5℃高い状態になる『高温期』に入り、風邪のような症状が現れることがあります。

高温期に入る原因は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の増加によるもので、これらのホルモンによって眠気やだるさが引き起こされます。

また常に普段よりも体温が高くなるため、熱っぽさや寒気などを感じることが多いです。

着床したか確認する方法

妊娠検査薬の結果をチェックする女性の手元の画像

着床したか確認する方法は2つあります。

  • 妊娠検査薬を正しいタイミングで使用する
  • 医師による診断を受ける

ここでは上記2つの方法についてそれぞれ解説します。

妊娠検査薬を正しいタイミングで使用する

妊娠検査薬を使用することで着床したか確認できますが、正しいタイミングで使用することが重要です。

妊娠検査薬は、妊娠に伴って増加するホルモン『ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)』を検出することで陽性・陰性判定をするものです。

着床してからhCGの分泌量が増えるまでに時間がかかるため、タイミングを間違えて使用すると、本当は妊娠しているのに陰性判定が出てしまうことがあります。

妊娠検査薬は生理予定日の約1週間後からの使用が推奨されているため、適切な時期まで待ってから使用しましょう。

妊娠検査薬の使い方は各製品により異なるため、付属の説明書をよく読んでから使用することが大切です。

また妊娠検査薬を使用した際に陽性か陰性かはっきりしない、分かりにくいラインが現れることがあります。

これは水分摂取量により尿が薄かったり、検査時期が早すぎたりといった原因が考えられるため、再度1週間程度の期間を空けてもう一度検査をしてみましょう。

医師による診断を受ける

妊娠や着床の確認をするためには、医師による診断を受ける必要があります。

産婦人科では血液検査によるhCGの測定や超音波による胎児の観察などが行われ、妊娠の進行状況に合わせて必要な検査やケアが受けられます。

さらに妊娠の確認だけでなく、患者さんの健康管理や症状の管理、予防策の提案などが行われるため、健康的な妊娠をサポートしてもらえるのです。

また妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診する方が多いと思いますが、受診するタイミングとしては最後にあった生理の初日から数えて5〜6週頃を目安にするとよいでしょう。

妊娠5〜6週頃になるとエコー検査で胎児の心拍が確認できるようになり、分娩予定日も決定できます。

早すぎると胎児の心拍が確認できない可能性が高いため、妊娠5~6週頃まで待ってから受診することをおすすめします。

まとめ

着床時期に現れる症状として、着床出血や着床痛、おりものの変化、疲労感、情緒不安定などが挙げられます。

これらの症状は着床時期に比較的見られやすい症状ではあるものの、これらの症状が現れないからといって着床していないわけではありません。

今回解説したような症状が現れなくても着床する方はいるため、目安程度に覚えておくと良いでしょう。

着床したか確認する方法としては、妊娠検査薬の使用が有効です。

生理予定日の約1週間後を目安に、各製品に付属の説明書をよく読んで正しい方法・タイミングで使用しましょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは婦人科専門医としての経験を活かし、患者さんと一緒に相談しあいながらより良い治療を提供しています。

妊娠についてお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

#妊活 #不妊治療 #着床

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