生理は何日遅れたら受診すべき?生理不順の原因とチェック方法

生理がこなくて不安になっている、何日遅れたら受診すべきかわからないという人は少なくありません。
生理の悩みは人に話しにくいこともあり、婦人科に行くのもためらってしまうなど、一人で抱え込んでしまうことも珍しくありません。
この記事では、生理が何日遅れたら受診すべきかの目安や生理が遅れる原因などについて詳しく紹介します。
生理が遅れていて不安に思っている方、受診すべきか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
正常な生理の周期と期間

生理に関しては、人と比べにくいデリケートな話題なので不安になりやすいですが、正常な生理期間や周期を知ることで、受診すべきかどうかの判断材料にもなります。
正常な生理とは、生理周期が25~38日、生理期間が3~7日の場合を指します。
1回の経血量は20~140mlが正常とされています。
生理の周期、期間、量は個人差があり、ホルモンバランスなどにより毎月変化することも多く、1週間程度のずれであれば、ほとんど問題がないと言われています。
20代以下では、まだ身体が成熟していないため生理周期や期間、量が不安定であることが多く、生理が遅れていても問題視されることはほとんどありません。
20代以上になると安定しますが、40代以上では更年期や閉経の影響で生理周期や期間がバラバラになり、量も不安定になることも珍しくありません。
生理が遅れる原因

生理が遅れるのには、さまざまな原因があります。
ここでは、生理が遅れる原因となる7つの項目について解説します。
生理不順
生理周期や期間は人それぞれですが、正常な周期や期間を外れ、乱れがあることを生理不順と呼びます。
生理不順は、前回の生理開始から24日以内で生理がくる頻発月経、逆に39日以上になる稀発月経、生理期間が1週間以上続く過多月経、生理が3日以内で終わる過少月経の4種類に分類されます。
4種類の生理不順のなかで、生理が遅れる場合は稀発月経と呼ばれます。
生理周期が39日以上になると稀発月経に分類され、3か月以上生理がこないと続発性無月経と呼ばれます。
20代以上でこの状態の場合は、ホルモンバランスの乱れのほかに子宮や卵巣、甲状腺などの病気が疑われることがあります。
生理が3か月以上こない場合は、婦人科を受診することが大切です。
ストレス
人間関係などでの精神的ストレスや、疲れや寝不足などでの体へのストレスを感じていると生理が遅れる場合があります。
ストレスを感じると、女性ホルモンを分泌させる脳からの指令をブロックするため、卵巣からの女性ホルモン分泌が不安定となり、生理が遅れたりこなくなったりします。
急激な体重変化
短期間で急激に体重が変化すると、ホルモンバランスが乱れて生理が遅れる場合があります。
痩せすぎも太りすぎも生理に影響を及ぼし、特に3~6か月程度の短期間で大きく体重が変動すると注意が必要です。
目安として、BMIが17未満が痩せすぎ、25以上が肥満となり生理に影響をきたす可能性が高くなります。
BMIの計算方法は、BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)です。
体重と身長を計算式にあてはめて、体格が生理に影響をきたすものではないかを調べてみましょう。
過度の運動
過度の運動は、生理が遅れる、生理がこなくなる原因となります。
スポーツをしている女性の生理の遅れの原因は、食事から得ているエネルギーと運動量が見合っていないため、エネルギー不足の状態になることです。
エネルギー不足の状態が長く続くと、脳からのホルモン分泌がストップして生理不順や無月経を引き起こします。
妊娠
生理周期が比較的安定していて、生理予定日から7日以上遅れている場合は妊娠の可能性があります。
生理が遅れている以外の妊娠の兆候は以下のようなものがあります。
- 生理よりも少量の出血
- 水っぽいおりものの増加
- 腹痛や張りなど腹部の違和感
- 腰痛
- 胃のもたれ
- 吐き気やげっぷ
- だるさや頭痛
- 胸が張る、胸のチクチクとした痛み
- 頻尿
- 便秘もしくは下痢
- イライラ、情緒不安定
- 肌荒れや口内炎
- 足のむくみ
- 食欲の変化
- 慢性的な眠気
- 嗅覚が敏感になる
- 体温上昇
市販の妊娠検査薬を使うタイミングは生理予定日から7日以上経過してからにしましょう。また、陽性判定が出た場合は必ず病院を受診してください。
閉経が近い
閉経の平均年齢は50歳前後で、閉経前には生理周期は不安定になることがほとんどです。
個人差はありますが、生理が2~3か月に1回になることもあります。
しかし、閉経前の生理不順だろうと思っていたら実は病気だった、という可能性もあるため、40代以上で生理が遅れている場合も病院を受診しましょう。
病気の可能性
卵巣のはたらきに問題がある、女性ホルモンを司る脳下垂体の腫瘍、内科の病気でも生理が遅れることがあります。
主な病名は、以下のとおりです。
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 高プロラクチン血症
- 甲状腺機能異常症
多嚢胞性卵巣症候群は、卵胞が十分に成熟できないまま卵巣内にとどまってしまう病気です。生理の遅れ以外の症状としては、肥満、ニキビができる、毛深くなることがあります。
高プロラクチン血症は、脳の下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンの分泌量が過剰になり、生理の異常や乳汁の漏出、頭痛、眼筋まひなどが生じる病気です。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌、分泌が低下することで起こる甲状腺機能異常症も、生理の遅れの原因になります。
甲状腺機能異常症になると、生理の遅れ以外に体温が高い、暑い、やせる、脈が速くなる、下痢気味、落ち着きがなくなる、情緒不安定などの症状が見られます。
生理が何日遅れたら病院に行けばいい?

生理が何日遅れたら病院に行けばいいのかわからず、迷っている方もいるかもしれません。
ここでは、生理が遅れた場合の受診目安を紹介します。
今回だけ1週間程度遅れている
1週間程度の遅れであれば、特に問題ないことがほとんどです。
しかし、妊娠の可能性がある場合は、まず市販の妊娠検査薬で検査を行ってみましょう。
妊娠検査薬は生理予定日から7日経過してからの使用が推奨されており、正確な結果を得やすくなります。
妊娠検査薬で陽性が出た場合は、できるだけ早めの受診がおすすめです。
生理周期が不規則だが3ヵ月以上あかない
生理周期が不規則であっても、3か月以上期間があかない場合は、大きな問題がないことが多いですが、念のため婦人科を受診してください。
特に20代以上の場合は、婦人科疾患の可能性も考えられますので、原因を突き止めるためにも受診するのが安心です。
3か月以上生理が来ない
3か月以上生理が来ない場合は、無排卵の可能性があり、将来の不妊や病気につながることがあるため、早めに婦人科を受診しましょう。
ただし、初潮から2~3年の間であれば、もう少し様子を見ても大丈夫なケースがほとんどです。心配であれば受診しましょう。
半年以上生理が来ない
半年以上生理が来ない方は、女性ホルモンの分泌に問題がある可能性が高いです。
年齢にかかわらず、早めに婦人科を受診しましょう。
ダイエットや過度の運動で生理がこない
急激な体重変化や過度の運動で生理がこなくなった場合や、スポーツをしていて15歳になっても初潮が来ない場合は、すぐに婦人科を受診してください。
無排卵の可能性があり、長く続けると不妊症や骨密度の低下にもつながります。
ホルモンバランスの乱れをチェック

生理が遅れる原因の多くは、ホルモンバランスの乱れだといわれています。
ホルモンバランスが乱れていると、生理の遅れ以外にもさまざまな症状を引き起こします。
以下のチェックリストでホルモンバランスが乱れているかセルフチェックしてみましょう。チェックが多ければ多いほど、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。
- 顔がむくみやすい
- 寝つきが悪い
- イライラしやすい
- 肌が荒れやすい
- 髪がパサつく
- 疲れが取れにくい
- 肩こりや腰痛がある
- めまいや立ちくらみがある
- ストレスが多いと感じる
- 過度なダイエット経験がある
- 野菜をあまり摂らない
- 冷たい飲み物をよく飲む
- 睡眠時間が不規則である
- 運動不足だと感じる
- 気分が落ち込みやすい
- 食生活が偏っている
- 甘いものをよく食べる
- 肌や髪に潤いがない
- 生活が不規則である
ホルモンバランスの乱れは、婦人科に相談することで改善につなげられます。
また、ストレスをためない、規則正しい生活を送る、食事を和食中心にし栄養バランスを整えるといった日常生活の改善も、ホルモンバランスの安定のために大切です。
生理の遅れを放置するとどうなる?

生理が遅れたまま放置していると、思わぬ病気を引き起こすことになります。
ちょっと遅れているだけだと自己判断せず、婦人科で相談しましょう。
女性ホルモンの分泌が乱れると起こる病気
生理が遅れている状態は、女性ホルモンの分泌が不安定になっている可能性があります。
女性ホルモンの分泌に乱れが生じると、子宮が正常に発育しなくなる、骨折しやすくなる、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを高めるなど身体への悪影響があります。
妊娠しにくくなる
生理の遅れを放置していると、不妊につながります。
生理が遅れている、不安定な状態は、排卵が規則正しく行われていないサインの可能性があります。
排卵が規則正しく行われないと、妊娠のタイミングの把握がむずかしくなります。
また、生理の遅れの原因が多嚢胞性卵巣症候群などの病気である場合、そのままの状態を放置すると不妊になる可能性があります。
がんのリスクも
3か月以上続く無月経の場合、エストロゲンというホルモンの分泌が過剰になっている状態だと子宮内膜が影響を受け、子宮体がんのリスクが上昇します。
子宮体がんは命にもかかわる大きな病気で、早期発見の場合は完治する見込みがあり、予後もいいとされています。
たかが生理の遅れとあなどらず、早めの受診をおすすめします。
生理の遅れで受診した場合の検査内容

生理の遅れで婦人科を受診する際は、一般的に以下のような検査を行います。
- 問診
- 採血によるホルモン検査
- 超音波検査
- 子宮がん検診・性感染症検査
基礎体温をつけている方は、排卵があるかどうかの判断や生理周期の把握に役立つため、婦人科にも持参しましょう。
費用は一般的に初診料、検査代、薬代を入れて10,000円程度です。
まとめ
生理の遅れにはさまざまな原因があり、なかには命にかかわる病気が隠れていることもあります。
生理の遅れを感じた際は、早めに婦人科を受診しましょう。
特に、3か月以上生理がこない場合や過度な運動・ダイエット後に生理がこない場合は注意が必要です。
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生理が遅れて不安を抱えている方は、ぜひ『三軒茶屋ウィメンズクリニック』へご相談ください。