生理が予定日より早く来た!生理周期が早いときに知りたいこと

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初潮を迎えてから数年も経つと、何もしなくても自分の生理周期がどれくらいか、なんとなくわかってくるものです。

きっちり何日と決まっている人はもちろん、毎月バラバラで乱れている人も、それ自体が自分の生理周期だと把握できます。

そのため、予定していた日から、1週間、2週間早く生理が来たら疑問に思う方が多いでしょう。

たまたまなのか、ずっと続くのか、自分のからだは大丈夫なのか、不安になるかもしれません。

生理周期が多少前後するのは、よくあることですが、どれくらいなら誤差の範囲なのか、改善することができるのかは気になるところです。

この記事では、生理が早く来る原因や、対処法などを解説していきます。

生理のしくみ

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まずは、女性ならほぼ毎月ある生理のしくみについて説明します。

約1か月ごとに、卵巣から卵子が排出(排卵)され、受精の準備をすると同時に子宮内膜が厚く成長し、受精卵を待ちます。

排卵された卵子が受精しなかったら、子宮内膜が血液とともに剥がれ落ちて体外に排出されるものが生理です。

女性のからだは毎月排卵して受精卵を待ち、妊娠の準備をしているといえるでしょう。

生理周期とは

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1回の生理周期は、生理が始まった初日を1日目として数えて、次の生理が始まるまで何日続いたかの日数のことです。

生理周期は、女性ホルモンが影響してコントロールされ、大きく4つの時期に分類されます。

以下のサイクルが約1か月ごとに繰り返されることにより、生理周期が決まってきます。

増殖期(卵胞期)

妊娠(受精)の準備を整えている時期です。

卵巣にある卵胞が、脳の下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンに刺激を受けて成長していきます。

成長した卵胞から、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されて、子宮内膜の厚みも増していくのが特徴です。

1か月の中で比較的過ごしやすいためからだの調子も良く、精神的にも安定しています。

排卵期

成熟した卵胞から卵子が排出(排卵)される時期です。

排卵の直前には卵胞ホルモンの分泌がピークになり、今度は下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が放出されます。

34~36時間後に排卵がおこり、妊娠しやすい時期です。

急激にホルモンの変化があるため、からだに負担がかかりやすく、むくみや腰痛、めまいなどの体調不良が引き起こされることがあります。

排卵時におなかが張るような痛みが出たり、ごく少量の出血があったりしますが、病気ではありません。

分泌期(黄体期)

受精した卵子を迎え入れるために、子宮環境を整えている時期です。

排卵が終わった卵胞からは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、子宮内膜が柔らかく厚く変化していき、妊娠に適した環境にするため、水分と栄養素をため込もうとします。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は基礎体温を高める効果があり、排卵期から分泌期に変わる際に体温も高温期に変わってきます。

イライラしたり憂鬱になったりと精神的な不調、眠気や不眠、頭痛、肌荒れなどの生理前の不快な症状が現れるのもこの時期です。

月経期

子宮環境をリセットする時期です。

妊娠しなかった場合、準備していた子宮内膜は不要となり、血液とともに体外へ排出され、これが経血となり生理が始まります。

正常な生理周期

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一般的な生理周期は、25日~38日間です。

前回の生理が始まった日から数えて、予定していた日からこの期間内で一週間以内のずれならば、気にしなくてもいい範囲です。

例えば今回だけ予定日より5日早いからといって、すぐに病気を疑うことはありません。

ただ、前までは違ったのに、気づいたら生理が早く来ることが続いているなど、心配な場合は記録をとってみましょう。

その結果、25日よりも早い生理が何か月も続くようならば、生理不順なども考えて一度病院で相談してみてください。

頻発月経とは

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正常の生理周期よりも短い期間で生理が来る状態のことです。

通常25日のはずが、5日早い20日周期になったら、1か月に2回生理がきてしまいます。

出血が多くなることにより貧血症状がおこると、吐き気、めまい、立ちくらみなどの症状が出ることもあり、日常生活に支障をきたすことも考えられるでしょう。

生理がすぐ来ると感じる方は、頻発月経の可能性もあります。

頻発月経の原因

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生理が予定日よりも早く来る原因としてさまざまな症状があるので紹介していきます。

卵巣機能の低下(無排卵)

生理が来ていても、排卵がないため妊娠の可能性がない状態です。

基礎体温は、低温のままで高温期がないのが特徴です。

卵巣機能が成熟していない思春期(10代頃)や、授乳期間、卵巣機能が低下し始める更年期に多くみられます。

生理が始まってすぐの思春期では、女性ホルモンのバランスが整うまで時間がかかるため、生理周期が安定していませんが、成長により女性ホルモンが安定し、排卵も安定してきます。

更年期の場合は、閉経が近づいてくると女性ホルモンが減少し、生理周期が短くなったり長くなったりと安定せず、だんだん周期が長くなってきてゆっくりと閉経していきます。

その間排卵も安定していないため、生理周期も乱れてきます。

ストレスや体重の急激な変化

強いストレスを受けると、脳下垂体はストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモンを分泌し、その代わりに女性ホルモンが不足し、生理周期や排卵に影響を及ぼす可能性があります。

女性ホルモンが乱れると、生理だけでなくからだへの影響は大きいため、ストレスを軽減するよう気を付けて過ごしましょう。

また、急激な体重の増減なども、生理周期に影響してきます。

特に過度なダイエットで急激に体重を落とした場合、生理日を早めるどころか、生理が止まってしまうこともあるほどからだへの負担がかかるため、無理のない範囲での適度な食事と運動で健康的なダイエットを心がけましょう。

逆に急激に体重が増えてしまうのも、からだへ負担がかかります。暴飲暴食は控え、大きな体重の変化がないように気を付けてください。

病気

何らかの病気が原因で生理周期が早くなってしまうことがあります。

病気の兆候がみられたら、すぐに受診しましょう。

黄体機能不全

黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が不足している状態のことです。

通常なら排卵後に黄体ホルモンの分泌量が増えて、子宮内膜を成長させますが、分泌量不足により充分な子宮内膜の成長ができず、黄体期が短くなることで生理周期が早まってしまいます。

黄体ホルモンは妊娠を可能にするだけでなく、妊娠継続にも重要なホルモンで、不足すると流産しやすくなるなど妊娠に大きな影響を与えます。

黄体機能不全は、血液検査によるホルモン検査の他に、基礎体温の変化で発見できることもあるため、不安な方は基礎体温をはかってみましょう。

低温期と高温期の差が0.3℃以下、高温相が10日以内(正常だと14日)、低温相から高温相に移る期間が3日以上かかる、高温期に体温が低下するなどの徴候がみられた場合は、病院へ相談してください。

卵胞期短縮症

通常10~16日間続くはずの増殖期(卵胞期)の期間が短い状態のことです。

生理周期の短かさや排卵の不規則性、妊娠しづらいなどの症状があります。

卵胞期が短いため、妊娠の準備をする期間が短く、受精に適した卵子が上手く育たないことが多くなります。

基礎体温の低温期が短くなり、高温期も長続きせず、生理周期自体が早まることが特徴です。

血液(ホルモン)検査、基礎体温、超音波検査などを組み合わせ、超音波検査では、卵巣の構造や卵胞の発育を確認でき診断の助けになるため、受診の際は用意しておくといいでしょう。

甲状腺の病気

30~40代の女性で生理周期が早まる傾向にある場合は、甲状腺の病気の可能性があります。

甲状腺ホルモンが働きすぎる「甲状腺機能亢進症」(バセドウ病)や、逆に甲状腺ホルモンが減少する「甲状腺機能低下症」は、生理不順の症状を含みます。

これらは真逆の病気で、症状もさまざまです。

いつもと違う体調の変化がおきたら、まずは受診し、医師に相談してください。

生理ではなく不正出血の可能性

ホルモンの異常や病気で、生理ではない不正出血がおきている可能性もあります。

大量の鮮血が出たり、おりものに少量の出血があることも、不正出血となります。

妊娠による着床出血

受精した卵子が子宮に着床したときに出血します。

生理予定日の1週間から数日前に出血するため、生理が早まったと勘違いすることがありますが、少量の出血で、2~3日程度で終わります。

排卵による不正出血

排卵時に出血することもあり、予定日の二週間前の出血の場合は排卵出血の可能性があります。

出血量が少なく、茶色や薄い赤色で、期間は一日程度の短期間です。

また、無排卵でも子宮内では妊娠の準備として子宮内膜で変化がおこっていて、女性ホルモンの分泌により不要になった子宮内膜は体外に排出されます。

生理予定日に関係なくおこるため、生理が短くなることもありますが、一週間以上続くこともあり、生理と間違いやすい出血です。

排卵がない無排卵出血は、生理のような出血は茶色や赤黒く、生理痛が少ない傾向にあります。

病気による不正出血

子宮頸がん、子宮体がん、子宮内膜症、子宮筋腫など、病気が原因の不正出血もあります。

膣炎や子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープなどの場合、性交時の出血になります。

生理周期を整える方法

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女性のからだはデリケートで、生理周期は少しのことで乱れることがあります。

自分のからだの状態をきちんと把握し、ホルモンバランスを整えることで、生理周期の乱れも整えられる方法をご紹介します。

病気が原因の場合は、まずは病院へ相談することを優先してください。

基礎体温をつける

生理周期を把握し、予定日がわかるようになるだけでなく、排卵のおこる時期もわかります。

婦人体温計を使用し、正確な数値の計測をしましょう。

朝目覚めてすぐ、横になった安静状態のまま測ります。

月経期~増殖期(卵胞期)は低体温、排卵期~分泌期(黄体気)は高体温となります。

その差は0.3~0.5℃ほどなので、きちんと記録してグラフにすればわかりやすいでしょう。

続けていれば普段と違うなどの体調の変化に気付きやすく、少しでもおかしいと思ったらすぐに受診することへも繋がります。

病院への相談の際も、基礎体温を付けていれば診断のめやすとなります。

ストレスを発散する

自分にとってのストレスを理解し、ためこまないようにしましょう。

例えば、ストレスが溜まっていると感じたら軽い運動を取り入れるのがおすすめです。

運動することで血流も良くなり、自律神経を整えるとホルモンバランスも良くなります。

軽い有酸素運動やヨガなど、自分に合った方法を見つけてみてください。

バスタイムを充実させる、アロマを試してみる、友人とおしゃべりするなど、ストレス解消法は人それぞれです。

自分に合ったストレス発散方法を見つけて、ストレスを溜め込まないことが重要です。

食事や睡眠の改善

食事のバランスが偏っていたり、睡眠を充分にとれていなかったりすると、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性があります。

食事と睡眠に気を付けて、健康的な生活を送るように心がけると、ホルモンバランスが安定して生理周期を整えることに繋がります。

まとめ

生理が早く来たときに考えられる原因は、いくつかあるため自分がどのタイプに当てはまるのかわからない方は、まずはストレスをためないことでホルモンバランスを整えましょう。

体調の変化に気付けるように、基礎体温表を付けて、生理周期を把握することをおすすめします。

毎月生理が早く来ることが続く、二週間も早い、生理がすぐ来るなど、おかしいと感じたら病院へ相談してください。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医をはじめとする資格を持つ院長を中心とし、スタッフと共に安心してご相談いただける女性のライフパートナーとしての婦人科をめざしております。

生理が早く来て不安などのお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽に三軒茶屋ウィメンズクリニックへご相談ください。

#生理 #生理周期 #頻発月経

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