生理の出血量が急に少なくなった!20代の女性によくある症状と病気を解説

お腹の前でハートマークを持つ女性の画像

生理の血が少なくなると、人によって感じることは違うものです。

出血量が少ないと、『楽になって良かった』と思う人もいるかもしれません。

ただ、ナプキンを替える必要がないほど少なくなったら、不安になることもあり、そこに病気が隠れている可能性も考えられます。

自分の生理の状態を理解して、病気かもしれないとチェックしてみてください。

この記事では、主に20代の女性が生理の出血量が急に少なくなった、出たり出なかったりするようになったなどの症状について解説していきます。

過少月経とは

ナプキンの上に赤い花が乗った画像

生理の出血量が異常に少ない症状を、過少月経と呼びます。

過少月経は、出血が多いとされている2日目でも、ナプキンにほんの少しの血が付く、またはおりものシートで済む程度の出血しかない状態が目安です。

排卵が安定していない10代や、更年期でホルモン分泌が乱れる40~50代は、生理自体が安定せずに過少月経となることもありますが、多くは自然なものなのでほとんど心配いりません。

しかし、20~30代の女性の場合、からだの機能は成熟しているため、過少月経となるのはなんらかの原因がある可能性があります。

生理の出血量はなぜ変わるのか

女性生殖器が書かれたカードと「menopause...」と書かれた黒いカードと時計の画像

出血量はホルモンバランスにより変化します。

生理をつかさどる女性ホルモンの分泌が減ると、卵巣の働きや子宮内膜の成長を妨げて、過少月経になったり、生理不順になったりします。

女性ホルモンは、ストレスや環境の変化に影響されやすく、毎月状況は変化するものです。

正常な出血量は1回20~140mlとされていて、それより少ない状態が過少月経となります。

急に出血量が目に見えて減ったときは、いろいろな原因を探ってみましょう。

病気の可能性

お腹を押さえる女性の画像

過少月経の原因には、病気の可能性も考えられるので注意が必要です。

ここでは、生理の出血量が少なくなる症状を含む病気について解説します。

多嚢胞性卵巣症候群

排卵障害のひとつで、卵巣に多数の嚢胞(袋状の病変)ができてしまい、排卵がうまくいかず生理周期が35日以上になるなど月経異常を引き起こします。

子宮が成熟しにくいことが原因で生理の出血が少なくなり、これが無排卵や不妊の原因にもなります。

また、男性ホルモンが多くなる症状もあるため、多毛になったりニキビができやすくなったりしたら、病気のサインかもしれないと注意しましょう。

甲状腺機能異常

甲状腺に慢性的な炎症がおきて機能が低下する甲状腺機能低下症(橋本病)は、20代や30代の若い女性に発症しやすい病気です。

甲状腺ホルモンの分泌が少なくなると、女性ホルモンの分泌にも作用してしまいます。

女性ホルモンのプロラクチンという授乳中に分泌される排卵抑制効果があるホルモンが促進され、授乳中のように子宮内膜の成長が不十分になり、生理の血が少なくなります。

また、甲状腺の働きが異常に増加するのは、(バセドウ病)という病気です。

血液を止める凝固因子という物質が活発になり、子宮内膜が剥がれてもすぐに血が止められてしまい、生理が短く出血も少なくなる傾向にあります。

黄体機能不全

卵巣にある黄体という器官から、十分なホルモン分泌が行われなくなる病気です。

黄体は、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンを分泌して子宮内膜を厚く成長させ、発達と保持をする役割を持っています。

エストロゲンやプロゲステロンの分泌がうまくいかず、生理周期が短くなったり、不正出血があったりが、黄体機能不全の特徴です。

子宮内膜の成長を妨げる要因にもなり、その結果生理の出血量が減ることになります。

子宮腔癒着症

アッシャーマン症候群とも呼ばれ、子宮内膜が炎症をおこし、組織同士が癒着してしまう病気です。

流産手術や帝王切開、分娩後の処置などの際に行われる子宮内での人為的な手術や結核菌による感染が原因とされていて、他に子宮内膜炎の後遺症でもこの病気は発症します。

子宮腔癒着症は子宮の活動が制限されてしまい、排卵が正常におこっていても子宮内膜の成長が十分でないため、生理の血が少なくなりがちです。

痛みなどの自覚症状はほとんどなく気付きにくい病気ですが、着床不全や流産など不妊の原因にもなるため、異変を感じたら早めの治療が必要になります。

子宮発育不全

子宮が正常に発育しない病気で、先天性と後天性があります。

先天性の場合は子宮低形成となり、生まれつき子宮が小さかったり形態異常があり、卵巣機能も未熟です。

後天的な発育不全は何らかの理由により卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が不十分になります。

生理不順や不妊になりやすく、子宮内膜の成長もしづらいため、生理の出血量は少なくなります。

下垂体線種

脳の下垂体にできる腫瘍のことで、多くの場合は良性です。

いくつかの病型の中でもプロラクチン産生線種は若い女性に多くみられ、卵巣からの女性ホルモン分泌を過剰に促します。

ホルモン分泌のバランスが乱れプロラクチンが過剰に分泌されると、からだが妊娠時と同じような状態になり卵巣機能の働きを抑えてしまい、その結果生理の出血量が減ることになります。

生理不順や不妊の原因にもなりますが、内服薬の治療が可能です。

病気以外に考えられる原因

パソコンを見て少しショックを受けた様子の女性の画像

今まで正常な出血量だったのにもかかわらず、急に少なくなったら不安ですが、原因を知っていれば対処もしやすいでしょう。

ここでは病気以外の原因について解説します。

ホルモンバランスの乱れ

生理はエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが分泌されることによっておこりますが、分泌量が乱れると子宮内膜を充分に厚く成長させることができず、出血量が減少してしまいます。

女性ホルモンが乱れやすい原因はいろいろありますが、特に影響のあるのが以下の2つです。

ストレスや生活リズムの乱れ

卵巣にホルモンの分泌を促す脳の下垂体は、ストレスによるダメージを受けやすく、ホルモン分泌に影響して、月経不順を招きます。

精神的なストレスだけではなく、睡眠不足や食生活の乱れで生活リズムが崩れることも、ストレスに繋がります。

自分にとって何がストレスになり得るのかを自覚し、原因を取り除く工夫をしましょう。

こころとからだがリラックスできるよう、仕事や家事、育児などとプライベートを分けてゆっくりできる時間を確保してみてください。

過度なダイエット

20代女性だと、美容に興味をもちダイエットをする方もいますが、過度なダイエットは、女性ホルモンに大きな影響を及ぼします。

体重の減少が5kg以上など一気に減量してしまうと、排卵が乱れたり卵巣機能が低下してしまい、無月経になってしまうと危険です。

過剰な食事制限や過剰な運動など、かえって疲労やストレスになることもあります。

体脂肪が15%以下になると、無月経も発症しやすくなるため、痩せすぎには注意しましょう。

また、生理が始まったり止まったりが続くと、将来の妊娠への影響も考えられます。

生理は女性にとって必要なことでもあるので、過度なダイエットは控えましょう。

妊娠

生理と思われる少量の出血が出たり止まったりと安定しない場合は、妊娠の可能性もあります。

正常な妊娠でも少量の出血がみられるケースがありますが、子宮内膜以外の場所に着床してしまう『異所性妊娠』の場合、特に不正出血を伴う可能性があります。

不正出血は、時期によっては生理と勘違いしてしまうことも少なくありません。

少量の出血とともに急激な腹痛がおこった場合は、異所性妊娠の可能性もあり、放置するとおなかの中で大量出血してしまうこともあるためすぐに婦人科を受診しましょう。

受診すべき症状

病院の受付で紙に記入する女性の画像

過少月経は日常生活に支障が出にくいため、病院へいくほどなのかと迷うことも多いかもしれません。

目安として以下のような症状がある方は、一度受診し医師へ相談してみましょう。

  • 下腹部の痛みがある
  • 生理期間を通してナプキンを変えなくてもいい程度の出血量
  • 生理期間が2日以内の状態が数か月続く
  • 妊娠希望なのに、2年以上妊娠しない

下腹部の痛みは、何らかの病気で子宮から出血しづらい状態になっている可能性もあります。

また、生理2日目にナプキンを定期的に替える必要がある出血量があれば、正常の範囲です。

婦人科系の病気は初期症状が分かりづらいものが多いですが、生理の出血量が少ないことと、これらの症状が同時にある場合は、受診することをおすすめします。

病院ではどのような検査と治療をするのか

家と形をした積み木と聴診器の画像

いざ病院へ行っても、どういう流れで検査や治療をしていくのかも、わからないままだと不安です。

受診のときは問診があるため、基礎体温表があると、排卵の有無がわかりやすいでしょう。

検査から治療が一般的にどのような流れで進むのか、紹介していきます。

検査の内容

生理の血が少ないという症状の場合、超音波検査や尿検査、血液検査(ホルモン検査)をおこない、子宮や卵巣の異常がないか確認します。

血液検査(ホルモン検査)では、女性ホルモンの分泌を促す性腺刺激ホルモンや、排卵を抑制するプロラクチンの分泌量についてもわかります。

過少月経の原因を見つける検査が終わったら、次は治療の段階です。

治療方法

原因により、治療方法もさまざまです。

原因治療方法
女性ホルモンの分泌量ホルモン剤治療
無排卵排卵誘発剤治療
子宮や卵巣の組織や細胞の変化による病気手術

症状が軽度と診断されるときは、手術は不要となることもあります。

また、妊娠希望の有無によって、治療の進め方は違ってくるため、自分の意思をしっかり伝えましょう。

まとめ

生理の血が急に少なくなると、最初は楽だと思うかもしれませんが、何ヵ月も続くと不安になってしまいます。

過少月経という症状には、ストレスや過激なダイエット、そして病気などの原因があります。

もしも一時的ならば、生活習慣を見直してこころとからだを平穏に保ってみてください。

基礎体温を付けてみて排卵が周期的に来ていることがわかれば、問題ないことも多いですが、出血量が異常に少ないと感じることが何ヵ月も続いたり、痛みを伴ったりする場合は、医師へ相談しましょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医をはじめとする資格を持つ院長を中心とし、スタッフと共に安心してご相談いただける婦人科を目指しております。

生理の出血量が急に少なくなったなどで心配な方は、三軒茶屋ウィメンズクリニックへお気軽にご相談ください。

#生理 #月経 #出血量 #過少月経

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