月経が頻発するのはなぜ?原因や治療法について解説

ベッドでお腹を押さえる女性とカレンダーの画像

女性なら誰しもが経験する月経ですが、月経周期の乱れは健康を脅かす疾患の前触れである可能性があります。

では、月経が頻発するのにはどのような原因があって、どのような対処が必要なのでしょうか。

この記事では、月経が頻繁に起こる理由や対処法などについて紹介します。

月経の周期が早いことで悩んでいる人や、頻発する月経によって将来の妊娠に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。

月経の頻度が多いのはなぜ?

ベッドに座って右手はお腹を押さえて、左手で頭を抱える女性

周期を無視して月経が頻回するのには、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れや卵巣機能の低下、子宮や卵巣の病気など、さまざまな原因が挙げられます。

月経には、女性ホルモンや卵巣刺激ホルモンが大きく影響しますが、ストレスなどの要因でこれらのホルモンに分泌異常が起きると、生理周期が短くなる原因になります。

思春期や更年期の女性はホルモンバランスが乱れやすく、特に目立った要因がなくても月経が頻発するケースは少なくありません。

その他、卵巣機能の低下による無排卵症も月経が頻発する原因になる場合があります。

こちらも同様に、思春期や更年期の女性によくみられる症状で、生活習慣の乱れや服用している薬が原因の場合もあれば、多嚢胞性卵巣症候群を引き起こしていることが原因となっているケースもあります。

頻発月経とは?

スマートフォンで2ヶ月分の月経日の記録を見せる手元の画像

月経周期が24日以下の短い間隔で繰り返す月経を頻発月経といいますが、頻発月経の原因はおもに以下の3つです。

月経終了から排卵までの期間が短い

月経が終了してから排卵までの期間が短くなることで、頻発月経が起こる場合があります。

なんらかの要因で女性ホルモンの分泌が乱れると、卵巣刺激ホルモンが過剰に分泌されることで卵子の成熟が促進され、排卵が早まる可能性があります。

このメカニズム自体は異常なものではなく、これだけで病気とは断言できませんが、頻発する月経が原因で貧血を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

排卵から月経開始までの期間が短い

排卵と月経開始のあいだの期間である黄体期が短くなることで、頻発月経を引き起こす場合があります。

黄体期が短くなる原因として、卵巣刺激ホルモンや女性ホルモンの分泌異常やストレスのほか、黄体機能不全などの病気が疑われます。

子宮内膜の成熟にうまく作用できなくなることで、不妊や流産につながるリスクが高まるため、妊娠を希望する女性は特に治療が必要です。

排卵が起こらない

なんらかの疾病や不具合によって卵胞が正常に育たなかったり、無排卵周期症を引き起こすことで排卵に異常をきたしたりすると、頻発月経につながる場合があります。

無排卵周期症は、思春期や更年期、授乳期に発症すると治療の対象にならないケースもありますが、不妊の原因になるほか、長期的な罹患によって骨粗鬆症や子宮体ガンを発症するリスクも懸念されます。

月経周期の乱れ以外に自覚症状がないことが多いとされる無排卵周期症ですが、少ない経血の量で月経が長引くのが特徴です。

正常な月経の特徴

あぐらをかいて、手で持ったハートマークを下腹部にかざしている女性の画像

月経には基本的に個人差がありますが、周期や1回の日数、経血の量には、正常とされる基準値が設定されています。

周期が25~38日である

月経の正常な周期は25〜38日とされていますが、毎回全く同じ間隔でなくても±6日程度の差までは心配ありません。

月経不順には頻発月経のほかに、月経周期が39~89日と長く頻度が少なくなる希発月経や、90日以上月経がみられない無経などがあり、いずれの場合も身体になんらかの異常が起きている可能性があります。

月経の周期は、排卵から月経開始までの日数と月経開始から次の排卵までの日数の合計です。

例えば、排卵から約14日間後に月経が始まって、月経開始から約16日間後に排卵が起こる人の場合、月経周期は30日となります。

つまり、排卵のリズムが乱れることで月経周期も乱れるため、月経周期は排卵に異常がないかを表す指標として非常に重要です。

日数が3~7日である

連続した3〜7日が約1ヶ月に1回来るのが正常な月経の日数だとされていて、平均すると約5日ほどです。

また、1回の月経の日数が2日以内だと過短月経といい、8日以上だと過長月経といいます。

いずれの場合も、妊娠に影響を及ぼす疾病が原因となっている可能性があるため、月経の日数が1度でも乱れた場合は婦人科を受診しましょう。

月経1回あたりの経血量があわせて20~140mlである

月経によってみられる出血量には個人差がありますが、月経1回あたりの正常な経血量は合計で20〜140mlであるとされています。

1回の月経で排出する経血の量が20mlより少ない場合は過少月経といい、140mlより多い場合は過多月経といいます。

過少月経は、生理用品の不快感や換える手間が避けられるため快適に感じますが、排卵のない月経をともなうケースもあり、不妊の原因となる可能性も懸念されるため注意が必要です。

過多月経は、貧血のほか子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜増殖症、子宮がんなどが原因で引き起こされている可能性があります。

経血の量は数字でみるとわかりづらいですが、生理用ナプキンの交換が1時間に1回のペースでも間に合わない場合は過多月経の可能性が高いです。

頻発月経を放置するとどうなる?

ベッドで具合が悪そうな女性を心配する男性の画像

頻発月経を放置すると、以下のように身体に悪影響を及ぼすおそれがあります。

貧血が原因で体調に悪影響を及ぼす

頻発月経では、経血の排出量が正常な月経よりも多くなるため、貧血を引き起こしやすくなります。

貧血状態が続くと、疲労を感じやすくなったり、めまいや立ちくらみを引き起こしたりするリスクが高まります。

また、月経によって発症する鉄欠乏性貧血は進行が遅いため、症状が出るのが当たり前になり放置する人も少なくありません。

しかし、日常に支障をきたすほど症状が重くなるケースがあり、心臓にも大きな負担がかかります。

不正出血を見逃す可能性がある

経血だと思い込んでいる血液が、実際は月経ではなく不正出血によるものであった場合、放置することで原因となる病気を見逃す可能性があります。

不正出血とは、ホルモンバランスの乱れや病気など、月経以外が原因で性器から出血することを指します。

不正出血の原因は子宮の病気にかぎらず、卵巣機能不全や卵巣腫瘍、膣がんなどさまざまですが、出血しているという事実だけでは原因の判明はむずかしく、婦人科で専門の検査を受ける必要があります。

月経のタイミングではない時期に出血があったらすぐに気づけるように、普段から自分の月経周期をしっかり把握することが大切です。

子宮の病気が進行するリスクがある

頻発月経を放置すると、頻発月経を引き起こす原因となっている子宮の病気が知らぬ間に進行するリスクがあります。

頻発月経の原因は、必ずしも疾病であるとはかぎらず、ホルモンバランスの乱れや、加齢による卵巣機能の低下などがありますが、生活習慣を整えることで改善するケースもあります。

思春期や更年期の頻発月経は、自然治癒することも少なくありません。

しかし、20〜30代の頻発月経には子宮や卵巣に関わる病気が隠れているおそれもあるため、放置せず早めの治療を受けることが大切です。

不妊や流産のリスクがある

頻発月経は、不妊症や流産につながる病気が原因である可能性があるため、妊娠を希望する女性はとくに放置すると危険です。

排卵があるタイプの頻発月経であれば妊娠できる可能性がありますが、卵胞期が短くなるタイプの頻発月経の場合は、妊娠に適した卵子が育ちにくく、妊娠がむずかしくなるケースがあります。

また、黄体期が短くなるタイプの頻発月経の場合は、流産のリスクが高まるとされているため、いずれの場合も早めの治療が必要です。

頻発月経かも?と感じたら

基礎体温表と婦人体温計の画像

頻発月経は治療の必要がないケースもありますが、自己判断で放置せずに念のため婦人科を受診しましょう。

とくに以下の症状がある場合は、なんらかの病気が潜んでいたり、不妊や流産のリスクが懸念されたりする可能性があるため注意が必要です。

  • 頻発月経と思われる症状が2ヶ月以上続く
  • 月経が月に2回~3回くる
  • 疲れを感じやすい
  • 不正出血のような症状が3日以上続いている

月経不順がみられた場合にすぐわかるように、普段から基礎体温を記録することをおすすめします。

基礎体温とは、朝起きた直後に寝ていた体勢のまま測る体温のことで、リラックスした状態で計測します。

基礎体温の測定は、ホルモンの分泌に異常がないか、排卵がしっかり行われているかが推測できるほか、月経の予定日も把握するのにも効果的です。

頻発月経を予防・改善するためには

健康的な食事を食べながら笑顔の女性

頻発月経は必ずしも病気が原因であるとはかぎりませんが、放置すると妊娠に悪影響を及ぼす病気につながるリスクがあります。

しかし、以下のことに気をつけることで予防・改善が可能です。

ストレスをためない

頻発月経を予防するには、ストレスを適度に発散し、蓄積しない生活を心がけましょう。

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは月経周期に大きく作用するホルモンですが、いずれも脳から分泌される他のホルモンによって分泌量が調節されています。

人がストレスを受けると、このメカニズムに影響を与えることでホルモンバランスの乱れにつながり、頻発月経を引き起こすおそれがあります。

月経の周期を整えるためには、ストレスをためない生活を送ることが大切です。

生活習慣を改善する

食生活を整える、良質な睡眠をしっかりとる、適度な運動をするなど、生活習慣の乱れを改善することは、頻発月経を予防することにつながります。

生活習慣の乱れは、女性ホルモンの乱れにつながりやすく、頻発月経以外の月経不順につながるリスクも高いです。

病気が原因ではない頻発月経の場合は、生活習慣を見直すことで症状が改善する可能性があります。

頻発月経の改善・予防のほか、QOLを向上させるためにも、生活習慣を整えることは非常に重要です。

まとめ

頻発月経の裏には、子宮や卵巣などの病気が隠れているおそれがあり、自己判断で放置することは危険です。

妊娠に悪影響を及ぼさないためにも、月経周期の乱れがみられた場合は念のために婦人科を受診することをおすすめします。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、婦人科疾患全般の治療のほか、子宮や卵巣ガンの検診も行っています。

プライバシー保護が徹底された個室診察システムや、万全の感染症対策が実施されている衛生的な設備で、ひとりひとりに合わせたオーダーメイドの治療が可能です。

月経不順でお悩みの方や、妊娠を考えている方のかかりつけの産婦人科として、ぜひご利用ください。

#月経不順 #頻発月経 #妊活

最近の投稿

    最近のコメント

    表示できるコメントはありません。

    アーカイブ

    表示するアーカイブはありません。

    カテゴリー

    • カテゴリーなし

    お電話

    ご予約