生理痛が全くない人の特徴とは?ある人との違いや変化の理由も解説

生理痛 全くない人 特徴

多くの女性は生理痛を経験しますが、なかには全く痛みを感じない人もいます。

また、年齢とともに生理痛の重さが変化することもあり、どのような原因があるのか不思議に思う方も少なくありません。

この記事では、生理痛がない人の割合や、その人たちに見られる特徴、さらに生理痛の有無が変化する理由について解説します。

生理痛に悩んでいる人や、自分の体質について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

生理痛がない人は少数派?その割合と実態

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生理痛に悩む女性が多い中、全く痛みを感じない人も存在します。その割合や特徴を知ることで、自分の体質を理解し、適切な対策やケアのヒントが得られるかもしれません。

ここでは、生理痛が「全くない」人の割合について詳しく見ていきましょう。

生理痛がない人の割合はどれくらい?

生理痛に関する調査によると、痛みを全く感じない人は12.2%と少数派です。最も多かったのは「軽い痛みはあるが、あまり普段の生活に影響はない」と答えた人で、全体の42.7%を占めました。

次いで多かったのは「時々寝込んでしまい、普段の生活に影響が出る(鎮痛剤をたまに服用)」といった人で、34.1%となっています。

また、「1日中寝込み、普段の生活ができない(鎮痛剤が必須)」と答えた人も8.9%いました。

このように、生理痛の痛みの強さには大きな個人差があり、ほとんどの女性が何らかの痛みを経験しているのがわかります。

(参照:「生理に関する調査」株式会社 H.M. マーケティングリサーチ)

そもそも生理痛とはどのような痛み?

生理痛とは、生理が始まる直前から生理期間中にかけて、子宮が収縮することで起こる下腹部や腰の痛みのことです。

この痛みは、子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」という物質が子宮の筋肉を収縮させることで生じる症状です。

また、生理痛には痛みだけでなく、頭痛や吐き気、体のだるさ(倦怠感)などの症状が一緒に現れる場合もあります。

生理痛の強さには個人差があり、軽い違和感だけで済む人もいれば、日常生活に支障が出るほど強い痛みに悩む人もいます。

生理痛が起こるのは、女性ホルモンが正常に分泌され、子宮内膜が周期的に排出されている証拠です。

生理痛が全くない人の特徴とは

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ここでは、生理痛が全くない人に見られる主な特徴をご紹介します。

プロスタグランジンの分泌量が少ない

プロスタグランジンは、生理中に子宮を収縮させて経血を体の外に出す働きを持っています。

しかし、この物質が多く分泌されると、子宮の収縮が強くなり、下腹部や腰に痛みが生じやすくなります。

一方で、プロスタグランジンの分泌が少ない人は、子宮の動きが穏やかになり、痛みを感じにくくなる傾向です。

なお、プロスタグランジンの分泌量には体質による個人差があり、生まれつき痛みを感じにくい人もいます。

子宮の収縮がスムーズ

生理痛があまりない人の多くは、子宮の収縮が無理なくスムーズに行われているのが特徴です。

経血の通り道である子宮頸管が適度に開いていると、経血がスムーズに排出されるため、子宮が強く収縮する必要がなくなり、痛みも起こりにくくなります。

特に、子宮が十分に成熟し、出産経験がある場合は、子宮頸管が柔らかく広がりやすくなっているため、生理痛を感じにくいといわれています。

骨盤内の血行が良い

生理痛があるかどうかには、骨盤内を流れる血液の状態が大きく関わっています。

血行が良い人は、子宮のまわりの筋肉がなめらかに動きやすく、酸素や栄養も十分に届くため、生理痛が起こりにくい傾向です。

反対に、体が冷えていたり、普段からあまり運動をしていなかったりすると、血行が悪くなり、プロスタグランジンの分泌がうまくいかなくなってしまいます。

その結果、生理痛が強くなることもあり得ます。

実際に、生理痛が軽い人の多くは、日ごろからウォーキングやヨガなどで体を動かしたり、体を冷やさないように心がけたりしているため、血行が良い点が特徴です。

ストレスが少ない・自律神経のバランスが良い

生理痛が全くない人には、ストレスが少なく自律神経のバランスが整っているのが特徴です。

自律神経は、血流やホルモンの分泌を調整する大切な働きをしています。

しかし、ストレスが続くと自律神経の働きが乱れ、子宮のまわりの血流が悪くなり、子宮の収縮が強くなります。

ストレスを上手にコントロールできている人や、普段からリラックスする習慣があり、心が落ち着いた生活を送っている人は、生理中でも痛みに悩まされにくい傾向があります。

その他、遺伝や体質による影響

生理痛が起こりやすいかどうかは、生まれつきの体質や遺伝が関係していると考えられています。

例えば、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの分泌の特徴や、プロスタグランジンの分泌量、骨盤の形や子宮の位置などは、親子で似る場合があります。

そのため、母親が生理痛を感じにくい場合、子どもも同じように生理痛が軽くなる傾向が見られる点が特徴です。

東京大学の研究チームは、生理痛やバストサイズなど女性特有の体質と深く関係する遺伝子の領域を発見しました。

これにより、遺伝が生理痛に影響を与える可能性が科学的にも示されています。

(参照:「バストサイズや月経痛など女性特有の体質と関連の強い遺伝子領域を 新たに発見! 」東京大学)

昔は生理痛がなかったのに、今はあるのはなぜ?

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「以前は生理痛を感じなかったのに、最近はつらくなってきた」と悩む方は少なくありません。このような変化には、さまざまな要因が関わっている可能性があります。

ここでは、昔と比べて生理痛がつらくなる原因として考えられる体や環境の変化について解説します。

加齢やライフスタイルの変化が影響

年齢を重ねると、ホルモンバランスの変化や子宮の成長によって、生理の状態や痛みの感じ方が変化しやすくなります。

また、運動不足や偏った食事、ストレスの蓄積など、生活習慣の変化も生理痛を強くする原因です。

例えば、就職や転職などで生活環境が大きく変わると、それがきっかけで急に生理痛がひどくなる可能性もあるでしょう。

このように、女性の体は常に同じではなく、年齢とともに少しずつ変化していきます。そのため、自分の体調の変化をきちんと理解し、生理とうまく付き合っていくことが大切です。

出産や子宮内の変化によるものも

出産経験や子宮の状態によって、生理痛の度合いが変わることもあります。

一般的には、出産後は子宮頸管が柔らかくなり、子宮の収縮がスムーズになることで経血が排出されやすくなります。

そのため、出産前よりも生理痛が軽くなる人が多いです。

また、出産によって子宮口が広がると、生理時の圧迫感が減り、痛みがやわらぐこともあると考えられています。

しかし、すべての人が生理痛の軽減を感じるわけではありません。

例えば、ホルモンバランスの乱れやストレス、体調の変化などがあると、出産後も生理痛が続いたり、逆に痛みが強くなったりする場合もあります。

婦人科系の病気が隠れている場合もある

生理痛が急に強くなったり、これまでに感じたことのない痛みが現れたりした場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性があります。

特に、仕事や学校に行けないほど強い痛みがある、市販薬が効かない、生理以外の時期にも痛みがある、経血の量が極端に多い、または血の塊が頻繁に見られるといった症状は、「通常の生理痛」とは違うサインです。

このような症状は「器質性月経困難症」と呼ばれ、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となっているケースがあります。

これらの病気は20代から30代の女性にも増えており、子宮内膜症は10人に1人、子宮筋腫は5人に1人が発症するといわれています。

(参照:「生理痛の原因と治療 」おしえて生理痛)

生理痛を軽減するためにできること

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生理痛は日常生活に支障をきたすこともありますが、工夫次第で軽減できる場合もあります。ここでは、痛みをやわらげる具体的な方法をご紹介します。

生活習慣の見直し

生活習慣を整えることは、生理痛をやわらげるのに効果的です。

例えば、朝日を浴びて体内リズムを整えたり、十分な睡眠をとったりすることで、女性ホルモンのバランスが安定しやすくなります。

また、ビタミンやミネラルを多く含む食事を意識すれば、自律神経の乱れやPMS(生理前症候群)の症状をやわらげることにも効果的です。

さらに、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動は血行を良くし、痛みの緩和につながります。

冷え対策・ストレスケアの具体例

生理痛をやわらげるためには、体を冷やさず、心と体の緊張をほぐす工夫が大切です。次のような方法を、日常生活に取り入れてみてください。

  • 下腹部や腰にカイロを貼って温める  
  • 冷房対策として、羽織りものや腹巻きを使う  
  • ぬるめのお湯でゆっくり入浴し、血行を良くする  
  • 深呼吸やアロマ、軽いヨガで緊張をほぐす  
  • 好きな音楽を聴いたり読書をしたりして、気分転換をする など

無理をせず、自分に合った冷え対策やリラックス方法を見つけましょう。

医師に相談すべきタイミングとは

生理痛が突然ひどくなり、日常生活に支障が出るようであれば、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。特に、次のような症状があるときは注意が必要です。

  • 出血量の増加、または2週間以上続く不正出血がある  
  • 鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない  
  • 生理痛がひどくなったり、生理以外のときにも下腹部が痛んだりする  
  • 吐き気や頭痛、下痢などを伴う  
  • 痛みのために寝込み、通勤や通学が難しい  
  • めまいやだるさなど、貧血の症状がある など

これらの症状は婦人科の病気が原因となっている可能性があります。体に異変を感じたときは、ためらわずに医療機関へ相談することをおすすめします。

まとめ

生理痛が全くない人は、全体の12.2%と少数派です。こうした人たちは、プロスタグランジンの分泌量が少ないため子宮がスムーズに収縮し、骨盤周辺の血流も良好です。加えて、ストレスが少ない点も共通しています。

ただし、年齢を重ねたり生活習慣が変化したりすると、生理痛が出てくる場合もあります。特に、生理痛が急に強くなり、日常生活に支障をきたすようであれば、何らかの病気が隠れているかもしれません。

その場合は早めに対策をとり、必要に応じて医師に相談することが大切です。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、生理痛に関するさまざまなお悩みに、専門医が親身になって対応しております。

生理痛の強さに関わらず、不安なことがあれば、三軒茶屋ウィメンズクリニックへお気軽にご相談ください。

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