不妊治療がうまくいかないのはなぜ?考えられる原因とこれからの選択肢

不妊治療 うまくいかない

「不妊治療がうまくいかない……」そんな悩みを抱えていませんか。

治療を始めたのに妊娠できない日々が続くと、「今回もダメだった」「なぜ自分だけが?」と心が折れそうになることもあるでしょう。

何度も挑戦しても結果が出ないと不安や焦りが積み重なり、続けるべきか、もう諦めるべきかと悩む方も少なくありません。

この記事では、不妊治療がうまくいかない原因や、妊娠できなかったときに考えたい今後の選択肢について詳しく解説します。

妊活に伴うストレスとの向き合い方も紹介しますので、今感じている不安を少しでも軽くするヒントにしていただけたら幸いです。

不妊治療がうまくいかないと悩む方が多い理由とは

不妊治療 うまくいかない

不妊治療に取り組む中で、「思うように妊娠できない」「治療がつらく感じる」といった悩みを抱える方は少なくありません。

特に、治療を始めてもすぐに結果が出ないことが多く、ストレスや焦りが積み重なり、「もう不妊治療はできないかもしれない……」と気持ちが沈んでしまうこともあります。

実際に、不妊治療の初期段階で選ばれるタイミング法の妊娠率は1周期あたり16〜18%、人工授精では1回あたり5〜10%程度とされています。

こうしたデータからも分かるように、治療開始から短期間で妊娠に至るケースは多くはありません。

さらに、「赤ちゃんはまだ?」「そろそろ二人目は?」といった周囲からの無意識な言葉もプレッシャーとなりやすく、精神的な負担につながることもあります。

このように、不妊治療がうまくいかないと感じる背景には、治療の特性による時間のかかり方や、周囲との温度差によるストレスがあるのです。

不妊治療がうまくいかない原因とは?

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不妊治療を続けているのに思うような結果が出ないと、「このまま続けて意味があるのだろうか」と不安や迷いを感じる方は少なくありません。

不妊治療がうまくいかない背景には、複数の要因が重なっていることが多く、単純な原因だけでは説明できないケースも多々あります。

ここでは、なかなか妊娠できない主な原因について解説します。

医学的に問題がなくても「結果が出ない」ことがある

検査では大きな異常が見つからない『原因不明不妊』というケースがあります。

日本産婦人科医会の報告によると、全体の10〜25%が原因不明不妊に該当するとされており、決して珍しいことではありません。

つまり、排卵、精子の状態、子宮や卵管の機能などに問題がなくても、妊娠に至らないことがあるのです。

このような場合、原因を特定するのが難しく、適切な治療方法を見つけるまでに時間がかかることがあります。

卵子や精子の質が良くない

卵子や精子の質は妊娠の成立において重要な要素で、質が良くないと不妊治療の成功率が下がってしまいます。

体外受精に何度か挑戦しているものの妊娠できない場合、卵子や精子の質に問題があるケースも少なくありません。

年齢の影響

不妊治療の成果に大きな影響を与えるのが年齢です。

女性は年齢とともに卵子の数と質が低下し、35歳以降は妊娠率が下がり、流産のリスクも上がることが知られています。

男性側にも加齢の影響はあり、精子の質の低下や染色体異常のリスク増加が指摘されています。

不妊の原因が見極められていない

不妊の原因は、女性側・男性側のどちらか一方だけでなく、両方にある場合もあります。

また、排卵障害・精子の運動率低下・子宮の環境など、複数の要因が複雑に絡み合っているケースもあり、初期検査のみで全てを把握するのは難しいこともあります。

原因が適切に見極められていないまま不妊治療を進めてしまうと、治療効果が出ないまま時間だけが過ぎてしまう可能性もあるのです。

不妊治療の治療ステップに問題がある

不妊治療は、タイミング法→人工授精→体外受精→顕微授精と段階的に進むのが一般的です。

しかし、年齢や体の状態に合っていない方法を続けていると効果が出にくくなります。

特に年齢が高い方は、医師と相談しつつ早めにステップアップを検討する必要があります。

不妊治療の方法│うまくいかない場合のステップアップについて

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不妊治療にはいくつかの段階があり、体の状態や年齢、これまでの治療歴に応じて治療法を変えていくことが一般的です。

最初に選ばれることが多いのは『タイミング法』ですが、それだけで妊娠に至らない場合は、治療のステップアップが必要となることもあります。

主な不妊治療の種類と特徴

以下は、一般的な不妊治療のステップです。

タイミング法

排卵日を予測し、もっとも妊娠しやすいタイミングで性交渉を持つ方法です。

体に負担が少なく、自然妊娠を目指す初期段階の治療ですが、成功率は1周期で16〜18%程度とされます。

月経周期に合わせて数ヶ月〜6ヶ月程度くらい行い、それで妊娠に至らなければ次の段階へ進むことが推奨されます。

人工授精(AIH)

排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に注入する方法です。

性交に頼らず子宮に精子を届けることができ、軽度の男性不妊や性交のタイミングが取りづらい場合にも有効です。

1回あたりの妊娠率は5〜10%程度とされ、数回繰り返しても結果が出なければ、体外受精などへの移行を検討します。

体外受精(IVF)

卵子を採取し、精子と受精させてから子宮に戻す方法です。

卵管に問題がある場合や、人工授精で成果が出なかった場合に選ばれることが多く、妊娠率は年齢によって大きく異なります。

顕微授精(ICSI)

体外受精の一種で、精子を1つ選んで顕微鏡下で卵子に直接注入する方法です。

精子の数や運動率に課題がある場合や、採取された卵子の状態が万全でない場合、または通常の体外受精で受精がうまくいかなかった場合などに適応されます。

不妊治療の見直しのタイミングとは

「なるべく自然に妊娠したい」と考える気持ちはごく自然なものですが、今の治療法が2人の状況に合っていない可能性もあります。

一定期間試しても結果が出ない場合は、治療のステップアップを検討することが大切です。

特に女性は35歳を過ぎると卵子の質が徐々に低下し始めるため、妊娠のしやすさも変化してきます。

合わない治療法を続けてしまうと、貴重な時間を逃してしまうリスクもあるのです。

例えば、

  • タイミング法を半年以上続けたものの妊娠できない
  • 人工授精を数回試しても妊娠に至らない

といった場合は、体外受精や顕微授精などへの移行を考えるタイミングかもしれません。

どの段階で治療を見直すかは、年齢や体の状態、不妊治療を受けるカップルの希望によって異なります。

いずれにしても医師とよく相談しながら、無理のないステップアップを検討していくことが重要です。

不妊治療がうまくいかないときのストレス対処法

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不妊治療を続けているのに思うような結果が出ないと、どうしてもストレスがたまりやすくなります。

「今回も妊娠できなかった……」という経験が続けば、落ち込んでしまい、「もうやめたい」と感じることもあるでしょう。

また、不妊治療に伴うストレスが、夫婦関係に影響を及ぼしてしまうこともあります。

ここでは不妊治療がうまくいかないときにできる、心の負担を軽くするための対処法を紹介します。

タイミングにこだわりすぎない

タイミング法では、妊娠しやすい排卵日付近に性行為を持つよう指導されます。

ただ、こうした決まったタイミングでの性行為は、次第に義務のように感じてしまうこともあります。

最初は前向きに取り組んでいても、時間が経つにつれて疲れやプレッシャーを感じる夫婦も少なくありません。

特に男性は、パートナーからの期待に応えようとするあまり、プレッシャーがかかって勃起障害(ED)につながってしまうケースもあります。

妊娠を目指すあまり、夫婦の関係がギクシャクしてしまっては本末転倒です。

ときにはタイミングにこだわりすぎず、夫婦の時間を楽しむことを優先してみましょう。

治療を一時休むという選択肢もある

妊娠できないことへの焦りや落ち込みが強い場合は、一度不妊治療をお休みするのも選択肢のひとつです。

不妊治療には精神的にも身体的にもエネルギーが必要です。

気持ちが追い詰められていると感じたら、治療から少し距離を取ってみましょう。

その間は、妊活のことをいったん忘れて、趣味を楽しんだり、旅行に出かけたりするなど、リフレッシュすることが大切です。

心身が整った状態であれば、治療再開後の選択肢や方向性も前向きに考えやすくなります。

2人で『ゴール』について話し合う

不妊治療は、精神的・身体的な負担に加えて、費用や時間もかかります。

「いつまで続ければいいのか」「どこまでやるべきか」そんな疑問が湧いてくることもあるでしょう。

そうしたときは、パートナーと治療のゴールについて話し合うことが大切です。

例えば、以下のようなポイントを共有しておくと、今後の治療方針がクリアになります。

  • いつまで治療を続けるか
  • どの段階までステップアップするか
  • 費用や時間の上限をどうするか

ご夫婦にとって納得できる形を、話し合いの中で見つけていくことが、心の安定にもつながります。

不妊治療を続けても妊娠できなかったら?クリニックを変える選択肢

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不妊治療を行っている医療機関は数多くありますが、成功率や治療方針はクリニックごとに異なります

ある程度の期間、治療を続けているのに妊娠に至らない場合は、別のクリニックを検討することもひとつの方法です。

まずはセカンドオピニオンを受けてみよう

不妊治療は、時に長期にわたることもあります。

信頼して通っているクリニックであっても、思うような結果が出ないと、「今の治療で大丈夫?」「他の方法があるのでは?」と迷いが生じるものです。

そんなときは、別の医師の意見を聞いてみる=セカンドオピニオンを受けてみましょう。

セカンドオピニオンでは、

  • 自分たちに合った治療法を見つけられる可能性がある
  • 今の治療が妥当であると確認できて安心できる

などのメリットがあります。

また、主治医との相性や治療方針に違和感があると感じている方にとっては、転院を検討するきっかけにもなります。

転院する際のステップ

転院を決めたら、現在通っているクリニックに治療の中断や転院の意向を伝えましょう。

その際、以下の資料を準備してもらうと、転院先での治療がスムーズに進みます。

  • 紹介状
  • これまでの検査結果や治療経過の資料

これらの資料があると、新しいクリニックでの治療がスムーズに進み、同じ検査を繰り返す手間も省ける可能性があります。

「転院するなんて失礼かも……」とためらう方もいますが、医師は患者さんの選択を尊重してくれるものです。

納得のいく治療を受けるためにも、前向きな選択として自信を持って行動しましょう。

まとめ

周囲のおめでたニュースを聞くたびに、不妊治療がうまくいかない現実に落ち込み、「自分だけが取り残されている」と感じてしまう方も少なくありません。

しかし、不妊の原因や適した治療法は人それぞれで、結果が出るまで時間がかかることもあります。

思いつめすぎるとストレスが大きくなり、夫婦関係にも影響を及ぼすことがあるため、ときには治療を休んだり、リフレッシュすることも大切です。

「今の治療でいいのか不安」「別の選択肢も知りたい」と感じたら、三軒茶屋ウィメンズクリニックへご相談ください。

当院では、不妊治療に関する専門的な診断と丁寧なカウンセリングを通じて、一人ひとりに合った治療方針をご提案しています。

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