生理痛と妊娠初期症状は似ている?下腹部痛の原因と「妊娠してた」人の特徴を解説

生理痛 妊娠初期

生理痛と妊娠初期に起こる下腹部痛は、症状がとてもよく似ているため「いつもの生理痛かな?」と思ったら、実は妊娠のサインだったというケースは少なくありません。

この記事では、生理痛と妊娠初期症状の具体的な違いと見分け方を解説します。

毎月の下腹部痛が生理によるものか、妊娠のサインなのか不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。

生理痛と妊娠初期症状の共通点

生理痛 妊娠初期

生理痛と妊娠初期の下腹部痛は、どちらも「ホルモンバランスの変化」によって引き起こされます。

影響するホルモン作用
生理痛プロスタグランジン子宮を収縮させて、不要になった子宮内膜を排出させる
妊娠初期プロゲステロン子宮内膜を厚く保つ働きがあり、子宮の筋肉に影響して、下腹部に痛みや張りを感じさせる

生理痛と妊娠に関わるホルモンはそれぞれ異なりますが、どちらもホルモンの作用で子宮周辺に変化が表れるため、似たような下腹部痛として感じられるのです。

また、妊娠初期はホルモンバランスの影響のほか、着床痛(ちゃくしょうつう)子宮の収縮・伸展が原因で下腹部痛が起こることがあります。

生理痛と妊娠初期症状の7つの違いと見分け方

生理痛 妊娠初期

生理痛と妊娠初期症状は似ていますが、痛みの質や強さなど、微妙な違いがあります。

それぞれの違いを知っておけば、見分けがつきやすくなり、妊娠していた場合でも早めの対処が可能です。

痛みの種類や感覚

生理痛は、一般的にズキズキとした痛みや絞られるような痛み腰の重だるさとして感じられることが多いです。

また、下腹部全体に広がる鈍痛が特徴です。

一方で、妊娠初期の痛みは「チクチクする」「下腹部が引っ張られる感じ」「足の付け根が痛む」といった、生理痛とは少し違う感覚で表現されることが多くあります。

受精卵が子宮内膜に着床したり、子宮が少しずつ大きくなったりすることによる刺激が原因と考えられています。

痛みの強さと続く期間

生理痛は、生理が始まる直前や生理1〜2日目をピークに強い痛みが集中し、経血量が減るにつれて和らいでいきます。

妊娠初期の下腹部痛は、生理予定日の数日前から始まり、比較的軽い痛みが続いたり、断続的に現れたりするのが特徴です。

生理痛のように数日間で終わらず、痛みが長く続く場合は妊娠の可能性が考えられます。

痛む場所の違い

生理痛は主に下腹部全体や腰を中心に痛みが広がることが多いです。特に子宮のある下腹部中央から左右にかけての痛みが特徴です。

妊娠初期の場合は、下腹部の中央だけでなく「左右どちらかの下腹部」や「足の付け根」がピンポイントで痛むことがあります。

原因として、卵巣の働きや子宮が大きくなることで左右にある靭帯(円靭帯)が引っ張られるために起こるとされています。

出血の色や量(着床出血)

生理の出血は、生理初日には少量で始まり、徐々に量が増えて鮮やかな赤色から暗い赤色に変化していきます。

生理の期間中は、継続的に出血が見られるのが特徴です。

妊娠初期には、生理とは異なる着床出血が見られることがあります。

受精卵が子宮内膜に着床する際に起こるもので、通常の生理よりも量が少なく、色が薄いピンク色や茶色であることが特徴です。

出血の期間も数時間から数日と短く、生理予定日前に起こることが多いです。

ただし、着床出血は妊娠した方全員に見られるわけではありません。

おりものの状態

生理前のおりものは、量が減ってベタつきが増す傾向があります。生理が近づくと、血液が混じって茶色くなることもあります。

妊娠初期のおりものは、ホルモンバランスの変化により、量が増えてサラサラとした状態になることが多いです。

ニオイはほとんどないか、少し酸っぱいようなニオイがすることもあります。

ただし、個人差があるため、全ての方に当てはまるわけではありません。

基礎体温の変化

基礎体温は、排卵後に上昇して「高温期」に入り、生理が始まるとガクッと下がって「低温期」に入るのが通常のサイクルです。

生理前は基礎体温が下降し、生理が始まると低温期に入ります。

妊娠している場合、排卵後から生理予定日を過ぎても高温期が持続するのが特徴です。

妊娠を維持するために黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され続けるため、高温期が続きます。

生理予定日を過ぎても基礎体温が高いまま(一般的に36.7℃以上)で、16日以上続く場合は、妊娠している可能性が高いと考えられます。

下腹部痛以外の症状

生理痛は、下腹部痛や腰痛の他に、頭痛、吐き気、だるさ、イライラなどの症状を伴うことがあります。

生理期間特有の症状は生理に伴うプロスタグランジンの影響や、ホルモンバランスの変化によるものです。

妊娠初期症状では、下腹部痛のほかに以下の症状が現れます。

  • 吐き気(つわり)
  • 胸の張りや痛み
  • 眠気・だるさ
  • 頻尿・便秘
  • 味覚の変化

上記の症状は「妊娠超初期症状」と呼ばれ、さまざまな体調変化が表れます。

妊娠初期に生理痛のような痛みが起こる4つの理由

生理痛 妊娠初期

妊娠初期に生理痛と似た痛みが起こる主な理由として、以下の4つがあげられます。

  • 子宮の拡大…妊娠により子宮の筋肉が伸びたり、子宮を支えている靭帯が引っ張られたりして、下腹部に痛みを感じる
  • 子宮への血流増加…赤ちゃんに栄養や酸素を届けるために、子宮にたくさんの血液が流れ込むようになり、結果として下腹部に重さや張り、痛みを感じる
  • 着床痛…受精卵が子宮内膜に着床する際、子宮内膜がわずかに傷つき、軽い痛みと出血をともなう
  • ホルモンの影響…生理前に分泌されるホルモン(プロスタグランジン)と似た作用を持つプロゲステロンの分泌が増加するため、下腹部の違和感につながる

どれも妊娠初期によくある症状なので、過度に心配する必要はありません。母体が大きく変化する時期なので、妊娠が順調に進んでいる証拠でもあるのです。

「生理痛だと思ってたら妊娠してた」人の特徴

生理痛 妊娠初期

「いつもの生理痛だと思っていたら妊娠していた」という経験を持つ方は少なくありません。

実際に妊娠していたケースで、いくつかの共通した特徴がみられるため、以下で詳しく解説します。

いつもより痛みが軽い・種類が違った

いつもの生理痛よりも「痛みの程度が軽かった」「痛みの種類が違った」という意見がよく聞かれます。

  • なんとなく痛い
  • シクシクする感じ

上記のような、我慢できる程度の軽い痛みだった、という特徴が多いです。また「痛みの種類が違った」という声もよく聞かれます。

  • お腹の片側だけがチクチクした
  • 足の付け根がピリッと痛んだ

上記のように、局所的で瞬間的な痛みを感じたという人が多いようです。

理由として、生理痛が子宮全体が収縮する痛みであるのに対し、妊娠初期の痛みは着床や子宮の伸びによる局所的な刺激であることが考えられます。

下腹部痛以外の初期症状が先にあった

下腹部痛を意識する前に、他の妊娠超初期症状を先に感じていた、というのもよくある特徴です。主に、以下の症状があげられます。

  • 「とにかく眠くて仕事に集中できなかった」
  • 「大好きだったコーヒーの匂いがダメになった」
  • 「胸がパンパンに張って痛かった」
  • 「微熱が続いた」

最初は風邪や疲れだと思っていたけれど、後から思えば妊娠のサインだった、と気づくケースです。

下腹部痛だけでなく、他の体調変化が同時に起こっている場合は、妊娠の可能性を考えてみると良いでしょう。

生理痛か妊娠初期か|病院へ行くべき危険な痛み

生理痛 妊娠初期

妊娠初期の下腹部痛のほとんどは心配のないものですが、中には注意が必要な痛みもあります。

以下のような症状が見られる場合は、自己判断せず、すぐに婦人科を受診してください。

我慢できないほどの激しい痛み

我慢できないほどの痛みで、以下のように感じる場合は注意が必要です。

  • 「だんだん痛みが強くなる」
  • 「冷や汗が出るほど痛い」
  • 「立っていられない」

上記のような我慢できないほどの激しい痛みは、「子宮外妊娠」や「卵管破裂」などを起こしている可能性があります。

痛みが時間とともに増していく場合は特に注意が必要です。夜間や休日であっても、ためらわずに医療機関に連絡しましょう。

鮮血やレバー状の塊が出る出血

ピンクや茶色のおりもの程度の着床出血とは違い、生理の時のような真っ赤な鮮血が出たり、レバー状のドロッとした血の塊が出たりする場合も注意が必要です。

出血量が多く、腹痛とともに出血が見られる場合は、流産や子宮外妊娠の可能性があります。

出血が止まらない場合は、すぐに医療機関を受診してください。

めまいや肩の痛みがある

下腹部痛に加えて、めまい、ふらつき、気絶しそうになる、といった症状がある場合は、お腹の中で出血(腹腔内出血)が起きている可能性があります。

特に肩の痛みは、子宮外妊娠で出血が腹腔内に広がり、横隔膜を刺激することで生じることがあります。

妊娠初期の生理痛のような痛みの対処法

生理痛 妊娠初期

妊娠の可能性がある時期の下腹部痛は、不安になってしまうもの。

適切な対処法を知っていれば、安心して過ごせるので、以下で詳しくご紹介します。

安静にする

痛みを感じたら、まずは横になったり、楽な姿勢で座ったりして体を休ませましょう。

仕事や家事の手を一度止めて、リラックスすることが大切です。

特に妊娠初期は体が疲れやすく、デリケートな時期となるため休息を最優先に考えてください。

体を温める(お腹・腰回り)

体の冷えは血行を悪くし、痛みを強くする原因になります。カイロや腹巻き、ブランケットなどでお腹や腰回りを優しく温めましょう。

血行が良くなることで、痛みを和らげる効果が期待できます。

締め付けの少ない服装を心がける

お腹を締め付けるようなタイトな服装は、血行を妨げ、痛みを悪化させることがあります。

ウエストがゴムのスカートやワンピース、ゆったりとしたパンツなど、リラックスできる服装を選びましょう。

マタニティウェアでなくても、体を締め付けない楽な服装を心がけるだけで、不快感が大きく軽減されます。

まとめ

生理痛と妊娠初期の下腹部痛はよく似ていますが、痛みの種類や場所、期間、下腹部痛以外の症状に注意すれば、それぞれの違いを見分けやすくなります。

なにより大切なのは「いつもと何かが違う」という自身の感覚です。

不安な気持ちを抱え込まず、まずは妊娠検査薬を試してみたり、産婦人科を受診したりして専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。

生理痛か妊娠か不安に感じたときは『三軒茶屋ウィメンズクリニック』にご相談ください。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、女性特有のお悩みに丁寧に寄り添い、妊娠のご相談や不安へのサポートを行っています。

診療予約は、電話またはホームページから受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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