生理中に性行為をするのは危険?5つのリスクと生理を移動する方法も紹介

「生理中にパートナーから性行為を迫られたけどしてもいいの?」
「生理中に性欲が高まるけど性行為をしても大丈夫?」
そんな不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、生理中の性行為にはリスクがあるため、できる限り避けましょう。
この記事では、生理中の性行為が危険な理由や性欲が高まる原因、生理中の性行為の注意点と生理の移動方法も紹介します。
生理中の性行為について不安がある方は、ぜひご覧ください。
生理中に性行為をするのは危険?

生理中に性行為をするのには、以下のようなリスクがあります。
- 感染症のリスクが上がる
- 子宮内膜症のリスクが上がる
- 妊娠する可能性がある
- 女性の身体に負担がかかる
- 生理痛が悪化する可能性がある
この5点のリスクについて、以下で詳しく紹介します。
感染症のリスクが上がる
生理中の女性の体内環境は通常時とは異なり、デリケートになっているため、生理中の性行為は感染症のリスクが高まります。
生理中の性行為は普段よりも膣内に傷がつきやすく、傷口から体内にウイルスや細菌が入りやすくなるのです。
生理中の性行為でできた傷口からの感染によりクラミジア、パピローマウイルス、淋病などにかかるリスクが上昇します。
さらに、それらの感染症がもとで子宮口付近がただれてしまうと、HIVなどの感染症のリスクが上昇する可能性もあるのです。
また、生理中の性行為は尿路感染症にもかかりやすくなると言われています。
生理中は、通常よりも膀胱や尿道に細菌が入りやすくなる時期です。
女性は特に尿道が短いため、細菌が膣から尿道に入る危険が高く、膀胱炎などの感染症に普段よりも注意しなければいけません。
生理中の性行為によってさらにそのリスクが高まり、膀胱炎や尿道炎にかかりやすい状態になります。
さらに腎臓まで感染が広がると、腎盂腎炎になる可能性があります。
感染症にかかってしまうと、自分だけでなくパートナーに感染させてしまう危険もあります。
生理中の性行為は、パートナーのリスクを考えたうえでも、できる限り控えることをおすすめします。
子宮内膜症のリスクが上がる
生理中の性行為は子宮内膜症のリスクを高める可能性があります。
子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるべき子宮内膜組織が、卵巣や腹腔内など子宮外にできてしまう病気です。
若い女性に多く見られ、子宮内膜症にかかると、腰痛や下腹部の痛み、激しい生理痛を引き起こします。
子宮内膜症の原因について、現時点で明確な医学的根拠は十分ではありませんが、生理中の経血が逆流してしまうことも原因のひとつだとされています。
生理中の性行為は、経血の逆流を引き起こしやすく、ウイルスや細菌が子宮内に入り込み、子宮内膜症にかかるリスクが高まる可能性があります。
子宮内膜症は無症状の場合もあり、放置すると不妊の原因にもなるため注意が必要です。
妊娠する可能性がある
生理中の性行為は妊娠しないという噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、生理中の性行為は妊娠する可能性があります。
その理由は、精子の生存期間と予測できない排卵期にあります。
精子の生存期間は5~7日で、生理が終わった後に排卵があった場合に、妊娠する可能性があります。
正常な排卵は生理が終わった後、しばらく間をおいてからになりますが、生理周期が不規則な場合やストレスや体調の変化で生理周期が乱れると、生理中や生理後すぐに排卵することもあります。
女性の身体に負担がかかる
生理中は女性の身体的にも精神的にもデリケートな時期です。
ホルモンバランスの影響で、免疫力の低下や疲労感、生理痛などもあり、情緒も不安定になりやすくなるため、性行為をすることでさらに負担をかけるかもしれません。
生理中は無理をせずにリラックスすることも大切です。
生理痛が悪化する可能性がある
生理中に性行為をすると、生理痛がひどくなることがあります。
また、生理中の性行為で痛みを感じる場合もあり、その恐怖心から生理中以外の性行為でも痛みを感じてしまうかもしれません。
性行為をしたくないと女性が感じている場合には、無理に性行為に応じると膣の乾燥から痛みが増すことがあるでしょう。
生理中は性欲が高まる?

生理中に性欲が高まると感じる方もいます。
ここでは、生理中は身体の中でどのような変化が起きているのかを解説します。
ホルモンバランスの影響で性欲が高まりやすい
生理中に性欲が高まりやすいのは、ホルモンバランスの影響が考えられます。
生理中は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が徐々に増えていきます。
エストロゲンが増えることで、胸に張りが出る、膣が濡れやすくなるなど、性行為を受け入れる準備が整いはじめ、性欲が高まるのです。
また、生理中は男性ホルモンであるテストステロンの分泌量も増加傾向にあります。
性欲を高める効果のあるテストステロンが増加することも、生理中の性欲が高まる原因のひとつであるとされています。
生理痛を抑えるために性欲が高まりやすい
生理中に起こりやすい生理痛を軽減するために、エンドルフィンという神経伝達物質を脳が求めると言われています。
エンドルフィンは鎮静・鎮痛作用を持っている神経伝達物質で、性行為によるオーガズムによっても分泌されます。
女性の身体は、生理痛を緩和するために性欲を高めて、エンドルフィンの分泌を促すのではないかと考えられているのです。
生理中の性欲を抑えるための対処法

「性欲が高まる時期なのに、生理中の性行為は避けた方が無難。ではどうすればいいの?」と思う方もいるかもしれません。
ここでは、性行為以外で性欲を抑えるための方法を紹介します。
食欲を満たす
鎮静・鎮痛作用のあるエンドルフィンは、食欲を満たすことでも分泌されると言われています。
健康に害をなさない範囲で好きなものを食べることで、自然と性欲は抑えられるはずです。
ただし、リラックスできる範囲で食べるのがおすすめで、食べ過ぎは禁物です。
身体を冷やす食べ物や飲み物は、生理痛をひどくする可能性もあるため注意しましょう。
カフェインも多く摂りすぎると睡眠を阻害したり、気分の落ち込みを助長する場合もあるので、ほどほどに摂取するようにしてください。
リラックスする
自分が好きなことをしてリラックスするのも性欲を抑えるのに効果的です。
生理痛がつらくなければ、無理のない範囲で身体を動かす、ゆっくりと湯舟につかる、マッサージなどもいいでしょう。
映画を見たり、音楽を聞くのもおすすめできます。
動きたくないほどに身体がだるい場合には、アロマでリラックスをするという方法もあります。
性欲を抑えるアロマとして、マジョラム、カモミールローマン、イランイラン、ゼラニウム、フランキンセンス、ベチバーなどが効果的です。
ヨガをする
運動は性欲の発散に効果的ですが、生理中の激しい運動はあまりおすすめできません。
ヨガはおだやかな動きで体内の血流を整え、冷えやむくみを予防するため、生理中の運動に役立ちます。
激しい動きを控え、座りながらや仰向けでゆったりと行うポーズを選んで行うことで、生理中の不調を緩和しながら性欲を抑えることができます。
大切なイベントに合わせて生理を移動する方法も

性行為をするかもしれない大切なイベントに生理の予定が重なってしまうことがある場合は、月経移動を行うことも可能です。
イベントの日が事前にわかっていれば婦人科を受診して月経移動ができる薬を処方してもらいましょう。
生理を早めるためには、生理が始まって5日以内に低用量ピルの服用を開始し、10日間程度服用します。
ピルの内服を中止すると、2~3日で生理がくるため、イベントの日の8日前くらいにピルの服用を中止すると、生理が早められます。
逆に生理を遅らせたい場合は、生理がきそうな日の1週間前からピルを服用します。
内服している間は生理は来ないため、イベント中もピルを忘れずに服用しましょう。
生理中に性行為をする際の注意点

生理中の性行為には危険がありますが、絶対にしてはいけないというものではありません。
しかし、生理中に性行為を行う際には、以下の注意点を守ることが大切です。
- 必ず避妊を行う
- 感染症を防ぐため経血が多い初日から3日までを避ける
- ベッドにはタオルを敷く
- 膣が乾燥しやすいため性行為にローションを使用する
- 経血の逆流を抑えるため浅い挿入にする
- 痛みを感じたらすぐに中止する
- 避妊に失敗したらアフターピルを服用する
生理中の妊娠や感染症を防ぐため、コンドームの使用は必須です。
生理中の性行為のリスクをしっかりとパートナーにも話し、理解してもらいましょう。
生理中の性行為についてよくある質問

生理中の性行為に関して、よくある質問をまとめました。
気になることがある方は、ぜひ参考にしてください。
Q:生理中の性行為で痛みを感じます
生理中は子宮内膜が剥がれ落ちている状態のため、膣や子宮内が非常にデリケートになっているため、少しの刺激で痛みを感じたり、傷がつきやすくなります。
また、生理中は気分も不安定で、乗り気じゃない時の性行為は膣が乾燥しやすく痛みを伴うでしょう。
生理中かそうでないかを問わず、性交のたびに膣の奥が痛む、頻繁に痛む、何日も痛みが続く場合には、子宮内膜症などの病気が隠れている可能性もあるため、婦人科を受診しましょう。
Q:いつから性行為していいですか?終わりかけなら大丈夫?
生理中の性行為は、終わりかけであっても妊娠や感染症などのリスクは同じです。
生理が完全に終わってから性行為をすることをおすすめしますが、どうしてもという場合には、避妊をきちんとしたうえで、上記に記載した生理中に性行為をする際の注意点を守りましょう。
まとめ
生理中の性行為は、感染症のリスクが上がる、子宮内膜症のリスクが上がる、妊娠する可能性がある、女性の身体に負担がかかる、生理痛が増す可能性があるといった5つのリスクがあります。
生理中の性行為はできる限り避けた方がよいですが、どうしてもという場合には、避妊などの注意点を守る、月経移動をするなどの十分な対策を講じたうえで、パートナーとよく話し合って判断することが大切です。
月経移動を考えている場合には、婦人科を受診しましょう。
『三軒茶屋ウィメンズクリニック』では、ピルを用いた月経移動や、避妊相談も行っています。
インテリアを含め、患者さんにとって居心地のよいクリニック作りを心掛けていますので、生理中の性行為について不安のある方は、ぜひ『三軒茶屋ウィメンズクリニック』にご相談ください。