妊活中の薬の服用は危険?妊娠と薬の服用の関係について解説

妊活 薬

妊娠における不安の種はさまざまですが、その1つとして妊娠中の薬の服用が挙げられます。

お母さんが摂取する食べ物の栄養が赤ちゃんに届くように、薬を服用した場合にはその成分も赤ちゃんへ届けられることになるため、心配を感じるのは当然のことです。

この記事では、妊娠期における薬の服用について、妊娠の時期や持病を患っている場合など、各種のケースに応じた薬との付き合い方を交えて解説していきます。

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妊娠の基礎知識をおさらい

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薬の服用が妊娠以前から妊娠初期に行われるのか、その後の妊娠中に行われるのかによっても、母体や胎児に及ぼす作用が異なってきます。

ですので、まずは妊娠の基本知識として、妊娠の成立とその後の経過について理解していきましょう。

妊娠の成立と経過

妊娠は、排卵された卵子が精子と受精した後に受精卵となり、子宮内膜に着床することが成立要件となっています。

卵子の成熟と排卵

排卵は、一般的に28日の月経サイクル内で生じており(月経サイクルの日数には個人差があります)、月経が始まった日を第1日として14日目前後に起こるとされています。

そして、排卵の前5日間と排卵日の併せて6日間が最も妊娠しやすい時期とされています。

受精と着床

排卵された卵子は卵管采と呼ばれる器官を経て、卵管の膨大部へと取り込まれます。そして、卵管内で精子と出会い(受精し)、受精卵となります。

その後、細胞分裂を繰り返しながら卵管を通過していき、1週間ほどで子宮へ到着し、子宮内膜に着床します。

妊娠後の胎児の器官形成

受精から2週間ほど経過すると、胎児の器官(脳や心臓、手足など)の形成が始まります。特に、妊娠4週頃からの約4週間は集中的に器官が形成されていく時期とされています。

そして、この頃に服用する薬の作用は、胎児の器官形成に影響を与えることもあり、細心の注意を払わなければならない時期でもあります。

妊娠と薬の服用の関係

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妊娠中の薬の服用は、それぞれの病気の状態や薬の種類、妊娠の時期などに応じて考えることが大切となります。

以下に紹介していく内容を参考にするとともに、不安なこと、分からないことがあれば、必ず医師や薬剤師など専門家に相談するようにしましょう。

これから妊娠を望む場合の薬の服用

まずはじめに、これから妊娠を望む場合、そして妊娠初期(妊娠2週から8週頃)における薬の服用の要点について解説します。

受精後2週間頃の影響はほとんどない

受精から約2週間の妊娠ごく初期に服用した薬の多くは、お腹の赤ちゃんへほとんど影響を及ぼさないとされています。多くの薬が服用後1日で母体から消え去ります。

市販の風邪薬や頭痛薬、胃腸薬、短期間に限って服用する薬などは、妊娠4週までに中止すれば、赤ちゃんの成長に影響することはまずありません。

妊娠初期の薬の服用は医師に相談を

普段訪れる時期での月経がなく、「妊娠したかな?」と感じる場合の薬の服用には、注意を払うようにしましょう。

念のために、妊娠していないことが確認できるか、妊娠していても大丈夫な薬であることを医師や薬剤師に確認できるまでは、薬の服用を中止しておくことが賢明です。

予防接種のタイミングには注意が必要

予防接種は胎児に影響を及ぼすことがあるため、必要かどうかをあらかじめ医師に相談しておくようにしましょう。

そして、インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチン、新型コロナウイルス感染症ワクチンのメッセンジャーRNAワクチンは、体内でウイルスや細菌が増殖することはありません。

そのため、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方でも安心して摂取することができます。妊娠中の感染は母体への負担が大きく、重症化する可能性が高くなるため、ワクチン接種をきちんと行うようにしましょう。

上記と異なり、風疹ワクチンなどの生ワクチンに該当するものは、病原性が弱まったとはいえ、ウイルスそのものを体内に接種するものであるため、妊娠中にワクチン接種は行えません。

ですが、風疹は、妊娠中に感染してしまうと胎児にも影響を及ぼす感染症の代表例でもあります。妊娠初期の妊婦が風疹にかかると、胎児の目や心臓、聴覚などに障害を抱えた先天性風疹症候群を患った赤ちゃんが生まれる可能性があります。

また、胎児に影響を与えないために、風疹ワクチンは接種後2ヶ月間の避妊が推奨されています。そのため、妊活しようと考えているカップルは早めに風疹の予防接種・抗体検査を実施するようにしましょう。

妊娠中の場合の薬の服用

ここでは、妊娠初期期間を経た後の、妊娠期間における薬の服用における要点を解説していきます。

ほとんどの薬は妊娠中に飲んでも大丈夫

妊娠すると出産への期待が高まる一方で、胎児が無事に成長するか不安を感じるものと思います。

薬を飲んだ後に妊娠が分かり、お腹の赤ちゃんへの影響を心配する妊婦さんもたくさんいらっしゃいます。実際、多くの薬は妊娠中に服用しても大丈夫だといわれています。

一方で、先天的な病気を抱える赤ちゃんは、妊娠時期のお母さんの薬の服用と関係なく3~5%ほどの割合でいることも事実です。

「元気な赤ちゃんが生まれて欲しい」と願うのは当然のことですが、現代の医学で敵わないことがあるのも事実なのです。

また、お母さんが飲んだ薬の多くは、胎盤を通ってお腹の胎児にも入っていきます。ほとんどの薬が胎児に影響を及ぼさないことが明らかとなっていますが、そのような観点から、妊娠中の薬の服用は慎重になった方が賢明だといえます。

母体の健康維持のために場合によっては薬の服用が推奨されることも

妊娠中の薬の服用は慎重になることが望ましいですが、薬を飲まなかったために、母体の症状が悪化することも考えられます。

さらには、これに伴って、胎児の発育が悪くなる、流産してしまう、赤ちゃんが先天的な病気を抱えて生まれてくるといったケースになることもあります。

母体の健康はお腹の胎児の健康にも直結しますので、薬を飲んで母体の症状を改善した方が、赤ちゃんの健康にとって良いというケースも少なくありません。

妊娠中に薬の服用が必要となった場合には、治療を受けている医師や産婦人科医、薬剤師の判断を仰ぐようにしましょう。

体調が優れない、不安を感じる場合には医師や薬剤師に相談を

病気の症状に限らず、妊娠中には何か体調が優れなく感じたり、精神的に情緒が不安定になったりすることも多いことでしょう。

そのような際には、医師や薬剤師にどのような薬の服用であれば大丈夫であるのか、相談するようにしましょう。

薬に頼ることのない健康的な生活習慣も大切

妊娠中であっても薬の服用が必要となるケースはあるかと思います。ですが、薬の服用が必要となってしまうような体調に陥らないことも、妊娠中の大切な取り組みだといえます。

バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心掛け、体の負担を溜め込まないようにしましょう。

持病を患っている場合の妊娠

妊娠中の薬の服用は慎重になることが望ましい一方で、持病を患っている妊婦さんの場合、薬の服用が前提であり、さらに細心の注意を払うことが必要となります。

また、出産年齢の高齢化に伴い、病気を抱えながら妊娠を望む方も増加傾向にあります。ここでは、持病を患っている際の妊娠期における薬の服用の要点をまとめています。

妊娠計画に応じた治療方針等をあらかじめ医師と相談する

慢性的な病気を患っている方は、将来の妊娠に備えて、妊娠の時期や今後の治療方針、薬の服用について、治療を受けている医師に相談することが大切となります。

また、妊娠後には治療の担当医だけでなく、産婦人科医にも相談し、連携を図ってもらえるようにしましょう。

母体の健康は、お腹の胎児の健康に直結しています。妊娠前、妊娠中、出産後、それぞれの時期でどのような対処が必要なのか事前に確認しておきましょう。

そして、あらかじめ相談しておいた内容に応じて、薬の服用を中止したり、変更したり、増減させたりするようにしましょう。

薬の服用の判断には専門的な知識が必要

妊娠中の薬の服用は、メリットとデメリットのバランスを考慮して決定されます。そして、その判断には専門的な知識が必要となります。

お腹の胎児にとっては安全と言い切れない薬であっても、薬を服用しながら母体の病気の治療を行った方が、胎児の健康につながることもあります。

これらの判断は自身で行わず、医師や薬剤師の指導を受けるようにしましょう。

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まとめ

この記事では、妊娠期における薬の服用について、妊娠の時期や持病を患っている場合など、各種ケースに応じた薬との付き合い方を交えて解説してきました。

妊娠中における薬の服用に対して心配を感じる方は多いかと思いますが、実際のところ、お腹の胎児に影響を及ぼす薬はほとんどありません。

ですが、薬の影響が一切ないと言い切ることは難しいのも事実です。薬の服用が必要な症状がある場合、持病を患っている場合には、担当医や産婦人科医に適宜相談するようにしましょう。

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