2人目の不妊治療を始めるタイミングはいつ?治療の流れについても詳しく解説
不妊治療により第一子を授かることで、次の妊娠もできるかが不安になり、早く第二子のために不妊治療を再開したいという人は多いのではないでしょうか。
働いている人の場合は職場の育休との兼ね合いや、体外受精で妊娠した場合に発生する凍結余剰胚の取り扱いなど、考慮するべき事項は多いでしょう。
この記事では、第二子の妊活を始めるタイミングや二人目不妊が起こる原因、二人目の不妊治療の流れなどを詳しく解説します。
2人目の不妊治療を始めるタイミング
医学的には、産後一年半は妊娠を控えたほうが良いといわれています。
その理由としては、それまでの間に妊娠することで、早産や低体重児のリスクが高まることが挙げられます。
また、帝王切開だった人は子宮破裂の恐れがあるため、最低でも産後一年半は確実に性行為の際に避妊を行う必要があります。
出産は母体に大きな負担がかかります。できるだけ早く第二子を望む場合でも、最低でも産後一年半は次の妊娠を待ちましょう。
断乳後は妊娠しやすい
授乳期間中は、おっぱいを作り出す「プロラクチン」というホルモンにより排卵が抑えられることで、妊娠しにくい身体になっています。
第一子の離乳食の進み具合や、おっぱい以外の水分補給が順調である場合は、断乳することでスムーズに妊娠できる可能性があるでしょう。
理想的な子どもの年齢差は?
理想的な子どもの年齢差に正解はありません。
第二子を望む親御さんのなかには、きょうだいの年齢差や学年差をどれくらいの期間あけたら良いのかと、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そのような場合には、ご夫婦で家族計画を立てることをおすすめします。
「子ども二人の育児を両立できるのか」「経済的に問題はないのか」など、将来を見据えて計画を立てておくことは、ご夫婦だけではなく子どものためにも必要なことです。
そのため、きょうだいの年齢差を気にする前にご夫婦でよく話し合い、それぞれの家庭の事情に合わせた計画を立てるようにしましょう。
二人目不妊の可能性
「第一子はすぐに妊娠したにも関わらず、第二子はなかなか授からない」このようなケースは珍しいことではありません。
第二子の妊活を始めてから一年以上経過しても妊娠しない場合は、二人目不妊の可能性があります。
二人目不妊は、第一子の妊娠時よりも年齢を重ねていることや、ホルモンバランスの乱れ、婦人科系の疾患などの原因が考えられます。
また、男性の方に考えられるのは、精子の質や数の低下などが原因の場合もあるため、二人目不妊かどうか診断をうける場合には、必ずご夫婦ともに検査をうけるようにしましょう。
二人目不妊の5つの原因
ここでは、先述で触れた二人目不妊に関して、その症状が起こる原因を詳しく解説していきます。
そもそも二人目不妊とは、第一子を自然に妊娠・出産後、第二子の妊娠を希望しているにも関わらず、一年以上妊娠できない状態のことをいいます。
二人目不妊の特徴としては、第一子は自然妊娠している・不妊の基本的な検査をしても異常が見当たらない、といった点が挙げられます。
主に考えられる原因は以下の5つです。
- 加齢による影響
- 出産にともなう身体の変化
- ホルモンの影響
- 性交渉回数の減少
- 肥満や痩せすぎ
それぞれの原因について詳しく解説していきます。
加齢による影響
加齢により精子や卵子の質が低下していることが、原因の一つです。
第一子の妊活時に比べ、第二子を望むときにはご夫婦ともに当然年齢を重ねています。
年齢を重ねているということは、その分精子や卵子も老化しているということになります。
老化することで精子や卵子の数や質が低下し受精できなかったり、受精できたとしても着床に至らない可能性があります。
とくに35歳を過ぎると、卵子の老化スピードが早まるといわれているため、妊娠できる確率も大幅に低下することが考えられます。
出産にともなう身体の変化
第一子の出産が不妊の原因を生みだすことがあります。
例えば、帝王切開での出産で「帝王切開瘢痕症候群」を起こすことで、不妊症につながります。
帝王切開瘢痕症候群とは、帝王切開の傷に塞がり具合が悪かったことが原因で起こります。瘢痕化した傷から微量の出血を起こしたり、頸管粘液や血液が子宮腔に流れ、受精卵が着床しにくくなります。
また、癒着胎盤で胎盤が剥離しにくかった場合にも、子宮内膜が薄くなり着床しにくくなることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れることで、直接不妊に影響を与える場合があります。
第一子の出産後は慣れない育児が始まり、体力だけではなく精神的にも疲労が蓄積される人は少なくありません。
精神的な疲労が蓄積されることで自律神経が乱れ、それにともないホルモンバランスも乱れます。
また、出産前の体型に戻そうと、極端な産後ダイエットによる影響で体調を崩し、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性もあります。
性交渉回数の減少
家事や育児、仕事の影響などで性交渉の回数が極端に減ってしまった場合も、不妊の原因となります。
性交渉のタイミングは妊娠にとって非常に重要な点ですが、子どもがいるご夫婦が全て厳密に排卵日を狙っていたわけではないでしょう。
排卵日はピンポイントですが、射精後の精子は数日間生きているため、実際には妊娠可能日は排卵を挟んで数日間あります。
性交渉のタイミングに一日のずれも許されないほど、人の生殖は精巧なものではありません。
しかし、実際には産後の育児や生活環境の変化により、性交渉の頻度は減少する傾向にあります。
こうした社会的不妊が、二人目不妊の原因の一つといえるでしょう。
肥満や痩せすぎ
二人目不妊の原因の一つとして、肥満や痩せすぎなど、身体つきの変化が影響している可能性があります。
肥満により卵巣機能が低下してしまうことがわかっているため、第一子の出産前に比べてかなり太ってしまったという人は、以前よりも妊娠しにくい身体になっている可能性が考えられます。
また、極端な産後ダイエットによる痩せすぎが原因で、ホルモンバランスを崩してしまった人も二人目不妊になる傾向にあります。
二人目不妊治療はいつから行う?
ここでは、二人目不妊に対する治療をうけるタイミングについて解説していきます。
35歳未満なら1年、35歳以上なら半年
35歳未満の人の場合は、第二子の妊娠を望んでいるにも関わらず1年経っても妊娠しなければ、治療を考えましょう。
35歳以上の人の場合は、半年しても妊娠しなければできる限り早く不妊治療を始めることをおすすめします。
第一子を自然に妊娠した場合、「自分の身体には問題ないはず」と思い込んでいたら、いつの間にか年齢を重ねてしまったというケースは珍しくありません。
第二子の出産を望んだときに、「このままでは出産適齢期を過ぎてしまう」と慌てて不妊治療をうけるために病院に受診したという人もなかにはいます。
不妊治療の開始が遅れることで、ますます妊娠しにくい状況になることが考えられます。
第一子を不妊治療の末に出産した人の場合は、以前の経験から早めに治療を開始できますが、二人目不妊は気付かない人が多く、治療開始が遅れる傾向にあります。
そのため、第二子の出産を将来的に望んでいる人は、定期的な検診をうけることをおすすめします。
原則として授乳期間を終えてから
不妊治療を始めるタイミングは、原則として授乳期間を終えてからにしましょう。
その理由は、授乳中は周期的な排卵がないことが一般的で、不妊治療をうけるのに不向きな時期なうえ、授乳で乳首が刺激されることで子宮が収縮し、たとえ妊娠したとしても流産のリスクが向上します。
授乳期間を終えて生理がきたら、不妊治療の準備ができたと考えて良いでしょう。
また、治療を行うにあたり、通院する病院によっては子どもを連れて行きにくい場合があります。
その際は、一時託児所や知人に子どもを預けることになるため、授乳が続いている場合にはそれも支障になり得ます。
二人目不妊の治療の流れ
二人目不妊の治療は、基本的に第一子の不妊治療と同じで、通常は自然に近い方法から始め、段階的に治療を進めていくのが一般的です。
ここでは、一般的な治療の流れを詳しく解説していきます。
病院によっては治療内容が異なる場合があるため、予めご了承ください。
検査
まずはじめに、不妊の原因を見つけるための検査を行います。
女性の方に行う検査は以下の通りです。
- 基礎体温の確認(受診までに基礎体温を毎日計測する必要があります)
- 血液検査
- 性感染症の検査
- 経膣超音波検査
男性の方には、精液検査や感染症検査などを行います。
タイミング法
排卵を予測して性交渉のタイミングを合わせる「タイミング法」が行われます。
排卵の予測には、基礎体温や超音波による卵胞の大きさの確認、血液検査や尿検査などのデータを用います。
なかには、タイミング法だけで妊娠する人もいます。
排卵誘発法
排卵誘発法は、内服薬や注射などで卵巣を刺激することで排卵を起こさせる方法で、タイミング法と併用するケースもあります。
人工授精
人工授精は、排卵日に注入器で精子を子宮内に送り込む方法です。
夫の精子を注入する「配偶者間人工授精」と、夫以外の男性の方から提供された精子を注入する「非配偶者間人工授精」の方法があります。
体外受精
体外受精は、精子と卵子を体外に取り出し、受精・培養を行い、作られた受精卵を子宮内に移植する方法です。
排卵誘発剤を注射して排卵を促し、膣から細い針を入れて卵巣から卵子を吸入して採卵を行います。
このときに採卵された卵子と、採取した精子を一緒に培養し受精させます。
不妊治療は段階的に行われますが、年齢や不妊の原因によっては、体外受精を早期段階ですすめられることもあります。
担当の医師と相談しながら、身体の状態にあった治療法を選択しましょう。
まとめ
この記事では、第二子の妊活を始めるタイミングや、二人目不妊が起こる原因、不妊治療の流れを詳しく解説しました。
第二子の妊活を始めるタイミングは、医学的に産後一年半は次の妊娠を待つことが原則とされています。
その理由としては、早産や低体重児のリスク、最悪の場合は流産する可能性などが挙げられます。
また、不妊治療を始めるタイミングにより、妊娠のしやすさが異なってくるため、「もしかしたら不妊症かも」と疑問を抱かれた場合には、ご夫婦揃って早めの受診をうけることをおすすめします。
「三軒茶屋ウィメンズクリニック」では、一人でも多くの患者さんのサポートができるように、一人ひとりに合わせた検査や治療を心がけています。
第一子での不妊治療、または第二子を望む場合に悩みを抱えている場合には、ぜひ一度三軒茶屋ウィメンズクリニックにご相談ください。
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