不妊治療の成功率とは?下がってしまう原因やポイントを紹介

不妊治療 成功率

子どもが欲しいと不妊治療を始める、始めたいと思っている人もいるかもしれません。

実際に不妊治療を始める際に気になるのは「不妊治療の成功率」でしょう。

不妊治療の成功率はさまざまな要因で変動し、成功率を上げるためにできることもあります。

ここでは、不妊治療の成功率や成功率が下がってしまう原因、成功させるためのポイントについて紹介します。

不妊治療を成功させたい人、不妊治療を始めようとしている人はぜひ最後までご覧ください。

不妊治療の成功率は年齢と共に下がっていく

不妊治療 成功率

不妊治療の成功率は、年齢と共に下がっていく傾向にあります。

年齢出産率
20代約20%
30代前半約18%
30代後半約13%
40代約4%

出典:厚生労働省 不妊治療における年齢別の出産率と流産率

こちらの表をみてわかるとおり、最も出産率が高いのが約20%の20代で、30代後半になると特に大きく出産率が下がります。

また、妊娠22週以前に子どもが流れてしまう流産は、不妊治療と自然妊娠は関係なく、全体の8〜15%で起こります。

流産する確率も最も低いのが20代で30代後半になると高くなる傾向にあるため、年齢が上がるとリスクが増えることがわかります。

不妊治療の成功率が下がってしまう原因

不妊治療 成功率

若い方が不妊治療の成功率が高く、年齢と共に成功率が下がってしまう原因は男性と女性のどちらにもあります。

ここでは不妊治療の成功率が下がってしまう原因を4つ紹介します。

卵子数の低下

子どもを作れる卵子の数が年齢と共に低下するため、どんどん不妊治療の成功率が下がってしまいます。

女性が生涯に持つ卵子数は決まっており、人生のなかで女性が最も多くの卵子を持っているのは妊娠5ヶ月(母親のお腹にいる時)の時です。

妊娠5ヶ月のときに600〜700万個の卵子の元になる卵母細胞は、閉経までに少しづつ減っていき増えることはありません。

年齢別の卵母細胞の目安数は以下のとおりです。

  • 生まれた直後:200万個
  • 初潮が来る思春期:30万個
  • 30代後半:2.5万個
  • 50代:1,000個

卵母細胞がなくなると閉経となり、妊娠はできなくなります。

卵子の質の低下

年齢を重ねるごとに、染色体異常の卵子の数が増加する傾向があり、仮に受精が成功しても途中で育たなくなってしまうことがあります。

また、仮に子どもが育ってもダウン症などの染色体異常を持った子どもが生まれやすいです。

染色体異常は若い時でも発生する可能性はありますが、35歳で50%を超え、そこからどんどん確率が増加します。

卵子の質の低下は誰にでも平等に起きることであり、質の低下を止めたり治したりすることは現在の技術ではできません。

精子の質の低下

「卵子の質の低下」と同時に男性側の精子も年齢と共に質が低下します。

精子はだいたい80日周期で新しいものがつくられるため、卵子程の質の低下は少ないです。

しかし、最近の研究では精子の運動率や数、染色体異常率などが年齢に影響を受けるとされています。

卵子と違う点としては、80日周期で新しい精子が作られるため、適切な治療を受ければある程度質の低下は改善できる可能性があります。

婦人系疾患の発症率の上昇

女性は年齢が上がると同時に子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人系疾患の発症率が上昇します。

婦人系疾患の全てが不妊に直結するわけではありませんが、卵巣機能の低下・卵管の詰まり・着床不全など不妊の原因に繋がってしまう場合があります。

不妊治療を成功させるためのポイント3つ~治療編~

不妊治療 成功率

不妊治療を成功させるためには、何をすればよいのでしょう。

ここでは、治療面において不妊治療を成功させるためのポイントを3つ紹介します。

まずは早めに不妊の原因を検査する

妊娠できない原因はさまざまあり、正しい不妊の原因を見つけるためには精密な検査が必要です。

また、不妊の原因によっては、不妊治療を始める前に不妊の原因を治すための治療を受ける必要が出てくるかもしれません。

先程も触れたとおり、不妊治療の成功率は年齢と共に低下するため、できるだけ早く不妊治療を始めるのが理想です。

まずは、不妊の原因などを検査して、今後の治療方針について話し合いましょう。

タイミングを見て治療のステップアップを行う

不妊治療の方法は1つではなく、タイミング法や人工授精、体外受精などさまざまな方法があります。

不妊治療は不妊の原因を治療するためではなく、妊娠する方法を探す医療となっています。

そのため、1つの不妊治療に固執して続けるのではなく、年齢や卵子・精子の状態などを加味して、次の不妊治療へステップアップしていきましょう。

治療別の不妊治療成功率はタイミング法⇒人工授精⇒体外受精⇒顕微受精となっています。

自分にあった病院を選ぶ

同じ不妊治療でも、病院によって妊娠成功率が異なります。

日本は、世界的にみても不妊治療ができる病院が多いため選択肢が多く、不妊治療を行う病院選びは重要です。

また、不妊治療の成功率の高さだけではなく、仕事をしながら不妊治療を進めたいなどの希望があるかもしれません。

各病院では、ホームページで治療方針や不妊治療の成功率を記載していたり、説明会などを開催してそこで説明を受けられたりします。

病院が家や職場から近いことも大切ですが、不妊治療の成功率や治療方針なども必ずチェックして病院を選びましょう。

不妊治療を成功させるためのポイント6つ~日常生活編~

不妊治療 成功率

次に紹介するのは日常生活面における不妊治療を成功させるためのポイントです。

不妊治療成功のためには、適切な治療を受けることも大切ですが、日常生活にも気を付けて妊娠しやすい身体を作ることも大切です。

それでは日常生活において不妊治療を成功させる6つのポイントを紹介します。

規則正しい生活を意識する

不妊治療を成功させるためには、健康な身体が必要であり、健康な体を作るためには規則正しい生活が欠かせません。

規則正しい生活を行うことで、身体の内外両方から妊娠の準備が整えられます。

同じ時間に睡眠・起床を行い、自律神経を整えることも意識しましょう。

自律神経の不調はホルモンバランスの乱れを引き起こし、卵巣や子宮はホルモンの影響を受けやすいため、月経不順や無排卵など不妊の原因につながります。

不妊治療を始める際には、土台である身体を整えるために規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

適正体重を維持する

太りすぎ痩せすぎの身体も不妊につながりやすくなるため、適正体重を維持することを意識しましょう。

太りすぎの場合、卵子を保護して栄養を供給する卵胞の成長が途中で止まってしまう多嚢胞性卵巣になりやすく、排卵が起こらなくなってしまいます。

逆に痩せすぎの場合、栄養不足やエネルギー不足に陥っている可能性があり、妊娠よりも生命維持の方にエネルギーが使われてしまい、排卵が止まってしまいます。

適正体重を維持できるよう、適度な運動や栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

足りない栄養をサプリメントなどで補給する

妊娠には普段の生活以上にさまざまな栄養が必要になり、なかには体内生成ができず食事で補う必要があるものもあります。

栄養バランスのよい食事を心がける点も重要ですが、どうしても不足する栄養に関してはサプリで補給しましょう。

不妊治療で妊娠を目指す際に、女性が意識して摂取したい栄養は以下のとおりです。

  • レスベラトロール:卵胞の発育を改善し細胞膜を安定させる
  • ビタミンD:卵子の成熟を促進して着床率を高める
  • ヒシエキス:卵子の質を改善する
  • 葉酸:生まれてくる子どもの神経管閉鎖障害の可能性を下げる
  • メラトニン:卵子を保護して質を改善させる
  • 鉄分:子宮内膜を厚くして卵巣の老化を防ぐ
  • 亜鉛:着床しやすい子宮環境を整える

また、男性が意識して摂取したい栄養は以下のとおりです。

  • 亜鉛:男性ホルモンの合成・分泌機能・精子形成能力低下の防止ができる
  • DHA:正常な形態の精子を作るために必要な

このなかには過剰摂取すると中毒症状が出てしまうものもあります。

サプリメントの用法用量はしっかりと守り、不安であれば不妊治療を行う病院で相談してもよいでしょう。

適度な運動を行う

ウォーキングやストレッチなどの適度な有酸素運動は、血流が良くなり卵子や精子などの生殖機能にもよい影響を与えてくれます。

ただ、過度な運動は逆に排卵障害を引き起こし生殖能力の低下を引き起こすことがあるため、やり過ぎには注意が必要です。

ウォーキングの場合は早歩きを30分程度で少し汗ばむくらいが理想です。

特に女性であればストレッチやヨガがおすすめで、血行が良くなり子宮内膜によい影響を与えるだけではなく、自律神経を整えることもできます。

身体を冷やさない・温め過ぎない

身体を冷やしてしまうと、血行不良になり月経困難症などの不妊の原因になってしまいます。

身体を冷やさないためには、適度な運動で基礎代謝を上げるだけではなく、しょうがなどを含む食べ物や飲み物を積極的に摂取するのがおすすめです。

また、男性の場合は下半身を暖め過ぎないように注意が必要です。

男性の下半身(精巣)を温め過ぎると精子に悪影響を与えてしまいます。

頻繁なサウナなど、下半身を温め過ぎることは避けましょう。

ストレスを溜めない

過度なストレスは、男女共にホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こし、不妊の原因になります。

特に不妊治療中は、定期的な通院や仕事との両立、不妊治療失敗などストレスが溜まりやすくなっています。

ストレスを全て排除することはできませんが、自分にあった解散方法などを見つけ、適度に発散するようにしましょう。

まとめ

不妊治療の成功率は年齢と共に下がっていく傾向にあり、最も成功率が高いのが20代で30代後半になると大きく下がります。

また、流産する可能性も30代後半になると高くなる傾向にあるため、不妊治療を成功させたい場合は、できるだけ早く治療を始めるようにしましょう。

不妊治療の成功率が下がってしまう原因は、卵子数の低下や卵子・精子の質の低下などです。

不妊治療を成功させるためには、適切な不妊治療を受けるだけではなく、日常生活にも気を配り、妊娠しやすい身体を作っておくようにしましょう。

不妊治療について、何をすればよいのか不安に思うこともあるかもしれません。

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