妊活がつらいと感じる理由は?乗り越えるための対策を紹介

多くの夫婦が取り組んでいる妊活ですが、その道のりは決して平坦ではありません。
中には「つらい」「もう疲れた」と限界を感じてしまう方もいます。
妊活中に「つらい」と感じるのはどんな時なのでしょうか。そして、その気持ちとどう向き合えばよいのでしょうか。
この記事では、妊活がつらいと感じる理由と、その気持ちを軽くするための対処法を紹介します。
妊活に疲れてしまったときは、ぜひ参考にしてみてください。
妊活中に悩みや不安を抱えている方は少なくない

妊活に取り組む中で、心身の負担を感じながら悩みを抱えている方は少なくありません。
思うような結果が出なかったり、周囲の期待や無言のプレッシャーに押しつぶされそうになったりして、気持ちが追い込まれてしまうこともあるでしょう。
誰にも悩みを打ち明けられず1人で抱え込んでしまうことで、不安や孤独感が増す方もいます。
実際に、月間750万ユーザーの「こそだてハック」運営会社・エバーセンスの調査では、妊活中の女性のうち87.3%が「ストレスを感じている」と回答しています。
※参照:【調査リリース】妊活中87.3%の女性がストレスを感じているのに対し、男性は61.1%!ストレス原因は「なかなか妊娠しない焦り」が第1位 – 株式会社エバーセンス
妊活がつらいと感じる理由

妊活がつらいと感じる背景には、さまざまな要因が潜んでいます。
精神的なプレッシャーだけに限らず、日常生活への支障や経済的な負担に悩まされることも少なくありません。
また、人間関係がギクシャクするなど、あらゆる面でストレスが重なっていくこともあります。
ここからは、妊活がつらくなる理由を詳しく見ていきましょう。
明確な目標があるのに、結果が出ない時間が長く続くジレンマ
「妊娠する」という明確な目標があるにもかかわらず、いつ結果が出るか分からないのが妊活の難しさです。
排卵日を計算し、基礎体温を測り、食事や生活習慣にも気を配っているのに、毎月のように生理がくるたびに落胆してしまう……。
こうした期待と失望の繰り返しは、想像以上に心をすり減らします。
自分を責めたり、「何がいけないのだろう」と不安に駆られたりすることもあるでしょう。
努力しても報われないように感じるこのジレンマが、妊活をつらいと感じさせる大きな要因の1つです。
仕事や家事との両立が難しくなりストレスを感じる
妊活と日常生活の両立に悩む方は少なくありません。
通院やタイミングの調整、体調管理など、妊活には時間的・精神的な余裕が必要ですが、仕事や家事に追われる毎日の中では思うように取り組めず、ストレスを感じてしまうこともあります。
また、不妊治療を受けたからといって必ず妊娠できるわけではないという現実は、多くの方にとって大きな壁です。
何年も治療を続けてもなかなか授からず、「いつ諦めるべきなのか」が分からずに気持ちが落ち込んでしまう人もいます。
厚生労働省の調査によると、不妊治療を経験した人のうち、治療と仕事の両立が難しく離職した人は約16%にのぼります。
特に女性では約23%と、4人に1人が仕事を手放しているのが現実です。
職場の理解を得にくい場合もあり、こうした環境が妊活のつらさをさらに深めているのです。
参照:30d.pdf
経済的な負担が心を締めつける
不妊治療は自由診療が多く、1回の通院でも数万円以上かかることがあります。
検査や薬、サプリメントの購入費なども継続的に発生し、経済的な負担は決して小さくありません。
2022年4月からは保険適用の範囲が広がり、以前よりも経済的な負担は軽減されつつありますが、それでも体外受精1回あたりの費用(3割負担)はおおよそ2〜4万円ほどです。
検査・採卵・受精卵の培養などを含めると、治療費はさらにかさみます。
また、保険適用外の治療法の場合は全額自己負担で対応しなければなりません。
結果として、治療にかかる総費用が数百万円に及ぶこともあり、経済的な負担が夫婦の心身に大きな影響を及ぼすこともあります。
情報が多すぎて何が正しいか分からない
妊活を始めると、ネットやSNS、本などからさまざまな情報が入ってきます。
「○○を食べると妊娠しやすい」「このタイミングがベスト」など、方法や考え方があまりにも多く、何を信じればいいのか分からなくなることもあるでしょう。
情報が多いほど、選択や判断に迷いが生じ、「これで合っているのか」という不安がつきまといます。
信頼できる情報を選ぶには、産婦人科医や専門機関が監修する医療サイト、公的機関が発信する情報などを参考にするのが良いでしょう。
正確な知識を持つことで、不要な不安を減らすことができます。
パートナーの理解不足や周囲からの期待
妊活は、夫婦が一緒に歩んでいくものです。
だからこそ、どちらか一方に負担が偏ると、ストレスを感じやすくなります。
たとえば、タイミングをとりたい日に「今日は飲み会だから」と後回しにされたり、パートナーがゲームに夢中で協力的でないと、気持ちが追いつめられることもあるでしょう。
女性側ばかりが通院や情報収集を担い、心身の負担を1人で抱えてしまうケースも少なくありません。
また、「まだ?」「早く赤ちゃんを」など、周囲からの無意識なプレッシャーの言葉に心が傷つくこともあります。
こうした環境では孤独感や焦りが募りやすく、妊活がますますつらいものになってしまいます。
妊活中に注意したい「妊活うつ」とはどんな状態?

妊活に真剣に向き合うほど、うまくいかない現実とのギャップに心が疲弊してしまうことがあります。
その結果、気づかないうちに「妊活うつ」と呼ばれる状態に陥ってしまうケースも少なくありません。
ここでは、妊活うつとはどのようなものか、また代表的な症状について詳しく解説します。
妊活うつとは
「妊活うつ」は正式な医学用語ではありませんが、「子どもが欲しくてもできない」というつらい思いを抱える方に多く見られます。
妊活の過程で心身のバランスを崩し、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
しかし、多くの人がそのつらさをまわりに打ち明けられず、孤独な状態に陥ってしまいがちです。
また、こうした状態は「よくある女性特有の不調」だと軽く見られてしまうこともあり、理解されにくい側面もあります。
妊活うつは特別なものではなく、一般的なうつ症状と同様に、適切なケアが必要な状態です。
ひとりで抱え込まず、信頼できる専門機関に相談することをおすすめします。
妊活うつの具体的な症状
妊活うつでは、以下のような症状が見られることがあります。
- 物事を「楽しい」「うれしい」と感じにくくなる
- 妊娠への焦りが常に頭から離れない
- 睡眠が浅くなり、休んだ気がしない
- 妊娠できない自分を否定してしまう
- パートナーに対して不満や苛立ちを感じる
- 周囲の妊娠報告を素直に喜べない
- 他人の妊娠と自分を比べて落ち込む
- 妊婦や赤ちゃんを見ると情緒が不安定になる
これらの症状に加えて、不妊治療にかかる高額な費用や、職場での無理解、親族からのプレッシャーなども、心をさらに追い込む要因となるでしょう。
さらに、パートナーが不妊治療に対して非協力的だったり、気持ちや考え方にすれ違いがあると、「なぜ私ばかりが頑張らないといけないのか」と孤独感が増し、症状が悪化してしまうこともあります。
つらさを抱えたときに試したい心のケア方法

妊活が長引くにつれて、心の疲れや孤独感を強く感じる方も少なくありません。
そんなときは、無理に前を向こうとせず、まずは自分の心と丁寧に向き合うことが大切です。
ここでは、妊活のつらさを少しでもやわらげるための心のケア方法をご紹介します。
ひとりで抱え込まず、あなたのペースでできることから始めてみましょう。
自分の心の声に耳を傾けて、意識的に休息をとる
妊活がつらいと感じているときこそ、自分の心の声に静かに耳を傾けることが大切です。妊活は、身体だけでなく心にも大きな負担をかけるものです。
妊娠という明確な目標があるからこそ、「頑張らなければ」と無理をしがちですが、その気持ちが積み重なると、知らず知らずのうちに心が疲弊してしまいます。
「最近ずっと気分が沈んでいる」「何をしても楽しく感じない」など、自分の中の変化に気づいたら、それは休息が必要なサインかもしれません。
家事や仕事の手を1度ゆるめて、ゆっくり眠る、好きな音楽を聴く、ひとりの時間をつくるなど、意識的に心を休ませる時間を取りましょう。
妊活中は「止まること」に罪悪感を抱く人も多いですが、立ち止まることも妊活の一部です。自分をいたわることが、結果的に妊活を前向きに続ける力になります。
パートナーと不妊治療のゴールや気持ちを言葉で確認する
妊活がつらいと感じる原因のひとつに、パートナーとの気持ちのズレや温度差があります。
とくに妊活が長期化するほど、「自分ばかりが頑張っている」「相手は真剣に向き合ってくれていない」と感じてしまい、孤独感や不満が募ることもあるでしょう。
そうならないためには、妊活に対する考え方やゴールを、定期的にパートナーと話し合ってすり合わせることが大切です。
たとえば「どこまで治療を続けるか」「治療がつらくなったときにどう支え合うか」「子どもが授からなかった場合の選択肢」など、感情的にならず冷静に共有することで夫婦の絆が深まり、妊活のストレスも軽減されます。
話し合いの場では、お互いの気持ちを尊重し、否定せずに聞く姿勢が重要です。
妊活は、どちらか一方が主導するものではなく、2人で取り組むべきものです。
お互いが支え合う関係を築くことで、妊活の道のりも少しずつ穏やかなものになっていきます。
自力で抱えきれないと感じたら、専門家や第三者に相談を
妊活がつらいと感じたとき、「自分が弱いからだ」「もっと頑張らなければ」と思い込んで、1人で抱え込んでしまう方は少なくありません。
しかし、心が限界を迎える前に、誰かに相談することは決して甘えではなく、大切な自己防衛です。
妊活に関する悩みはデリケートで、周囲には話しづらいことも多いですが、医療機関のカウンセリングサービスや、不妊治療専門の心理士・助産師など、専門家に気持ちを打ち明けることで、心が驚くほど軽くなることがあります。
つらさを感じたときは、無理をせず、自分の心に「助けを求めることは悪いことではない」と声をかけてあげてください。
誰かに話すことで、妊活のストレスを少しずつ手放すことができるはずです。
まとめ
妊活は、想像以上に心と体に大きな負担をもたらすものです。
「つらい」「もう疲れた」と感じるのは、ごく自然な感情であり、決してあなたが弱いわけではありません。
うまくいかない現実に心が追い込まれてしまうこともありますが、そんなときこそ、自分の気持ちを否定せず、丁寧に向き合ってあげてください。
本記事でご紹介したように、妊活中のつらさにはさまざまな背景がありますが、その対処法もひとつではありません。
パートナーとの対話や、自分をいたわる時間、信頼できる人への相談といった行動が、心の重荷を少しずつ軽くしてくれます。
三軒茶屋ウィメンズクリニックは、婦人科専門医としての豊富な知識と経験を活かし、ひとりひとりに寄り添ったオーダーメイドの妊活サポートを行っています。
専門医がライフスタイルや身体の状態を丁寧にうかがいながら、その方に合った無理のない治療プランをご提案。
また、不妊症看護認定看護師・助産師をはじめとしたスタッフがチームでサポートし、不安や疑問にやさしく寄り添います。
三軒茶屋駅から徒歩5分ほどの立地にあり、自身のライフスタイルに合わせた通いやすい環境が整っているのも、安心できるポイントです。
妊活に少しでも不安や気になることがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。
妊活が少しでも穏やかで前向きな時間になるよう無理をせず、あなたらしいペースで歩んでいきましょう。