未受精卵子凍結

卵子凍結(未受精卵子凍結)

 卵子凍結とは、女性の卵巣から卵子を体外に取り出し、凍結し、保管することです。
妊娠するには、卵子と精子が受精することが第1条件ですが、受精していない、卵子のみを凍結保存することを未受精卵子凍結と言います。

卵子凍結の適応について

日本生殖医学会において、「未受精卵子、あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン」があります。
当院では、そのガイドラインに基づき、社会的適応による未受精卵子凍結・保管が可能です。

以下抜粋
  1. 加齢等の要因により、性腺機能の低下をきたす可能性を懸念する場合には、未受精卵子あるいは卵巣組織(以下未受精卵子等)という)を凍結保存することができる。
  2. 凍結・保存の対象者は成人した女性で、未受精卵子等の採卵時の年齢は、40歳以上は推奨できないまた、凍結した未受精卵子等の使用時の年齢は、45歳以上は推奨しない。
  3. 本人の同意に基づき、未受精卵子等を凍結・保存することができる。
  4. 実施にあたっては、口頭及び文書を用いて、未受精卵子等の採取・凍結・保存や凍結された未受精卵子等による生殖補助医療(顕微授精)について十分に説明し、本人の同意を得るインフォームドコンセント(IC)を実施しなければならない。
  5. 未受精卵子等は本人から破棄の意志が表明されるか、本人が死亡した場合、は直ちに破棄する。
    また、本人の生殖可能年齢を過ぎた場合は、通知の上で破棄することができる。
  6. 未受精卵子等は、本人の生殖以外の目的で使用することはできない。
2013年11月15日
一般社団法人日本生殖医学会
倫理委員会報告

卵子凍結の基本的な流れ

  1. 排卵誘発
    いくつかの排卵誘発の方法があり、医師の診察、指導のもと、ご希望や体調に合わせて選択します。
    • (1)排卵誘発方法
      • ①自然周期:自然周期もしくは内服薬のみで、1個か2個の採卵を目指します。
      • ②調節卵巣刺激法:内服薬及び注射薬により、複数個の採卵を目指します。
    • (2)排卵誘発方法の一例
      月経3日目から内服薬と注射薬を数日、すなわち数回投与し、採卵の日を迎えます。
      成熟した卵子を得るため、女性の状態によって薬の量や投与回数が異なってきます。
  2. 採卵 注1)注2)注3)
    • (1)経膣超音波の機器(プローブ)に沿って採卵針を使い、卵子と共に卵胞液を吸引します
    • (2)当院では全身麻酔により採卵を行います(日帰り)
      • 注1)卵子凍結とは別に、採卵の同意書が必要です
      • 注2)採卵時の年齢は、原則、ガイドラインが推奨する年齢までといたします
      • 注3)採卵した卵子の状態により、凍結に適さない場合があります
  3. 凍結保存
    • (1)ガラス化法という方法で、成熟した卵子のみを凍結します。
    • (2)1年ごとに保管の更新料が発生します。
  4. 保管期間
    ガイドラインで推奨される期間、すなわち卵子凍結した女性が、45歳に至るまで、凍結保管いたします。

料金について(税込)

各種検査(感染症検査、ホルモン検査等含む)約33,000円
採卵までの排卵誘発の費用(内服薬、注射薬、経膣超音波検査等含む)約33,000円
採卵費用(採卵個数は問わず)約220,000円
卵子凍結約33,000円
凍結延長費用(1年ごと)卵子1個ごとに22,000円

尚、料金は社会的事情等により、予告なく変更となる場合がございます。
予め、ご了承ください

その他留意点

  1. 将来、凍結していた卵子を使って妊娠を目指す場合、ご本人の同意は勿論、提供精子の方の同意のもとで、体外受精(顕微授精)となります。
  2. 凍結延長の手続きに関して、原則当院からの連絡は致しません。
  3. 凍結した卵子は、ガイドラインに基づき、保管・廃棄いたします。転居された場合はお知らせください。
  4. 災害などの不可抗力により卵子の損傷や損失が生じた場合、当院では一切保証はございません。
 

お電話

ご予約